2025年もやはり漫画の世界は鮮やかに、そして深淵にまで及んでいました。今年はとくに多くの素晴らしい作品に出会えたと思います。「これは！」と感じた作品を厳選して10作品を紹介しましたが、これがすべてではありません。各界で活躍するクリエイターたちが日々生み出す物語はいつも私たちを刺激し、元気づけ、時には深く心に突き刺さるものです。

巧みなストーリーテリング、しっかりと描かれたキャラクターたち、孤独や希望、愛や悲しみといった普遍的なテーマに、ここ最近の社会情勢が反映され、リアルに感じることができた作品も少なくありませんでした。それが漫画の力であり、独自の魅力だと改めて感じています。

一方で、少し変わった世界観や、新しい視点で描かれた作品も見逃せません。時と場合によって開眼させられることがありますし、新しい観察眼を得ることで、日々の生活にも彩りが加わるだけでなく、他の作品を読むときにも新たな視点を提供してくれます。

特集を組むたびに改めて実感するのは、漫画という一つの表現方法がいくつもの世界を持っていて、そこにはさまざまな命が息づいているということ。そしてそのすべてが、私たち読者に新しい発見と感動を与えてくれます。

読んだだけで完結せず、自分の中で響き続け、何度でも手に取ってみたくなる。そういう作品に今年もたくさん出会えました。たくさんの感動をありがとうございました。これからも、どの作品も大切に読み進めていきたいと思います。来年もまた新たな出会いがあることを楽しみにしています。この特集が皆さまの漫画選びの一助になれば幸いです。