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宮部みゆき『黒武御神火御殿 ― 三島屋変調百物語六之続』は、江戸時代を舞台にした時代怪談シリーズの第6巻です。三島屋に集う人物たちが語る百物語を通して、妖怪や怪異、そして人間の心理や欲望が丁寧に描かれています。タイトルにある「黒武御神火御殿」をめぐる怪異譚を軸に、江戸の風俗や生活文化も織り交ぜられ、単なる恐怖譚ではなく人間ドラマとしての深みもあります。シリーズを通して積み重ねられた伏線や謎解きの要素が光る一冊です。