『うつろ舟伝説が表象する文化露寇』(佐藤秀樹)は、日本に伝わる「うつろ舟」伝説を通して、異文化接触や外来文化の受容・警戒の歴史的背景を分析した学術書です。伝説に描かれる異様な船や漂着物は、単なる怪談ではなく、社会や文化が異質なものに対して抱く恐怖や好奇心を象徴しています。佐藤は民俗学・文化史の視点から丁寧に考察し、伝説が当時の文化的・政治的状況を映す鏡であることを示す一冊です。
日本の北方領土で勃発した日露紛争の大事件文化露寇。18世紀末から19世紀初頭の日本の国際情勢と江戸の世相を文献資料から考察。馬琴『兎園小説』、「うつろ舟の蛮女」の真偽に迫る。
【目 次】
はじめに
第一章 恐れいりやの馬琴説、びっくりしたやのUFO説
一 曲亭馬琴のうつろ舟の蛮女
二 異形文字は駄法螺の証明説
三 空を飛ばないUFOの話
四 見世物になったうつろ舟
五 尾張国のうつろ舟
第二章 奇妙なかわら版の存在
一 養蚕に関わる金色姫伝説
二 中世から伝わる養蚕伝説
三 享和三年に常陸国漂着の不思議
四 漂着した蛮女の姿の形成
第三章 愚か者の金と紛い物の金
一 うつろ舟の異形文字は文字なのか
二 古典化学から異形文字を解読
三 オランダ語辞書『訳鍵』の記号
四 オランダの文物を珍重した時代
第四章 文化露寇事件(フヴォストフ事件)とは
一 ラクスマンの来航(発端)からゴロウニンの捕縛(収束)
二 レザノフの帰帆と幕府の対応(事件の始まり)
三 飛び交う風聞と手紙
四 杉田玄白『野叟独語』の悔しさと不安
五 蒲生君平『不恤緯』の悲憤と怒り
六 露寇を小説にした『北海異談』の末路
終章 不思議な漂着物から不気味な到着者に
付録 『北海異談』と『私残記』ほか
一 北海異談普譜(北海異談後半のあらすじ)
二 エトロフで捕虜となった砲術師の手記『私残記』抄
三 北方警備に赴いた津軽藩士の目録「松前詰合日記」抄
参考文献
あとがき
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