ありがとう
0
この作品は能楽という日本の伝統芸能を題材にした珍しい設定のマンガとして、非常に興味深い内容でした。壱原ちぐさ氏の丁寧な作画と、宝生和英氏の監修による本格的な能楽の描写が印象的で、普段馴染みのない世界を身近に感じることができます。主人公葉賀琥太朗の成長物語を通して、能楽の奥深さや厳しさ、そして美しさが伝わってきました。特に稽古の様子や舞台での緊張感、師弟関係の描写がリアルで、伝統芸能に携わる人々の真摯な姿勢に感動させられます。能の面や装束の細部まで丁寧に描かれており、視覚的にも能楽の魅力を堪能できる点が秀逸です。伝統と現代の架け橋となるような作品で、若い世代に能楽の素晴らしさを伝える貴重な媒体として、文化的価値も高い作品だと思います。