ありがとう
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心の奥がぎゅっと締め付けられるような感覚になりました。大阪・ミナミの街を舞台に、厳しい現実の中でも懸命に生きる人々の姿が、まるで映像のように鮮やかに描かれています。
主人公・春の、不器用だけどまっすぐな生き様には何度も胸を打たれました。彼女の目を通して見る世界は、優しさと残酷さが入り混じっていて、時に苦しくなるけど、それでも希望の光が消えない。そのバランスが絶妙でした。
読後には、ミナミの雑多な活気や匂いまでもが心に残り、「あの場所に行ってみたい」と思わずにはいられませんでした。