『シン日本流経営 成長のダイナミズムを取り戻す「超進化」』は、日本企業が直面する経営課題に対し、持続的成長と競争力を回復するための戦略やマネジメント手法を解説した一冊です。名和高司は、日本的経営の強みを生かしつつ、革新・変革・組織力の向上を通じて企業のダイナミズムを取り戻す具体策を提案しています。読むことで、従来の慣習にとらわれず、柔軟かつ戦略的に経営を考える視点が得られ、日本企業の成長戦略や組織改革に関心のある人に参考になる内容だと感じました。
長らく経営の世界では、グローバル化の必要性が喧伝されてきた。単なるアメリカ化、しかも周回遅れでそれを取り入れ続けてきたことが、失われた30年に象徴される日本企業の凋落の要因ではないか。つまりは、この30年間、日本企業は「軸」がブレ続けていたのではないだろうか。その意味で、本書の入口は「欧米流経営とどう向き合うか」「自分たちの軸をどう取り戻すか」にある。欧米流経営=世界標準と崇めることは欧米流経営を擬態したコスプレ経営である、と著者の名和高司氏は喝破する。
では、日本企業はどうすればいいか。それは、みずからの強み、つまりは「軸」を再認識すること。自分たちの軸である既存事業を、まっすぐではなく、いかに上手に斜めに掘り下げていくか。この「巧みな本業のずらし」によって「強みを再編集」することが、新たな競争力となる。まさに自分たちの新たな軸を造り変える、それが「シン日本流経営」である。
欧米流経営を擬態したコスプレ経営に一線を引き、シン日本流経営を行う先進企業は、成長のダイナミズムを獲得し、世界でも存在感を示している。実際にキーエンス、リクルート、ダイキン、ファーストリテイリング、ユニチャーム、味の素など、「聖域なき変革」と「独自の価値創造」で見事にトランスフォームを果たした企業も存在する。そうした先進企業の「進化」の形をひも解きながら、乱世を行き抜く、22世紀まで必要とされる企業となるためのシン日本流経営の姿を追求する。
●はじめに
●第1部:分岐点に立つ日本
1章 第一の道 〜超成長
2章 第二の道 〜脱成長
3章 第三の道 〜異成長
●第2部:日本流経営の奥義
4章 守破離
5章 ケース1:中川政七商店(創業1716年)
6章 ケース2:ダイキン工業(創業1924年)
7章 ケース3:カネカ(創業1949年)
8章 ケース4:キーエンス(創業1974年)
9章 ケース5:オイシックス・ラ・大地(創業2000年)
10章 本(もと) 〜学習優位の経営
コラム 「志本主義」の現在地
●第3部:シン日本流経営とは
11章 深化 と 新化
12章 心化 と 身化
13章 信化 と 真化
14章 進化する日本経営 〜Xモデル
15章 津化というトランスナショナリズム
コラム 「別日本」の可能性
●第4部:扉の向こうへ
16章 個から有機体 シンカする組織
17章 組織能力を内からブーストするソフトパワー
18章 3つの「イズム」がもたらすハードパワー
19章 第三の成長モデル シン結合
20章 世界はシン日本を待っている
●おわりに
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