「幸せって何だろう?」という問いに、初めて真正面から向き合った気がした。主人公の奈ノ花は、少し変わった小学生の女の子。友達がいなくて、周りと馴染めない彼女が、ある日「幸せとは何か」という作文の課題を出される。そこから、彼女の“幸せ探し”の旅が始まる。
奈ノ花が出会うのは、リストカットの痕がある女子高生・南さん、アバズレと呼ばれる美しい女性、静かに余生を過ごすおばあちゃん、そして尻尾の短い黒猫。彼女たちはそれぞれ、過去に傷を抱えながらも、自分なりの幸せを見つけようとしている。奈ノ花は彼女たちとの交流を通して、少しずつ自分の心を見つめ直していく。
印象的だったのは、奈ノ花が「幸せとは、自分で決めるものだ」と気づいていく過程だ。誰かに与えられるものではなく、自分の中にあるもの。それは、私たちにも通じる大切なメッセージだと思う。
この物語は、ファンタジーのような不思議さと、現実の痛みが混ざり合っていて、読んでいて何度も胸が締めつけられた。でも、最後には温かい気持ちが残った。奈ノ花の成長は、私自身の心にも小さな変化をもたらしてくれた。
『また、同じ夢を見ていた』は、誰かにとっての“幸せ”が、必ずしも自分にとっての“幸せ”ではないことを教えてくれる。そして、自分の人生をどう生きるかは、自分で選んでいいんだと














