本好きにはたまらない作品です。
異世界転生ものですが、主人公・マインの『本を読むための涙ぐましい努力』にとても共感ができます。
マインが転生した世界には『紙の流通があまりなかった』ため、あの手この手と工夫を繰り返し、気が遠くなるような努力の末、自作本を手にしていきます。
本を読みたいがために『紙を作る』ところからはじまるので、本ができる過程や背景といった知識、何よりその執念深さに驚かされます。
『紙だけでなく』生活レベルが現代の日本と比べて低いため、マインは多くの不便を強いられます。
そういった不便を少しでも解消すべく、転生前の知識を活用して、シャンプーで髪を洗う習慣がなかった文化を一新するなど、さまざまな便利グッズを作成していきます。
とても作り込まれた世界観で、色彩豊かな描写が多く、植物も独特です。
マインや登場人物たちの関係性や性格といった、人間味あふれる部分をとても繊細に感じられるシーンが多く、紙や便利グッズを作る知識だけでなく、ストーリー性も高いです。
『真性の本好き』の方や、困難に立ち向かう前向きな主人公を応援したいという方に、とてもオススメできる作品です。
病弱な少女として転生したマインが、大好きな本のために体を張って努力するその姿をぜひ応援してみませんか?