第11回えんため大賞の特別賞受賞作品。
とある高校の部室棟401号室の文化研究部員で、プロレスオタクで、自己犠牲をいとわない主人公・八重樫太一。
天然美少女でバツ5の母を持ち、自分の好きなものが分からない永瀬伊織。
冷静沈着で人間不信の稲葉姫子。
お調子者で『命を落としたら頑張っても意味がないと悟っている』青木義文。
そして、この物語は『ファンシー大好きで男性恐怖症の桐山唯』が、謎の存在<ふうせんかずら>によって、「誰かが自分に」なって、「自分が誰かに入れ替わる」五角形コメディになっています。
作品タイトルのとおり、ランダムに5人の高校生が入れ替わります。
アニメで声優陣が『入れ替わり』を演じていますが、原作でもとても上手く表現しています。
私は原作の方が、時間や内面の葛藤をより深く表現されていると思いました。
悩みを持つ人は、とても共感できる内容なので、ぜひおすすめしたい作品です。
登場人物それぞれが抱えている悩みが、人格の『入れ替わり』によって露わになっていきます。
時間や場所を選ばず入れ替わるので、相手のプライバシーは関係ありません。
高校生のアトランダムな入れ替わりという新しい手法で、思春期の男女の気持ちを、とても繊細に描写していると思いました。
何かに悩んでいたり、自分に自信を持てなかったり。
そういう方は、この作品で解決するヒントを見つけることができるかもしれません。
全11巻のうち、最初の1巻です。
巻数が進むごとにますます面白くなっていくので、ぜひ手にとってみてください。