桂凍朗と若い夫婦、破魔矢と絵馬の対比が面白かった。桂は常に客観的で、他者も自己も全部含めて上から眺めるような目線だった。そして、変えられないものにこだわっていた。桂の主張は常に歴史からの引用で、変えられない過去の、他者の、人間の残虐さについて考えすぎて、全部ジャバウォックのせいだと思いたくなった。しかし、物語にも数人出てくるが、ジャバウォックが取り憑いていなくても残虐さを見せる人間はいる。桂はそれに思い悩み、あの最後に行き着いた。それに対して破魔矢と絵馬は、常に自分や他者を信じていた。絵馬が破魔矢は大丈夫だと言う描写は何度も出てくるが、まさにこの信じることを象徴していると思う。最後に自分の母親についての真実を受け入れる破魔矢からも、変えられないものに絶望を感じるのではなく、自分や未来に目を向ける姿勢が大切なんだというメッセージを感じる。
現実と虚構の境界がゆらぐ不思議な物語でした。読み進めるほど、登場人物の心の奥に潜む「孤独」や「喪失」の影がじわじわと浮かび上がってきます。幻想的な世界観の中に、人間の弱さや希望が丁寧に描かれていて、読後には静かな余韻が残りました。難解な部分もありますが、それがむしろ魅力となって、何度でも読み返したくなる一冊です。












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