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『悪について』(ちくま学芸文庫)(フロム, エーリッヒ/渡会圭子)は、心理学者エーリッヒ・フロムによる、人間における「悪」の本質とその社会的・心理的要因を探究した名著である。個人の性格形成や権威主義的傾向、社会構造との関連を分析し、悪の発生メカニズムやその克服の可能性を論じる。心理学的洞察と哲学的考察を融合させ、現代社会における倫理や人間理解の示唆に富む作品である。
私たちはなぜ生を軽んじ、自由を放棄し、進んで悪に身をゆだねてしまうのか。人間の所業とは思えないような残虐きわりない行為がくり返されるのはなぜなのか。悪は人間であることの宿命なのか。『自由からの逃走』で、自由の重荷に耐えかねナチズムへと傾倒していく人々の心理状況を克明に辿ったフロムは、本書でその考察をさらに深め、人間の本性と悪との原理的な関係に迫る。人を悪へと導くさまざまな要因を究明するなかで、しだいに「人間らしく生きること」の本当の意味が浮き彫りにされていくー。代表作『愛するということ』と対をなす不朽の名著を清新な訳文で。
『悪について』(ちくま学芸文庫)(フロム, エーリッヒ/渡会圭子)は、心理学者エーリッヒ・フロムによる、人間における「悪」の本質とその社会的・心理的要因を探究した名著である。個人の性格形成や権威主義的傾向、社会構造との関連を分析し、悪の発生メカニズムやその克服の可能性を論じる。心理学的洞察と哲学的考察を融合させ、現代社会における倫理や人間理解の示唆に富む作品である。