板橋勇仁『こわばる身体がほどけるとき ― 西田幾多郎『善の研究』を読み直す』は、西田幾多郎の思想を身体性や実践的視点から再解釈した書籍。抽象的な倫理や主体論を、日常生活や身体の感覚と結びつけて読み解くことで、哲学をより実感的に理解できるよう工夫されている。理論の深さと生活感覚の両立を目指しており、読者に思索の柔軟性と新しい視点を与える、思想再読の魅力にあふれた一冊だった。
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発売日: 2021年07月08日
発行元: 現代書館
日本哲学界における金字塔のひとつともいえる『善の研究』は、東洋思想の枠を超え世界的にも大きな影響力のある著作である。西田研究者として数々の著作を発表している著者が、現代社会での身体の持つ困難とその解放を、西田哲学をベースに考えていく本書は、いわば『善の研究』を出発点にした身体論というべきものである。
現代社会での自己中心性〈我執〉がもたらす身体の「こわばり」は大きな問題だったが、さらに今回の感染症の流行で、自己他者いずれにおいても管理・統御・監視による身体の「こわばり」が大きな関心ごとにならざるを得なくなってきた。
このように、日々、生きづらくなっていく身体をどのように「ほどいて」ゆるめていくか。西田哲学をベースに、自己と他者、そして社会との関係、そこでの身体の在り方などを徹底的に考え抜くことによって困難な時代の出口を探していく。
序章 西田哲学と身体
第1章 現代の身体
第2章 『善の研究』の「経験」と身体
第3章 後期西田哲学の「制作」と身体
第4章 苦しみを苦しむことまで楽しんで息する身体ーこわばる身体がほどけるとき
終章 身体の生きづらさをほどいて生きる
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