自宅の庭先で偶然ケサランパサランと出会った事から始まる、孫にも協力してもらいながらの観察の日々。
そして、ケサランパサランの持主が多いと言われている宮城県への旅の記録を、豊富な写真と一緒に送る。
ケサランパサランについてちゃんと知ったのが初めてだったので、昭和50年代にケサランパサランが一時期流行っていたことも今回初めて知りました。
著者も、その頃にテレビの特集番組でケセランパサランを知り、翌年庭先で偶然ケセランパサランが手の中に舞い込んできて、俄然興味を惹かれていきます。
見つけたケサランパサラン(ケサパサ君)に、個別に名前を付けてかわいがる様子や、調べていくうちにビワの木から発生しているのではと仮説が生まれる様子に、物事に真剣になり知識や思考が拡がっていく喜びを感じました。
何かに熱中するということの面白さ、ケサランパサランを観察することで、何十年もそこにあった景色を再確認する視野の広がり。それは、人の調べた知識を読むだけでは得る事の出来ない、最高の体験だと思います。
この観察記録は全て時系列に沿った日記体で進むので、変わった題材のエッセイとして楽しんで読む事が出来ました。