彩雲国物語 : はじまりの風は紅くの表紙
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ライト文芸

彩雲国物語 : はじまりの風は紅く

雪乃紗衣/著
発売日: 2002年12月01日
発行元: 角川書店

秀麗は彩雲国でもピカいちの名家・紅家のお嬢様。なのに家計は火の車。明日のごはん代を稼ぐため、舞い込んだオイシイ話に飛びついたのはいいけれど、その依頼ときたら即位間もない「ダメ王様」教育係で、しかもお仕事期間中は貴妃として後宮に入れというものだった。ほかに妃嬪のいない空室アリの後宮で、まったく女に興味ナシの困った王様と秀麗師の、奇妙な関係が始まる!第1回ビーンズ小説賞奨励賞・読者賞受賞。

担当ライター
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の面白い3つの見どころ

  • どんな展開も持ち前のガッツで乗り越える後宮の日常コメディ!
  • 心の交流を経て次第にお互いを意識し合う初々しい恋の気配。
  • 伏線から謎を推理していくミステリー的な楽しみも!

book 彩雲国物語 : はじまりの風は紅く の書評(感想)

タイトルを見て、シリーズものの中華風ファンタジーかな? と手に取りました。

麗しい表紙から美しい「彩雲国」絵巻を想像し、裏表紙のあらすじを読むと、主人公たる秀麗が巻き込まれるのは意外にもコメディのような展開。

そのギャップに惹かれ、冒頭をはらりとめくると彩雲国が作られた際の国語りが。

背景にある壮大な世界観を想起し、すでにわくわくしながら読み進めました。

物語の主人公は良家の姫でありながら、貧乏ゆえにたくましく育った秀麗という少女。

頼りない王・劉輝によって傾きつつある彩雲国のため、秀麗が妻として後宮入りすることになったのです。

庶民的な秀麗の視点から描かれる王朝の様子はとてもきらびやかで、美しく高貴な世界に浸ることができます。

そしてそんな華やかさの裏で、王を改心させるべく秀麗は奮闘するハメに。

持ち前のガッツでドタバタ展開を乗り越えていく様が爽快なタッチで描かれ、いつの間にか物語の世界に没入してしまいます。

「いつの世も妻は強し!」を感じさせる展開ですが、水面下では怪しい動きも巻き起こります。

後宮の人々が何を思い、どんな動きをしているのか、背後で動いているのはいったい誰なのか?

そんなミステリー要素もあり、物語に散りばめられた伏線から、謎を読み解くのも楽しみのひとつとなっています。

作品全体を通して軽妙な文体でサクサク読み進められるので、ぜひ気軽に手に取ってほしい一冊です。

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