重松清の名作。感動必須の小説となっております。妻には離婚を切り出され、息子は引きこもり。会社にはリストラ宣告され、絶望の主人公。入院中の父の元に足繁く通い、交通費と称した5万円を貰う日々。死にたくなった主人公の前に一台の車が現れ、、、
時間や家族の絆をテーマにしたとても心に響く作品でした。主人公の歩が過去に戻って家族や自分自身と向き合う姿に、自分の人生や後悔について考えさせられました。物語の中で描かれる父と息子の関係や、失われた時間を取り戻そうとする気持ちが丁寧でリアルに感じられて、感情がぐっと引き込まれます。流れるようなストーリー展開と温かい描写が心に残り、読み終わった後もずっと考え続けたくなる、優しくも力強いお話でした。