ありがとう
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強烈なインパクトに打ちのめされました。タイトルからして皮肉が効いているけれど、まさに「楽園」とはほど遠い、底辺の世界が生々しく描かれています。でもただ暗いだけじゃなくて、そこに生きる人々の泥臭さやしぶとさが妙にリアルで、気づけば感情移入してしまう。軽妙な語り口の中に鋭い社会批判が潜んでいて、笑えるのに胸が痛むという不思議な読後感でした。どん底でもなんとか生き抜こうとする人間の姿が、悲しくも愛おしく思える。ブラックユーモアと哀愁が絶妙に絡み合った、クセになる一冊でした。