守るために緋龍城からヨナを連れ出し、追手に見つからないよう隠れる場所にハクが選んだのは、生まれ故郷の風牙の都でした。
ほのかな恋心を抱いていた相手・スウォンの裏切りを信じられず心を閉ざすヨナが、
食事も喉を通らなくなるのは無理からぬことだと思います。
風の部族に温かく受け入れられて、
消えていたヨナの笑顔が微かに溢れた時は、ハクと同じで私もホッと安心しました。
国王弑逆の罪をハクに着せたいという者たちの思惑を承知の上で
風牙の都を去ることにしたハクは、仲間たちにヨナのことを頼みます。
突きつけられた不条理と痛みや怒りを胸にしまって笑う誇り高さを見たヨナは、風の部族の人たちを巻き込まないことを決意します。
ヨナを置いていきたいハクは、わざと共にいることでのデメリットを論いますが、
最後にはヨナのお姫様らしいワガママな願いに根負けしてしまうのは仕方ないことだと思います。
ムカつくけれど嬉しい言葉にハクが複雑そうな表情になるのも頷けます。
自らを非力だと諦めてしまわず、僅かな成長と強さの片鱗を映すヨナの燃えるような瞳に、魅了されずにはいられません。
怪我を負いながらも、意地でもヨナを守るというハクの格好良い姿に胸を打たれること間違いなしです。
そんなハクの窮地を目の当たりにしたヨナは一体どんな行動に出るのか。
暁のような紅い髪をした少女の物語にワクワクが止まりません。