『春綴る、桜咲くこの部屋で』の読書感想文をご紹介します。
本書は、大切な人を失った喪失感と、それでも前を向こうとする主人公の姿を丁寧に描いた作品です。
5年前に恋人の桜を亡くした春喜は、桜が遺した日記を手に、彼女と過ごした日々を追体験します。
二人の出会い、共に過ごした時間、そして突然の別れ。過去の幸せな記憶と、失ってしまった現実とのギャップに、春喜は深く傷つきます。
しかし、日記を通して桜の想いに触れるうちに、春喜は少しずつ前を向き始めます。桜との思い出を胸に、彼女の分まで生きていこうとする春喜の姿に、胸が熱くなりました。
本作は、大切な人を失った悲しみだけでなく、それでも生きていくことの尊さを教えてくれます。
桜が咲く季節に、大切な人を想う全ての人に読んでほしい作品です。