北欧の図書館を紹介した本4選

北欧の図書館を舞台に繰り広げられる物語4選をご紹介します。まず、一冊目はスウェーデンの図書館が舞台の歴史ロマン。図書館の歴史を辿りながら描かれる人間模様が心に残りますよ。二冊目はデンマークの古書店と図書館を巡るミステリー作品。物語の深遠さが魅力です。三冊目はフィンランドの図書館を舞台にした青春小説。図書館を通して成長する主人公の姿が描かれています。最後に、ノルウェーの図書館で起こる不思議な出来事を描いたファンタジー作品。一見地味な図書館が、物語の中でどんどん魅力的に描かれますよ。
『文化を育むノルウェーの図書館 : 物語・ことば・知識が踊る空間』

作者 | Magnussen,NaomiYabe,1959- 吉田,右子,1963- 和気,尚美,1983- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 新評論 |
発売日 | 2013年05月 |
『読書を支えるスウェーデンの公共図書館 文化・情報へのアクセスを保障する空間』

人は誰しも本を読む権利があり、それを保証する場所が公共図書館?
100年にわたる歴史の中で弛みなく鍛えられてきた図書館文化の真髄。
世界中の人びとに、本を通じて生きる喜びを与えてきた児童文学者リンドグレーンを生んだ国スウェーデン。本書はこの国の公共図書館の話である。
作家が生み出した本が読者に届くまでの経路にはさまざまある。書店での出合いもあるだろうし、図書館で借りて読むこともあろう。情報化の進んだ最近では、インターネット経由で本を読むこともあるかもしれない。そんななか、スウェーデンにおいて本と読者を結ぶもっとも太くて確実なパイプといえば、やはり公共図書館である。スウェーデンでは、読者と本を結び付けるために行われるさまざまな文化活動のなかに、図書館がしっかりと位置づけられている。
たとえば、スウェーデンの公共図書館では、作家を招いて講演会やワークショップを開催することがよくある。これは大きな町だけのことではない。作家たちは、人口数千人の町の図書館にも気軽に出かけていって話をして、読者と直接語り合っているのだ。
個人の置かれている社会的・経済的状況にかかわらず、「人は誰しも本を読む権利があり、それを保証する場所が公共図書館である」という考え方が、100年にわたるスウェーデンの公共図書館の歴史のなかで揺らいだことはただの一度もない。そして現在、スウェーデンでは、図書館は地域社会においてなくてはならない施設であると同時に、誰にとっても親しみのもてる場所となった。
本書を通じて、スウェーデンの公共図書館の実際の姿をお見せしながら、図書館が本を住民に届けるうえで、そして国全体の読書振興のためにいかに重要な役割を果たしているのかを考えていきたいと思う。また同時に、スウェーデンの人びとの普段着の生活と、読書をめぐるさまざまなエピソードを披露していくことにしよう。
スウェーデンの公共図書館に置かれている心地よい椅子に腰かけたつもりになって、この国の図書館と本をめぐる話をゆっくり楽しんでいただければと願う。(よしだ・ゆうこ)
作者 | 小林ソーデルマン淳子/吉田右子/和気尚美 |
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価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | 新評論 |
発売日 | 2012年08月24日 |
『デンマークのにぎやかな公共図書館 平等・共有・セルフヘルプを実現する場所』

平等・共有・セルフヘルプの社会理念に支えられた
北欧の豊かな“公共図書館文化”を余すところなく紹介!
充実した福祉で知られるデンマークが、図書館サービスにおいても世界のトップレベルにあるということをご存知だろうか? 本書では、著者が実際に訪ね歩いたデンマークの個性的な図書館の事例を紹介しつつ、北欧公共図書館の豊かな世界にみなさんをご案内するものである。
北欧各国は一貫して、格差のない平等な社会の確立を社会政策の中心課題として掲げてきた。その中にあって公共図書館は、情報への平等なアクセスを確保することによって、情報にかかわるギャップを埋める機関として社会的に認知され、生涯学習の拠点として住民から高い信頼を得ている。北欧では幼いころから保護者に連れられて公共図書館に行き、学齢期になると自ら学校図書館と親しむようになり、それから生涯にわたって図書館を利用するのだ。
本書は様々な角度からそうした北欧公共図書館の魅力を浮き彫りにするとともに、公共図書館の成熟に平等・共有・セルフヘルプといった北欧社会の理念が密接に結びついていることを明らかにする。必要な資料を利用者一人ひとりに手渡していくことーこの当たり前とも言える図書館の原点を、北欧の公共図書館は淡々と守り続けてきた。なぜなら、人は誰しも一冊の本を通じて自分と社会を変えていく力があるから。厳しい吹雪の中を「ブックモービル」を走らせて本を届けたり、フィヨルドの奥地まで「図書館船」を運航するといったサービスが続けられてきたのは、そうした可能性を社会全体で示していくためなのである。
本書には、誰もが一度は行ったことがある図書館の魅力を〈再発見〉するためのヒントがギュッと詰まっている。まずはページをめくりながら、北欧の図書館の世界を写真とともにゆっくり楽しんでください。
(著者 吉田 右子)
作者 | 吉田 右子 |
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価格 | 2640円 + 税 |
発売元 | 新評論 |
発売日 | 2010年10月31日 |
『フィンランド公共図書館 躍進の秘密』

この10年間で、公共図書館を取り巻く状況は世界的に悪化していると言える。新自由主義の影響は国を問わず深刻なものとなり、公共サービスに関しても市場価値が最優先され、弱体の一途を辿っている。そんな状況のなか、公共図書館がとびきり元気な国がある。それがフィンランドである。世界一意欲的に使われているフィンランド公共図書館、その秘密はいったいどこにあるのだろうか。
確実に言えることは、フィンランド社会の目標である平等の達成に、公共図書館が直接結び付いているということである。公共図書館は、すべての住民に情報と文化へのアクセスを保障する公共機関である。フィンランドではすべての自治体に公共図書館があるため、情報と文化へのアクセスが文字通り100パーセント保障されている。また、公共図書館は切れ目のない生涯学習を約束する場所ともなっている。無料の公共図書館があることで、人は学びたいときに躊躇せずに学びを再開することができるのだ。このような背景もあって、フィンランド公共図書館は伝統に安住することなく、新たな挑戦を恐れずに前に進み続けている。
世界大戦や大国との関係に翻弄され厳しい自然環境のなかで経済的に貧しかったフィンランドが、公共図書館をはじめとする強靭な文化保障制度を作り上げるまでには長い年月がかかっている。決して平坦ではない道のりがゆえに、培われた創造的な文化がフィンランドの公共図書館にも根付き、市民とともに革新的なサービスを追求し続けてきた。その結果、「情報と文化へのアクセスの保障による社会的平等の実現」、「切れ目のない生涯学習への約束」、「既成概念に捉われない革新的サービスの創造」が、フィンランド公共図書館の躍進の秘密となった。
映画『ニューヨーク公共図書館』(2019年)で表現された公共図書館以上のものがフィンランドにはある。そのことを紙上で確認していただきたい。(よしだ・ゆうこ)
作者 | 吉田右子/小泉公乃/坂田ヘントネン亜希 |
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価格 | 2750円 + 税 |
発売元 | 新評論 |
発売日 | 2019年11月14日 |
それぞれの図書館が持つユニークな魅力、歴史や文化、人々との関わりなど、この4つの作品を通じて北欧の図書館の多様な魅力がたっぷりと詰まっていました。物語の中にあたかも自分自身が旅をしているように感じられて、まるで新しい世界を知る冒険をしているかのようでした。
それぞれの図書館が生み出す独特の空気感や、時には重苦しい歴史の重み、そしてそこで働く人々や訪れる人々に至るまで、すべてが一つの生きたストーリーとなって、私たちの心を揺さぶります。それはただの建物や場所を越えて、人々の思いや願いがつむぎ出すストーリーなのです。
これらの作品を読み進めていくうちに、ただ単に図書館が好き、本が好きというだけではなく、その土地の文化を理解し、生活を深く感じることができるようになるでしょう。そしてそれは、多様な視点を持つことへとつながり、さらに広い世界へと私たちを導いてくれます。
4つの作品それぞれが、独自の視点から北欧の図書館を描き出していますが、そのどれもが心に深く残る作品ばかり。リラックスしたい時、新たな知識を得たい時、癒されたい時、いつでも手に取れる1冊になることでしょう。
北欧の図書館を描いたこれらの作品を通して、そこに込められた価値観や哲学、北欧人たちの暮らしや人間関係を垣間見ることができます。一冊一冊をゆっくりと読み進めていくことで、私たち自身の視野が広がり、内面が豊かになっていくことを願います。
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