家族の闇を描いた小説5選

ある家族の闇を掘り下げ、暗い秘密、禁断の恋、過去の罪、その全てを詰め込んだ5つの小説をご紹介します。一冊目は、父親の亡霊に悩まされる少女を描いた作品。次に、綿密に計画された母親の復讐劇を描く小説へ。三冊目は、兄妹間の因縁を描き出します。四冊目は、誰もが忘れたかった家族の過去を描く作品です。最後に、全てを失った一家の再生をテーマにした物語。全て異なる視点から、家族の闇を描くこの5冊は、読む者に強烈な印象を残します。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
『氾濫の家』

「お前のためを思って言っている」「お前は黙って従っていればいいんだ」「誰のおかげで食ってこられたと思ってるんだ」
これ、うちのことじゃんーー全国の書店員さん騒然!
郊外の住宅地に住む五十代の専業主婦、新井妙子。
ある日、隣の家で殺人事件が起きる。被害者の隣人が著名な大学教授だったこと、一人息子がいたことを、妙子は事件を通じて初めて知る。
平穏そうに見えた隣家で何が起きていたのかーー事件はやがて、妙子自身の家庭の闇をあぶり出していく。
『誰かがこの町で』で「同調圧力」を、『シャドウワーク』で「DV」を描いた異色のサスペンス作家、今回のテーマは、この国に根深く残る「家父長制」!
第一章 事件
第二章 波紋
第三章 拡散
第四章 事故
終章 そして氾濫が
作者 | 佐野 広実 |
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価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2025年01月22日 |
『血腐れ』

亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹(「魂疫」)。縁切り神社で行われる“儀式”(表題作)。忌まわしき伝承を持つ鐘が鳴るとき(「声失せ」)。原因不明の熱に苦しむ息子に付き添う私に近づいてきた女(「影祓え」)。身近な者の災難や死が切り裂いた日常。煉獄の扉を開くのは、無念を抱く冷たい死者か、あなたの傍らで熱を放つ家族か。禁忌を踏みこえた先に見える真相。戦慄のホラー・ミステリー短編集。
作者 | 矢樹 純 |
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価格 | 693円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2024年10月29日 |
『鬼畜の家』

「おとうさんはおかあさんが殺しました。おねえさんもおかあさんが殺しました。おにいさんはおかあさんと死にました。わたしはおかあさんに殺されるところでした……」
我が家の鬼畜は、母でしたーー。保険金目当てに次々と家族を手にかけていく母親。 巧妙な殺人計画、殺人教唆、資産の収奪…… 信じがたい「鬼畜の家」の実体が、唯一生き残った末娘の口から明らかに。母の異常犯罪とは!
島田荘司選 第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞。
島田荘司が見いだした、元・弁護師による衝撃のデビュー作。
『衣更月家の一族』、『殺意の記憶』と続いていく榊原聡シリーズの第一作。
デビュー後『衣更月家の一族』『螺旋の底」と毎年本格ミステリ大賞候補作となっているミステリー界の新星となった元弁護士。この著者だからこそ描けた、リアルかつ恐ろしい人間の欲望。そして驚愕の真相!
「舌を巻くしたたかな遣り口。
衝撃の語りで隠蔽する騙しの精密機械。
もしもそう言って許されるならだが、優れた法律家とその作業世界こそは、下方で頑張る物語創作世界への、最高にして最良のファームなのかもしれないという思いを抱く。
法曹界や医学界、あるいは学問の世界を勤勉に支え終えた退職者たちの黙々とした余生の筆、その濃密さこそが、今後はジャンルを支える時代に、社会は静かに向かっている。
深木章子氏の登場は、そういうことをこちらに感じさせ、期待させてくれる、自分にとってはひとつの事件であった」
島田荘司(解説「名人職人の華麗な柱時計」より)
第一章
木島病院院長 木島敦司の話
主婦 相澤喜代子の話
潮南警察署刑事課 清水徹之の話
第二章
児童公園
依頼人 北川由紀名の話
児童公園
第三章
元北川医院事務員 瀬戸山妙子の話
大学院生 星拓真の話
保険外交員 田中寿々子の話
会社員 多田野吉弘の話
第四章
児童公園
鬼畜の家
作者 | 深木 章子 |
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価格 | 803円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2014年04月 |
『迷宮』

胎児のように手足を丸め横たわる全裸の女。周囲には赤、白、黄、色鮮やかな無数の折鶴が螺旋を描くーー。都内で発生した一家惨殺事件。現場は密室。唯一生き残った少女は、睡眠薬で昏睡状態だった。事件は迷宮入りし「折鶴事件」と呼ばれるようになる。時を経て成長した遺児が深層を口にするとき、深く沈められていたはずの狂気が人を闇に引き摺り込む。善悪が混濁する衝撃の長編。
作者 | 中村 文則 |
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価格 | 506円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2015年03月28日 |
『アイアムハウス』

作者 | 由野寿和 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 |
今まで5つの作品をご紹介しましたが、これらの作品は物語や人間の深層心理を描くための「家族の闇」をとても上手に表現していますよね。それぞれが独自の視点から家族という密室空間の中で起こりうる悲劇や喜劇を描き出し、家族の愛や友情、はたまた因果の連鎖を描いています。
もちろん、家族は明るさと暗闇を同時に持つ存在で、しかも両方とも必要な部分です。完璧な家族など存在しないのだから、それぞれが抱える家族の闇を通じて共感することで、親子、姉弟、夫婦など、家族の距離を再評価し、それぞれの立場から理解しようとするきっかけになることでしょう。
そして誰もが辛いときや困難を乗り越えるためには、自分自身と向き合い、家族の闇と対話することも大切です。これらの小説に描かれる家族の闇は、私たちが現実世界で経験するかもしれない問題に光を当て、解決のヒントを与えてくれるかもしれません。
今回ご紹介した作品は、どれも読者に深い洞察力を与え、心に響く一冊ばかりです。どれも一読の価値ありですので、ぜひとも手に取ってご覧いただきたいと思います。それぞれの作品があなたの視野を広げ、新たな発見を提供してくれることでしょう。想像力の翼を広げ、家族の闇を優しく照らし出すこれらの作品の世界に、心ゆくまで浸ってみてください。
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