ドイツ映画について学べる本3選

ドイツ映画について深堀りしたくないですか?まずおすすめするのはある映画監督によるエッセイ集です。彼が生み出した数々の名作について、製作秘話や映画に込めた想いが詰まっていて、奥深さが感じられます。次に紹介するのはドイツ映画史をまとめた一冊。混乱の歴史を経たドイツが如何にして独自の映画文化を築いてきたのかを学べます。最後に、現代ドイツ映画にフォーカスした解説書。新世代の映像作家たちがどのような視点で物語を描いているのかが分かります。これらを読むことで、ドイツ映画の魅力が十分に理解できるはずですよ。
『ドイツ映画史の基礎概念』

本書は、現代ドイツ映画史への手引書である。「移民」「ナチス」「東西ドイツ」を扱った21世紀以降のドイツ映画賞受賞作を取り上げ、現代のドイツ映画が〈ドイツ人のディアスポラ〉という戦後のモチーフをどう描いたのかを解明し、その歴史的変容を解説する。新しい視点でドイツ映画を観るのに最適な一冊。
作者 | 古川裕朗/著 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 九州大学出版会 |
発売日 | 2022年09月03日 |
『物語としてのドイツ映画史 ドイツ映画の10の相貌』

長年にわたりドイツ映画研究に携わってきた著者による、新しいかたちの映画史の試み。
従来の映画史の書籍では、創生期から現在までを何らかの特徴でまとめられる時代ごとに区切り、人名や作品名を挙げて総括していくという方法、いわば歴史を〈横切りする〉形式で書かれることが多かった。しかし歴史には、〈縦切り〉をおこなうことによって興味深い〈物語〉が浮かび上がってくるという面もある。たとえば、成功を収めたのちも地位に安住せず、新しいスタイルやジャンルに挑戦し続けた監督の人生を追うこと。あるいは一国における特定のジャンルが長い歳月のうちに変化した様子を、社会背景を視野に入れて観察すること。こうした作業によって映画史は、〈横切り〉だけでは見えにくい相貌をあらわにするはずだ。
ドイツ語の「Geschichte」やフランス語の「histoire」に〈歴史〉と〈物語〉の意味があるように、ほんらい〈歴史〉とは〈物語〉の積み重なったものである。ドイツでは、スクラダノフスキー兄弟、ルービチ、ムルナウ、ラング、リーフェンシュタール、シュタウテ、コイトナー、ヘルツォーク、ファスビンダー、ヴェンダース、ペッツォルト、アキンといった個性的な顔ぶれが、レッテルを貼って整理することの難しい、多種多様で魅力的な映画群を生み出してきた。本書は、ドイツ映画とその歴史の全貌を人間くさい〈物語〉の集合体ととらえ、〈光と闇の神話〉、〈背景としての首都ベルリン〉、〈冷戦と東西ドイツ映画〉といった斬新なテーマを設定したり、わが国ではあまり知られていない人物の半生や、映画人同士が刺激を与え合ったことによるジャンルの展開等に注目したりすることによって、大きな〈物語〉として提示しようとするものである。
各章は、それぞれが独立した読みものとして構成されており、最終章ではドイツ映画の最先端の状況についてもくわしく紹介されている。特に予備知識のない読者でも、他国にないドイツの映画のユニークさとはどういったものか、どのような社会的背景または社会の変化のもとにそういった作品群が成立したかを大まかに把握できるだろう。各章のあいだには、楽しい情報の盛りこまれた九つのコラムも所収されている。
第1章 ドイツ映画の誕生物語
第2章 ドイツ映画と〈神話的なもの〉
第3章 戦前のドイツ映画における首都ベルリン
第4章 ファシズム政権下の〈異国映画〉
第5章 冷戦と東西ドイツ映画
第6章 〈挫折〉と〈俗悪〉の美学
第7章 ファスビンダーとラープ
第8章 ヴェンダースとハントケ
第9章 ドイツ映画はヒトラーおよびナチ時代をどう描いてきたか
第10章 2000年以降のドイツ映画
作者 | 瀬川 裕司 |
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価格 | 3740円 + 税 |
発売元 | 明治大学出版会 |
発売日 | 2021年03月13日 |
『ドイツ映画』

ヨーロッパ映画やハリウッドとの関係を視野に入れ、政治的・経済的・社会的・文化的関連のなかでドイツ映画を位置づける。
1 ヴィルヘルム時代の映画 一八九五ー一九一九年
2 ヴァイマル共和国の映画 一九一九ー三三年
3 第三帝国の映画 一九三三ー四五年
4 戦後期の映画 一九四五ー六一年
5 東ドイツの映画 一九六一ー九〇年
6 西ドイツの映画 一九六二ー九〇年
7 統一後の映画 一九九〇-二〇〇七年
作者 | Hake、 Sabine/山本 佳樹/ハーケ ザビーネ |
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価格 | 4290円 + 税 |
発売元 | 鳥影社 |
発売日 | 2010年03月01日 |
これらの本を手に取って見れば、あなたもきっとドイツ映画の魅力にハマってしまうことでしょう。歴史的な背景から、濃厚な人間ドラマ、重厚な政治批判に至るまで、多様で深いドイツ映画の世界を堪能できるはずです。これらの本は、文化的な見地から映画を捉えることの重要性を教えてくれます。それは映画は単にエンターテイメントとしてだけでなく、社会を鏡みたいに映し出すツールとしても優れているからです。
また、これらの本にはドイツ映画の教科書的な役割もあります。あなたがこれからフィルムに深く掘り下げていくなら、バイブルとして手元に置いておくと良いでしょう。それぞれが専門的な内容となっていますが、ただの映画愛好家から映画研究者まで、それぞれの立場により、違う視点で理解できるはずです。それがあなたの映画観賞をより豊かな物にしてくれるでしょう。
これらの本があなたにとって、ドイツ映画への鍵となり、新たな視点を提供し、あなたの知識の幅を広げることを願っています。それぞれの真髄を理解することで、映画に対する理解が深まり、より一層楽しい映画体験を得られるはずです。ドイツ映画が持つユニークな魅力と深みを感じることができるよう、これらの本に触れてみてください。きっと新たな発見があるはずです。
どれもあなたをドイツ映画の深淵へと誘い、その世界を広げてくれること間違いなしです。それでは、今度の週末はこれらの本と共に、もっと深くドイツ映画と向き合ってみてはいかがでしょうか。知識が深まれば深まるほど、あなたが観る映画の面白さは格段に増していきますよ。楽しみながら学べる、そんな一冊があなたを待っています。それでは、あなたのドイツ映画への旅が、より豊かなものになることを祈っています。
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