小野小町に関する本 おすすめ6選 平安時代の女性歌人

平安時代、その華やかな文化の中で一人の女性歌人が、その才能と美貌で名を馳せました。そう、小野小町です。その魅力に溢れた人物像を描いた本を6つピックアップしました。禁断の恋を描いたもの、才女としての苦悩を描いたもの、さまざまな角度から小町を捉えています。しかも、面白さも抜群!歌人としての才能を引き立てるエピソードはもちろん、時代背景が緻密に描かれています。平安の世界に浸りながら、小野小町の生涯を追体験できる作品ばかり。一冊ずつ手に取って読んでみてくださいね。
『小町はどんな女(ひと) 『小説 小野小町 百夜』の世界』

ひたむきに、一途に生きた、小町の美しい人生ーー
小町の歌を手掛かりに紡がれた物語『百夜』
とともに、平安の「雅とあはれ」をたどる旅
「彼女の率直で必死な言の葉が描き出す真(まこと)の姿は、芯の強い、自分に率直な女性です。哀しみを友としながらも毅然として愛を全うした人。
私の中では、大きく豊かな女性として成長して行きました。
多くのしがらみや宿世(すくせ)に翻弄されながらも、最後まで自尊心を保ち、自らの心に忠実に生きた女性の、なんと魅力的なことでしょう。
私はぐいぐい引っ張られながら、小町の人生にのめり込んで行きました」
(本文より)
第一章 私の中の小町
第二章 小野小町の人生
母・大町との別れ 雄勝・多賀城
父親との融和と理解の場 六道珍皇寺
小町の能力 神泉苑
愛の真実を知る場所 雲林院
桜を扇に乗せて思いを伝える 仁明帝 深草陵
竹林と愛の悲劇 欣浄寺
小町は惨めに年老いたのか
山科の花と雪の里 随心院
平安時代の婚姻関係
香は男と女を結ぶ
業平と小町の出会い 慈恩院
魂を鎮めるところ 下出雲寺
父・篁との和解 笛を吹くということ
小町の歌の変遷
母恋い
鄙と都
出家というもの 石上寺
平安時代の暮らし
第三章 [対談]叶わぬところにあはれがある
高樹のぶ子×歌人・小島ゆかり
作者 | 高樹のぶ子 |
---|---|
価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | 日経BP 日本経済新聞出版 |
発売日 | 2023年07月21日 |
『小野小町ものがたり』

作者 | 小野一二 |
---|---|
価格 | 990円 + 税 |
発売元 | 無明舎出版 |
発売日 | 2005年10月 |
『新装版 小野小町追跡』

小町が、その死後人々の心の中にどのように生き続け、どう変容していったのか。また、変容しながらその底に変らずに生き続けてゆく、小町的なもの、とはいったい何か。小町の虚像と実像にはじめて架け橋をかけた、名著の復刊です。
解説◉「小町的なもの」―目に見えぬものを見よ・錦 仁[新潟大学名誉教授]。
【…平安時代、しかも小町の死後百年ほどの間に、小町は既に伝説化されつつあったことになる。そしてそれは、あの「花の色はうつりにけりな……」とか「わびぬれば身を浮草の根を絶えて……」などの小町真作の歌から発し、その残り香や体温をそのままに保持している詠草の編纂・増補という形で形成されていったのである。そして、それはそれぞれの歌を小町真作と信じ、それぞれの事件を小町の事蹟として見る態度から、形づくられていったのである。小町作にあらざることが実証され得る歌でも、小町作と信じられて伝承されて来たのである。客観的には虚像であっても、伝承する人、享受する人にはまさしく実像以外の何物でもない。虚は実であり、実は虚であるゆえに、伝承されたのであり、またそれゆえに、あの小野小町は、今も我々の胸の中に生き続けているのである。小野小町追跡の終着点は、どうやら民族の心の中にあったようである。】…Ⅲ 「小町集」と小町説話、より。
作者 | 片桐洋一/著 |
---|---|
価格 | 1700円 + 税 |
発売元 | 笠間書院 |
発売日 | 2015年07月28日 |
『物語 小野小町の誕生』

『古今集』採録の18首を解析し、小町歌成立の秘密に迫った『古今集小町歌生成原論』から10年。そのとき蒐集したメモ類をもとに、小町の出生から生長、帝との出会いを経て「夢の歌六首」の生成に至る歌人としての「小野小町」誕生までを描く伝奇小説。
作者 | 大塚英子/著 |
---|---|
価格 | 不明 |
発売元 | 論創社 |
発売日 | 2021年05月25日 |
『人物叢書 小野小町 花の色 恋の彼方に』

小野小町の生涯を訪ねて
平安の女流歌人である小野小町の足跡を巡る人物叢書。
小学生の時、小野小町の「花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」
に心を奪われた著者は、
自身の成長とともに小野小町の歌に憧れを頂き、研究を重ね、小説仕立ての研究書とした。
本書は2005年に発行した「吉子曼荼羅の私抄小野小町ながめせしまに」の改訂版となる。
天暦8年(954)のある日、小野小町の身内の家に法誉坊という僧都に仕える童子が
行き倒れるように身を寄せた。
法誉坊は「上醍醐の延命院からの使いで都の藤原雅楽頭のもとまで参ります」と
身の上を説明し、二子、三子母娘に小野小町についていろいろと教えてほしいと懇願する。
三子は小町に至るまでの小野氏の話から伝えはじめる。
第一部 第一章 法誉坊 小野朝清 峯守 篁
第一部 第二章 藤原氏 三の君 小野吉子 小町さま
第二部 第一章 めぐりゆく人々 元杲
第二部 第二章 仁海 花の色は
作者 | もろずみ さよこ |
---|---|
価格 | 1650円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2021年05月14日 |
『小説小野小町 百夜』

2020年の新型コロナ禍による緊急事態宣言中に刊行し、大きな反響を呼んだ『小説伊勢物語 業平』。泉鏡花文学賞と毎日芸術賞をW受賞した「日本の美の源流をたどる」小説として、次に紡がれたのは、同じく平安時代の「六歌仙」のひとり、優れた歌の才に加えて、絶世の美女としても数々の伝説が残る小野小町の一代記である。本作も『業平』に続き、日本画家・大野俊明氏のカラー挿絵が「みやび」の世界に色を添える。
能楽の演目でも重くあつかわれる観阿弥作「卒塔婆小町」が元にしたとされる伝説「百夜(ももよ)通い」。小町を恋する男に、百夜通ってくれば共寝してもいいと無理難題をつきつける。男は通いつづけ、百夜目に悲劇的な死に見舞われる。思いが叶わなかった男の恨みはやがて小町の身の上に残され、惨めに老いさらばえるーー小町はなぜこのような姿に描かれ後世に伝えられねばならなかったのか。古今和歌集と後撰集に残された数少ない小野小町の実作とされる和歌をより深く翫味すれば、そこに隠された本当の小町の姿が立ち現れてくる。
小町の歌の世界はけして甘美ではない。しかし、「日本の美の源流」が「もののあはれ」、哀れから来るとなぜ言われてきたのか。五感を研ぎ澄まして、この小説の音律に身を委ね、時に声に出して読んでいけば、読後にかつて経験したことのない深い感動が待っている。「もののあはれ」が体感できる小説と言っても過言ではないだろう。
<前篇 花の色は>
高麗笛 一夜契り 夢と知りせば あはれてふ 六道の辻 月と雲 慈雨 算賀の菊 花ひとひら……など
<後篇 我が身世にふる>
うつろふもの 鄙の月 熾火 遺戒 梅花 春霞 海松布 懸想文 誘ふ水 母恋ひ 浦こぐ舟 慈恩院 百の文……など
作者 | 高樹のぶ子 |
---|---|
価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | 日経BP 日本経済新聞出版 |
発売日 | 2023年05月22日 |
以上、平安時代の才媛、小野小町の生涯や詩心に迫る6つの作品をご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
それぞれの作品は、衰えゆく美しさを凛と受け止め、絶え間ない詩情を湛え続けた彼女の人生に感じ入ること間違いなしです。また、平安時代の風習や魅力を、肌で感じられる作品ばかりとなっております。
小野小町という一人の女性が、どう生き、どう詠んできたのか。多角的に描かれた姿を通じて、彼女の人間味や生の響きに触れることで、その詩世界がさらに豊かに感じられることでしょう。
最後の「恋しとや恋なすみ人を思ふ比はあひ見ての後の心にぞ似たる」の一首。この悲恋の詩を詠んだ彼女の心の中にはどのような情熱や感情が渦巻いていたのか。その答えは、6つの作品の中にあるかもしれません。世を超えたその言葉たちが、読者の心に深く響きわたり、新たな気づきや発見を生み出すきっかけとなりますように。
なお、小野小町を知る手段はこれらの作品だけでなく、彼女が詠んだ和歌を直接感じることもおすすめです。古語に触れることが少し難しければ、現代語訳をまず手に取るのも良い選択ですよ。
読書を通じて、その時代、その人物に思いを馳せる時間は、何ものにも代えがたいものです。これをきっかけに、平安時代の文化、そして小野小町に興味を持つ方が増えることを願っております。また新たな作品のご紹介も楽しみにお待ちいただけますと幸いです。
本サイトの記事はあくまで新しい書籍と出会う機会を創出する場であり情報の正確性を保証するものではございませんので、商品情報や各作品の詳細などは各自で十分に調査した上でご購入をお願いいたします。各通販サイトが提供するサービスは本サイトと関係ございませんので、各通販サイトは自己責任でご利用ください。