原爆の悲惨伝える広島が舞台の絵本・児童書6選
原爆の悲惨を描きつつも、未来への希望を忘れない、広島を舞台にした絵本・児童書を6作ピックアップしました。日常生活から一変した悲惨な状況、心からの平和願う人々の姿が描かれています。現代に生きる私たちには想像もつかないほどの平和を願う想いを感じていただければと思います。
幼いこどもから大人まで、全ての世代が読んでほしい作品ばかりです。心揺さぶられるストーリーや、絵本ならではの美しいイラストが描き出す広島の風景に、きっと心が引き寄せられるでしょう。平和とは何か、心から考えてみてくださいね。次の世代へ繋げていくための大切な一冊を探してみてください。
『さがしています』
作者 | Binard,Arthur,1967- 岡倉,禎志,1963- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 童心社 |
発売日 | 2012年07月 |
『ヒロシマ 消えたかぞく』
原爆投下前、戦争中であっても、広島の町には笑顔にあふれた家族の日々の暮らしがありました。散髪屋さんである鈴木六郎さん一家の6人家族も、少しの不安はあったかもしれませんが、毎日笑顔で楽しくくらしていました。お父さんの鈴木六郎さんは、カメラが趣味。たくさんの家族写真を撮りためていました。
あの日。1945年8月6日。
一発の原子爆弾がヒロシマのまちに落ちました。
六郎さん一家は全滅しました。
長男の英昭くん(12歳)と長女公子ちゃん(9歳)は、通っていた小学校で被爆。英昭くんは公子ちゃんをおんぶして、治療所があった御幸橋まで逃げました。衰弱した公子ちゃんを「あとで迎えに来るからね」と治療所にあずけ、英昭くんは親戚の家へ避難しましたが、高熱を出し、数日後に亡くなります。公子ちゃんの行方はわからなくなりました。次男まもるくん(3歳)と次女昭子ちゃん(1歳)は、六郎さんの散髪屋さんの焼け跡から白骨で見つかりました。お父さんの六郎さん(43歳)は、救護所でなくなりました。救護所の名簿には「重傷後死亡」と記録されていました。家族がみんな亡くなってしまったことを知ったお母さんのフジエさん(33歳)は、井戸に身を投げて亡くなりました。
たった1発の原爆が、六郎さん一家を消し去ってしまいました。
この本を開くことで、原爆の残酷さ、戦争のむごさを、読む人の身に引き寄せて考えるきっかけとなったら、という願いを込めてつくりました。また、愛情あふれるすばらしい家族写真の数々から、幸せにくらす人間の何気ない日常こそが大事であることに気づかされます。それは、幸せな平和を作っていくのは、私たち自身であると訴えかけているようにも思えます。
家族で平和を考えるために、最適の写真絵本です。
作者 | 指田 和/鈴木 六郎 |
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価格 | 1815円 + 税 |
発売元 | ポプラ社 |
発売日 | 2019年07月05日 |
『ひろしまのピカ』
作者 | 丸木俊 |
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価格 | 1650円 + 税 |
発売元 | 小峰書店 |
発売日 | 1980年06月 |
『光のうつしえ 廣島 ヒロシマ 広島』
真夏の夜、元安川に、人々は色とりどりの灯籠を流す。光を揺らしながら、遠い海へと流れていくーー。68年前の8月6日。広島上空で原子爆弾が炸裂した。そこに暮らしていた人々は、人類が経験したことのない光、熱線、爆風、そして放射能にさらされた。ひとりひとりの人生。ひとりひとりの物語。そのすべてが、一瞬にして消えてしまった。朽木祥が、渾身の力で、祈りをこめて描く代表作!第63回小学館児童出版文化賞受賞作。
真夏の夜、元安川に、人々は色とりどりの灯籠を流す。光を揺らしながら、遠い海へと流れていくーー。
68年前の8月6日。広島上空で原子爆弾が炸裂した。そこに暮らしていた人々は、人類が経験したことのない光、熱線、爆風、そして放射能にさらされた。ひとりひとりの人生。ひとりひとりの物語。そのすべてが、一瞬にして消えてしまった。
原爆をテーマに研ぎ澄まされた筆致で『八月の光』を世に問うた朽木祥が、今回、長編で原爆を描ききる。
日本児童文学者協会新人賞をはじめ、産経児童出版文化賞大賞など多数の賞に輝く朽木祥が、渾身の力で、祈りをこめて描く代表作!第63回小学館児童出版文化賞受賞作。
作者 | 朽木 祥 |
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価格 | 1430円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2013年10月12日 |
『ぼくは満員電車で原爆を浴びた 11歳の少年が生きぬいたヒロシマ』
伝えたい少年原爆体験記。11歳のヒロシマ
広島に原爆が落とされたのは、1945年8月6日でした。11歳の米澤鐡志さんは、爆心から750メートルの電車内で母親と一緒に被爆します。母親は9月に亡くなり、母乳を飲んでいた1歳の妹は10月に亡くなります。
この本は、米澤少年の目で見た、8月6日その日のことと、その後何が起こったか、という記録です。
ブラウスが突然発火して、体が焼け始める女性、皮膚が布地のように垂れ下がって、幽霊のように見えた人たち、防火水槽に飛び込んで亡くなっている赤ちゃんを抱いた女性、川を流れていくたくさんの死体。
11歳の少年が見た光景を、読者も知ることになります。
「どんなにつらい記憶でも、知らないよりは知ったほうがいいと私は思います。本書は読むのも苦しい内容ですが、きっと未来のための知恵を与えてくれるでしょう」(京都大学原子炉実験所 小出裕章さんによる「はじめに」より)。
原爆や核についてお子さんと考えるとき、最適の1冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
米澤さんは、NHKBS1スペシャル『ヒロシマ 世界を変えたあの日』で、証言者として登場し、「あの日」について語りました(2015年8月7日放映)。
この番組は、ドキュメンタリー番組制作では世界トップクラスの英国ブルックラッピング社とNHKの共同制作で、原爆製造や投下の判断がどのようになされたのか、ということも米国の証言者のインタビューから重層的に明らかにしていきます。
ブルックラッピング社が作る国際版は、これから各国で放送予定です。
被爆者の平均年齢が80歳を超えた2015年、あの日を体験した人たちの言葉を受けとめて、語り継ぐ努力が国内外で広がっていきます。(2015年8月12日)
米澤さんは「語り部」として、被爆体験講話を全国各地で行っています。爆心地1キロ以内での体験の迫力に、米澤さんの「語り」を聞いた人たちは、誰かに伝えなくては、という思いにかられてしまうのだそうです。
本書は、小学校4年生以上で習う漢字にはふりがなをふりました。
すべての方にとって、原爆被爆の実際を知るために、おすすめです。
米澤さんの被爆講話申し込み先
http://www.geocities.jp/hankaku1945/
作者 | 米澤 鐡志/由井 りょう子 |
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価格 | 1045円 + 税 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2013年07月12日 |
『かずさんの手』
96歳のかずさんはみかのひいおばあちゃん。ある夏の始まりの日、ふと、かずさんが話してくれたのは、1945年の8月9日の原爆が落とされた日のこと。長崎の病院で働いていたときに起きた出来事でした。
作者 | 佐和みずえ/かわいちひろ |
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価格 | 1320円 + 税 |
発売元 | 小峰書店 |
発売日 | 2021年07月20日 |
それでは、今回は広島が舞台となる絵本や児童書6冊を紹介してまいりました。それぞれが、原爆の悲惨さを子どもたちに伝える一助となっていることでしょう。個々の作品はそれぞれ異なる視点から、原爆という歴史的な出来事を描き出しています。しかし、全てに共通する深いメッセージは、戦争の悲劇を二度と繰り返さないためにも、私たち一人一人が歴史を学び、理解しようとすることの大切さでしょう。
特に子どもたちにとっては、過去の出来事を具体的にイメージするのは難しいかもしれません。だからこそ、彼らが理解しやすい形で情報を提供することが重要となります。そんな時、絵本や児童書は彼らの想像力を引き立て、理解を深める一助となるでしょう。実際、絵や文字を通じて教えられることは多々ありますし、その中には大切な教訓や共感、そして自己の高め方も含まれています。
ただし、読むだけでなく、自分自身が考え、感じ、学ぶことが最も重要であることを忘れてはいけません。一人でも多くの子どもたちが、こうした作品を通じて平和への思いを抱き、未来を創造する力を育んでいくことを心から願っています。
読者のみなさんも、ぜひ一度手にとってご覧になってみてください。そして、心が動かされ、何かを感じたら、その感情を大切にしてください。きっと、それがこれからの一歩となるでしょう。それでは、みなさんの「読書」が、少しでも世界の平和に貢献することを願って。
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