幽霊が登場する小説本3選
まず、1つ目は、19世紀のロンドンを舞台に、一夜限りの霊的な旅を通して主人公が人間の本質と向き合う物語です。豊事富春の描写と共に、読者は幽霊と一緒に時間を旅しながら心に響く教訓を学びます。
2つ目は、箱舟に乗って人生を漂流する少年と幽霊との奇妙な共存を描く作品。細部まで丹念に練られたストーリーと確固たる信念を持つ主人公の姿が印象的で、幽霊との交流を通して人間が直面する宗教や死、孤独などのテーマを深く考えさせられます。
3つ目は、ちょっぴりユーモラスで心温まる作品。古い屋敷の幽霊と若い女性の住人が織りなすコミカルなエピソードは、幽霊という存在を新たな視点から捉えるきっかけとなり、読後感に深い余韻を残してくれることでしょう。
『クリスマス・キャロル』
| 作者 | Dickens,Charles,1812-1870 越前,敏弥,1961- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2020年11月 |
『妖精・幽霊短編小説集（949;949） 『ダブリナーズ』と異界の住人たち』
ジョイス『ダブリナーズ』の短編を同時期に書かれた妖精・幽霊短編作品と併読するアンソロジー。19世紀末から20世紀初頭、人々が肌で感じていた超自然的世界が立ち現れる！
| 作者 | J．ジョイス/W．B．イェイツ/下楠 昌哉 |
|---|---|
| 価格 | 1980円 + 税 |
| 発売元 | 平凡社 |
| 発売日 | 2023年07月12日 |
『幽霊綺譚 ドイツ・ロマン派幻想短篇集』
ドイツの古城、
妖精の森へようこそ
『フランケンシュタイン』「吸血鬼」を生んだーーそのきっかけの書。
幽霊の花嫁、妖精の女王、死の舞踏、魔法の鏡、七里靴……
初期英国ゴシックがドイツの深い森の伝説と結びつき、中世を再発見しドイツ・ロマン派となり花開く。
1816年夏スイス・レマン湖畔ーー
バイロン卿、ジョン・ポリドリ、のちのシェリー夫妻らが無聊をなぐさめるために思いついたのは、本書の仏語版『ファンタスマゴリアーナ』の朗読。
大いに震撼させられた4人は、一篇ずつ怪奇譚を書こうと思いつく……。
いわゆる「ディオダティ荘の怪奇談義」であるーー
かくして、メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』とポリドリ「吸血鬼」が生まれ、ゴシックの本場英国に逆輸入される。
『ファンタスマゴリアーナ』に収録された作品を中心に、ドイツ語原書から、オペラで名高い「魔弾の射手」など厳選の恐怖小説を加えた15篇。
グリム兄弟と同時代、E.T.A.ホフマンにも影響を与えた伝説の幽霊アンソロジーの全貌が明らかに。
美麗函入り。
【目次】
まえがき フリードリヒ・ラウン
魔弾の射手 ヨハン・アウグスト・アーペル
先祖の肖像画 ヨハン・アウグスト・アーペル
髑髏 フリードリヒ・ラウン
死の花嫁 フリードリヒ・ラウン
幽冥界との交感 フリードリヒ・ラウン
亡き夫の霊 フリードリヒ・ラウン
灰色の客間ーー文字通り本当にあった話 ハインリヒ・クラウレン
黒の小部屋 ヨハン・アウグスト・アーペル
灰色の客間〔続〕 ハインリヒ・クラウレン
理想 フリードリヒ・ラウン
花嫁の宝飾 ヨハン・アウグスト・アーペル
逸話三篇 ヨハン・アウグスト・アーペル
一 幽霊の城
二 霊の呼ぶ声
三 死の舞踏
クララ・モンゴメリーーー聖＊＊ゲの騎士の手稿より ヨハン・アウグスト・アーペル
あとがき ヨハン・アウグスト・アーペル
✺
附録 序文（フランス語版『ファンタスマゴリアーナ』）
序（英語版『死の物語集』）
訳者解説
まえがき フリードリヒ・ラウン
魔弾の射手 ヨハン・アウグスト・アーペル
先祖の肖像画 ヨハン・アウグスト・アーペル
髑髏 フリードリヒ・ラウン
死の花嫁 フリードリヒ・ラウン
幽冥界との交感 フリードリヒ・ラウン
亡き夫の霊 フリードリヒ・ラウン
灰色の客間ーー文字通り本当にあった話 ハインリヒ・クラウレン
黒の小部屋 ヨハン・アウグスト・アーペル
灰色の客間〔続〕 ハインリヒ・クラウレン
理想 フリードリヒ・ラウン
花嫁の宝飾 ヨハン・アウグスト・アーペル
逸話三篇 ヨハン・アウグスト・アーペル
一 幽霊の城
二 霊の呼ぶ声
三 死の舞踏
クララ・モンゴメリーーー聖＊＊ゲの騎士の手稿より ヨハン・アウグスト・アーペル
あとがき ヨハン・アウグスト・アーペル
✺
附録 序文（フランス語版『ファンタスマゴリアーナ』）
序（英語版『死の物語集』）
訳者解説
| 作者 | ヨハン・アウグスト・アーペル/フリードリヒ・ラウン/ハインリヒ・クラウレン/識名章喜 |
|---|---|
| 価格 | 6380円 + 税 |
| 発売元 | 国書刊行会 |
| 発売日 | 2023年07月26日 |
それぞれが様々な形で幽霊を描き出し、それぞれ異なる魅力を持つ今回紹介した作品たち。どれもこれも、我々の日常には存在し得ない、超常的な存在である"幽霊"というテーマを見事に取り扱った作品ばかりではないでしょうか。無形で、感じることも見ることも出来ないかもしれない彼らを通じて心揺さぶられ、じっくりと考えさせられる瞬間は、リアルな世界を超えた別な価値観を俯瞰する旅のようです。
でも、怖がらないでくださいね。幽霊といっても人を脅かすだけの存在ではないのですから。幽霊たちは人間の心を映す鏡のような存在でもあります。彼らは私たちが抱える弱さや悲しみ、悔しさを引き出し、それ自体を直視させることで私たちの人間としての成長を助けてくれるかもしれません。逆に言えば、人間の持つ恐怖感や不安感を具現化する役割を果たしているとも言えるでしょう。
違った視点から現実を捉え直すことで、普段見えない何かを感じ取ることができる。そんな新しい体験を求める方に、幽霊が登場するこれらの小説は格好の道具となること間違いありません。
それでは、今度あなたが本を開く時、手に取るのはどんな世界を描いた本なのか、想像するだけでわくわくしますね。幸いなことに、小説の世界は無限大です。あなたの興味や関心が向く方向に、きっと素晴らしい物語が待っているはずです。どうか、存分にあなたの読書時間を楽しんでみてください。
それでは、また次回、新たな扉を開く際にお会いしましょう。
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