指揮者の役割がわかる本 おすすめ6選

クラシック音楽の背後で大切な役割を担っている「指揮者」。その存在なくしては、壮大な音楽空間は生み出されません。私が今回おすすめする6冊の本では、指揮者の全貌が描かれています。指揮者の心情や技術、コンサートの裏側の様子まで、見えない部分が見えてくるからこそ、クラシック音楽の奥深さを感じることができます。そして、ミュージシャンと聴衆をつなぐ懸け橋になる彼らの魅力に心から惹かれることでしょう。音楽好きなら絶対読んでおきたい、クラシック音楽の世界への新たな一歩となる一冊を、ぜひ手に取ってみてくださいね。
『棒を振る人生 : 指揮者は時間を彫刻する』
| 作者 | 佐渡,裕,1961- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | PHP研究所 |
| 発売日 | 2017年09月 |
『指揮者の役割 : ヨーロッパ三大オーケストラ物語』
| 作者 | 中野,雄,1931- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2011年09月 |
『指揮者は何を考えているか 解釈、テクニック、舞台裏の闘い』
指揮者がやっているのは一種の錬金術である。
指揮棒を持つのと手で指揮をするのとではどう違うのか、ピアニスト出身とヴァイオリニスト出身、作曲家出身の指揮者では、どこが違うのか。そもそも指揮者によって、あるいは同じ指揮者でさえ演奏が変わるのはなぜなのか……。
著者はアメリカの指揮者・教育者で、「有名な大指揮者の伝記や指揮法の教本でないものを」という依頼に応えて、本書を執筆したという。その結果誕生したのは、指揮というアート・職業のあらゆる角度からの検証であり、ごくわずかな人間しか知らない世界や心理を垣間見せてくれる、ユニークな作品である。
どの章も、著名な音楽家との自身の経験もしくは、晩年のアシスタントや作品の初演を務めたレナード・バーンスタインからじかに聞いた貴重なエピソードをふんだんに盛り込み、とっつきやすく、飽きさせない。一方で、ベートーヴェンの有名な曲を例に、ある場面を自分はどう解釈し、オーケストラにどう表現させるためにどういう指示を出すかを説明したり、クリティカル・エディションの「正しさ」と批評家や聴衆の「常識・慣習」との折り合いの問題を解説するなど、ディープな音楽ファンにも楽しめる内容になっている。
| 作者 | ジョン・マウチェリ/松村 哲哉 |
|---|---|
| 価格 | 3300円 + 税 |
| 発売元 | 白水社 |
| 発売日 | 2019年06月29日 |
『1冊でわかるポケット教養シリーズ 指揮者の世界』
指揮って何?指揮者って何者?音を出さない不思議な演奏家の謎を解き明かす。指揮者で変わる!?オーケストラ演奏の魅力。
| 作者 | 近藤 憲一/西村 理/岩原 正夫 |
|---|---|
| 価格 | 1045円 + 税 |
| 発売元 | ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス |
| 発売日 | 2015年07月16日 |
『日本の指揮者とオーケストラ : 小澤征爾とクラシック音楽地図』
| 作者 | 本間,ひろむ |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2024年10月 |
『指揮者の使命 音楽はいかに解釈されるのか』
指揮者と指揮者をめざす方、そして音楽を愛する方に……
原題は「指揮者という職業」で、プロ向けの記述が多いものの、クラシック好きなら本書に込められた著者の思いを共有できる一書になっている。モーツァルテウム管弦楽団元首席指揮者のラルフ・ヴァイケルトが、アマチュア向けとしても著した。
冒頭に「この本は、音楽、すなわち私たち指揮者が“解釈”と呼んでいるものに近づくためのものです」とあるように、指揮者が音楽をどう「解釈」するかをテーマにしている。本書はまた、スコアの本でもある。著者にとってスコアは作曲家の魂を刻み込んだ「聖書」であり、スコアをどう解釈するかが指揮者の使命なのである。
スコアにどんなアプローチすればよいか、オペラはどのように指揮するのか、アンサンブルのバランスをどう保てばよいか、声と音響について知っておくべきこと、そしてどのようにしたら作品について理解し正しい指揮者になれるのか、が本書の説く内容である。
本文は、指揮者が備えるべき素質と教養から書き起こされる。専門教育はもちろん必要だが、なによりも経験から得るものの大きさと、経験を活かせる人間性を重要視する。すなわち「この職業においては、多くのことが、否ほとんど全てのことが学ぶことができ、学ぶことによってのみ身につけることができるのです」というのが、著者にとっての指揮者像であり、人間観である。師のスワロスキーが伝えた「我々は行間ではなく各行の中を読まなければならない」という言葉が著者の信奉するところである。
もちろん指揮技術についての専門的な記述も多いわけだが、名言や逸話が随所に挟み込まれているため、一般読者も退屈せずに読了できるかもしれない。たとえば、カルロス・クライバーがプローベの最中に携帯のコールが鳴り響き、彼は激怒したがそれは彼自身の携帯だったなどの逸話も数多く紹介されている。ヴァーグナー、シュトラウスやモーツァルトなど作曲家に対する著者の思いも率直に吐露され、オペラの指揮についても多くの紙幅が割かれ、著者のオペラに対する愛情のほどもよく伝わってくる。
1.専門教育と活動
指揮者になるための条件
指揮は修得するもの
カペルマイスター
命を吹き込む
2.スコアへのアプローチ
アプローチの方法
形式とテンポ
テンポと拍子
スコアの不可侵性
アーティキュレイションと強弱
リハーサルにおける細部の打合せ
3.オペラの指揮とコンサートの指揮
歌劇場とコンサートホール
指揮のテクニック
自己理解
4.声と楽器
手本は声
カンタービレとベルカント
アンサンブル
5.空間と編成
コンサートホール
オーケストラの配置と編成
デュナーミク
暗譜して指揮すること
6.歴史と現在
いまどきの指揮者
レパートリー
専門性
7.リハーサルと本番
準備
予測不能なこと
*参考文献一覧、著者略歴、ディスコグラフィー、音楽用語解説、人名・作品名索引
| 作者 | ラルフ・ヴァイケルト/井形 ちづる |
|---|---|
| 価格 | 2420円 + 税 |
| 発売元 | 水曜社 |
| 発売日 | 2019年09月25日 |
それぞれの作品を通して、指揮者という存在が持つものすごい影響力と責任を改めて感じていただけたのではないでしょうか。可視的なパフォーマンスだけでなく、音楽の心を探求し、楽団全体を統一した演奏へと導く重大な役割を担っています。
クラシック音楽の美しさは、単に音楽そのものだけではなく、それを創り出すプロセス、演奏者たちの息遣い、そして上手く機能するために必要な緻密な組織力、指導力、そして音楽愛に溢れています。そして何よりも、その中心に立つ指揮者が持つ独自の視点と情熱が、一つの曲をどのように魔法のように変えてしまうのか。それが今回紹介した作品たちから伝わってきます。
楽曲を通して人々に感動を届ける彼らの存在は、まさにオーケストラの心臓部ともいえるでしょう。実際に彼らがどのように作曲家の意図を読み解き、楽団員と共に音楽を紡いでいくのか。そして、一瞬一瞬の判断で音楽の流れをコントロールし、聴衆に臨場感あふれる演奏を提供する。そんな彼らの姿を間近で見ることができる作品達は、きっと皆さんのクラシック音楽に対する理解を深めてくれるでしょう。
音楽があなたの生活に豊かさをもたらす力は無限大です。そしてその中心に立つ指揮者の存在が持つ力を知ることで、音楽に対する感動もひときわ深くなるはず。それぞれの作品は、音楽の世界にしかない幻想的な魅力を描き出しています。この機会にぜひ手に取ってみてください。もっと深く、もっと広い音楽の世界を体験してみてください。それはきっと、あなたの心に新たな旋律を奏でてくれるでしょう。
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