排外主義に毒された人の目を覚ます本10選

排外主義に毒された心を癒し、目覚めさせる力を持つ10决の作品を挙げてみました。異国の地での人間模様を描く感動の小説、異文化と向き合い共生を試みる姿を描いたマンガ、多様性を美しいと描く作品など、たっぷりと収録。心の中にある壁を壊す勇気を与えてくれる、それぞれに深みのある物語です。主人公たちの成長と共に、読者自身も自分の中の偏見を見つめ直すきっかけになるはずです。切なさ、喜び、愛、悲しみ、すべての感情が交錯する中で巻き起こる人間ドラマに、きっと心打たれることでしょう。是非、書棚に加えてみてくださいね。
『可視化される差別 統計分析が解明する移民・エスニックマイノリティに対する差別と排外主義』

「私たちは差別の何を知っているだろうか? 不可視の差別を可視化する、厳密かつ包括的な差別研究の最前線ーー岸 政彦」
人種差別、性差別、障害者差別、性的指向差別……。
私たちの周りでよく見聞きされる「差別」という言葉。しかし、差別ほどその存在を捉えにくいものはありません。日本の差別調査の多くは、差別される当事者に対して行われるため、その人が差別だと感じたことが、実は差別でないということがありえます。一方、差別をしている側も、何が差別で何が差別でないかが明確でないまま、差別を行っていることが多いのが実態です。「自分は外国人に対して否定的な感情を抱いていないから、差別をしていない」という説明をよく聞きますし、実際、そう考える日本人は多いはずです。しかしこの考え方は、半分は正解ですが、半分は間違っています。
外国人に対して否定的な感情をもっていなくても、知らず知らずのうちに差別をしているかもしれないのです。
差別は見ることはできないし、差別の経験談でさえ差別を十分に反映しているとは言い難いのが現状です。だから差別は一筋縄では捉えることができないのです。
では、何が原因で差別は引き起こされるのでしょうか。
本書は差別の実証研究を扱った入門書です。差別を「可視化」し、その実態を明らかにするための研究をもとに、差別の正体と、その原因、そして差別が当事者に何をもたらすのかを明らかにしていきます。
作者 | 五十嵐 彰 |
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価格 | 3850円 + 税 |
発売元 | 新泉社 |
発売日 | 2025年02月26日 |
『欧州の排外主義とナショナリズム 調査から見る世論の本質』

【受賞】
第43回サントリー学芸賞(政治・経済部門)を受賞しました!
21世紀に入り、ヨーロッパでは右翼政党の台頭や反移民感情の高揚が問題になっている。こうした右傾化や排外的な動きに対して、これまで新聞やテレビなどでは、社会から置き去りにされた、貧困に喘ぐ人たちの怒りの表れであるという説明が多くなされてきた。
しかしそれは本当なのだろうか?
本書では、欧州難民・移民危機やユーロ危機以降のヨーロッパで行われた世論調査のデータを実証的に分析し、そうした言説(貧困に喘ぐ人々の怒りの表れ)に根拠がないことを明らかにした。さらに、こうした右傾化や排外主義の台頭は、実は経済的要因ではなく非経済的要因(文化や慣習、規則など)によって強く規定されていることも明らかにした。
そして、実際に右翼政党を支持している人たちはどんな人々なのか、どんな状況が人々の右傾化を生むのか、また中道政党が右傾化するのはなぜか、といったことをヨーロッパの個別の国を対象に分析していった。
加えて、著者が独自に行った世論調査では、右翼政党を支持する人たちのバックボーンを明らかにしたり、選挙キャンペーンに影響されるのはどんな人たちなのかを分析したりもしている。
人口減少社会を迎えた日本でも、コロナ禍で、いままで隠れていた移民の問題が浮き彫りになってきた。いつのまにか移民の受け入れ国になっていた日本は、今後、どのような社会を作っていけばよいのだろうか。
21世紀のヨーロッパを題材に、民主主義下における少数派の排斥という、古くて新しい人間の根源的な問題を取り上げた一冊である。
作者 | 中井 遼 |
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価格 | 3080円 + 税 |
発売元 | 新泉社 |
発売日 | 2021年03月20日 |
『アメリカの排外主義 トランプ時代の源流を探る』

トランプ政権の下、アメリカでは現在も白人至上主義や過激な人種主義を掲げる結社や集団が勢いづき、原因は、一見、移民の増加にあると捉えられている。それは本当だろうか?
研究の結果、排外主義は嫌悪感情の発露が引き起こす非合理な運動ではなく、さまざまな力学関係のなかで成立する、複雑な社会現象ということが見えてきた。
本書ではそのような気づきから、とくにアメリカの排外主義の歴史に注目し、魔女狩り、奴隷制、南北戦争やクー・クラックス・クランの活動を検証し、歴史的な座標軸から現代の問題を捉えなおす。21世紀、世界に渦巻く保護主義・排外主義のうねりの源流を探り、そのメカニズムを解き明かす。
序 章 二一世紀の世界と「トランプの壁」
二一世紀の世界と排外主義の潮流/トランプのファンタジーとリアリティ
悪と正義の構図/ポピュリズムの魔法/アメリカ・ファーストの文脈
マイノリティの囲い込み/万能壁としての「トランプの壁」/アメリカの排外主義を追う視点
第1章 セイラムの魔女狩り
アメリカの魔女狩りとセイラムの魔女騒ぎ/魔女狩りの発展/魔女狩りの終息
ピューリタンの理想と現実/セイラムの不満と確執/魔女狩り拡大のメカニズム
第2章 ネイティヴィズムと「ノウ・ナッシング」
ネイティヴ・アメリカンの「涙の旅路」/アイリッシュ移民と反移民感情
ノウ・ナッシングをめぐる謎/秘密結社とネイティヴィズムの勃興
急拡大のからくり/ノウ・ナッシングの分裂と崩壊
第3章 南部白人の窮状とクー・クラックス・クランの誕生
南北戦争と黒人奴隷制/戦敗者たちの秘密結社
南部白人の窮状と黒人襲撃の意図/暴力の激化から解散へ
第4章 転換期アメリカ社会と禁酒法
都市化と産業化/「新移民」の急増/都市のスラムと劣悪な労働環境
革新主義の波/禁酒運動と禁酒法の成立/「悪」の排除と「秩序」の回復
第5章 人種主義、排外主義と移民制限法
進化論と「適者生存」/人種と人種主義/同化論と排外論
レッセ・フェールから移民制限へ/移民制限法導入の経緯
第6章 第二期クー・クラックス・クランとアメリカニズム
ネイティヴィズム結社の隆盛/第二期クランの謎/『ザ・クランズマン』と『國民の創生』
「消化」される人種問題と史実の曲解/第二期クランのアメリカニズムと反知性主義
クランの人種観と慈善活動/第二期クランの内実
第7章 マッカーシズムから現代へ
「赤の恐怖」とマッカーシズム/公民権運動と差別是正措置
雇用の調整弁としてのメキシコ系移民
ネオコン、ティーパーティー運動、オルトライトとスティーヴン・バノン
終 章 トランプ時代の「大きな物語」
排除運動の理論と特質/ヨーロッパの排外主義の潮流
日本の外国人労働者と障害者差別問題/二一世紀世界の「大きな物語」
あとがき
作者 | 浜本 隆三 |
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価格 | 946円 + 税 |
発売元 | 平凡社 |
発売日 | 2019年01月17日 |
『侵略者は誰か?』

なぜ外来種を駆除しなければならないのか? 移民・外国人を排除・嫌悪するのはなぜか?脅威は「外」から来ると考えるのはどうしてか?
外来種を侵略者と読み替える「国境」の論理――それが生み出す、人間と人外の動物への「排外主義」とは何か。
「人新世」や「多元的存在論」など、人間と自然の関係を再検討する諸概念・研究を手がかりに、既存の外来種論の見直しを図る人文社会科学からの応答である。
作者 | ジェームズ・スタネスク/編著 ケビン・カミングス/編著 井上太一/訳 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 以文社 |
発売日 | 2019年01月21日 |
『排外主義克服のための朝鮮史』

作者 | 梶村,秀樹,1935-1989 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 平凡社 |
発売日 | 2014年12月 |
『奇妙なナショナリズムの時代 : 排外主義に抗して』

作者 | 山崎,望,1974- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2015年09月 |
『排外主義の国際比較 : 先進諸国における外国人移民の実態』

作者 | 樽本,英樹 |
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価格 | 不明 |
発売元 | ミネルヴァ書房 |
発売日 | 2018年09月 |
『欧州の排外主義とナショナリズム』

作者 | 中井遼 |
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価格 | 3018円 + 税 |
発売元 | 新泉社 |
発売日 | 2021年08月10日 |
『差別する人の研究 : 変容する部落差別と現代のレイシズム』

差別の現れ方、正当化する言説は時代とともに変わっていく。例えば、部落差別はかつての結婚・就職ではなく、その土地に住むことに対する忌避が強く現れる。また、昨今は「社会的弱者であることをふりかざし、福祉に甘えている。逆差別だ」などという偏向した言説も目立つ。こうした差別の変容はなぜ、どのように起きるのか。現代的レイシズムを基点に、差別「される側」ではなく「する側」の構造をあきらかにする。
作者 | 阿久澤麻理子/著 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 旬報社 |
発売日 | 2023年09月26日 |
『レイシズム (講談社学術文庫)』

作者 | ルース・ベネディクト/阿部大樹 |
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価格 | 990円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2020年04月09日 |
それぞれの物語を読んでいただき、その中に描かれている人間の愛と理解、そして異なる個性や文化に対する柔軟さに目を向けていただいて、皆さん自身が感じるものがあったら嬉しいです。物語の中には、種族や国籍、信念や性格によって決めつけられることなく、人間としての尊厳と多様性を尊重するメッセージがたくさん詰まっています。
排外主義、差別、偏見というのは、人間の心の壁を形作る要素ですが、それらは私たちが自ら手に入れた真実ではなく、大抵は周囲の空気や風潮に流されて無意識に鏡写ししてしまうものです。しかし、このような枠組みは固定されたものではなく、一度立ち止まって内省し、新しい視点で見つめ直すことで、心の壁を取り払い、広い世界へと視野を拡げることが可能です。
小説や漫画という架空の世界は、その新しい視点を提供してくれます。異なる背景を持つ人々の生き様、思い、苦悩、喜び、人間としての普遍的な経験を垣間見ることで、自分が今まで気づかぬうちに持っていた偏見や先入観を再認識し、それに対して誠実に向き合うきっかけを与えてくれるでしょう。
これまで紹介した本たちは、読み手それぞれの心に異なる感銘を与え、多角的な視点から世界を捉え直すきっかけとなるはずです。この文章を読んでいるあなたが、もしもどこかで無意識に持っていた排外的な感情や偏見に気づく機会となり、その上でそれを見つめ直し、心の中にあるバリアを取り払い、多様な価値観や異質な存在を受け入れることができる歓びを掴んでいただけたら、これ以上に嬉しいことはありません。
素晴らしい物語と同じように、人間関係も豊かに、深く、そして美しく広がっていくものです。これからもどうか、新たな視点や多様性を尊ぶ心を持ち続けて、さまざまな人々との出会いを楽しんでくださいね。
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