曽野綾子さんの言葉ー日々の暮らしを見つめ直せる3冊

日々の営みを優美な言葉で描く曽野綾子さん。先ず、彼女のエッセイ集を読めば、日常の些細な出来事にも新たな視点を見つけられます。綴られる言葉の中には、普通の毎日を素晴らしいものに変えるヒントがたくさん詰まっています。次に、彼女の自伝的小説。家庭と仕事、社会との葛藤を描きつつ、その中にある何気ない幸せを見つけ出す力が学べます。生きることの本質を教えてくれる一冊です。最後に推すのは迷える若者への手紙集。どう生きるべきか、悩むことの大切さを伝えています。これら3冊を読めば、きっと日々をもっと愛せるようになるはずですよ。
『人生は、日々の当たり前の積み重ね』

夫の三浦朱門が亡くなって2年が経つ。知り合いには「私は同じ家で、同じように暮らしております」といつも笑って答えている。見た目の生活は全く変わらないが、夫の死後飼い始めた2匹のネコだけが、家族の数を埋める大きな変化であるーー老後の日常と気構えを綴るエッセイ集。
●母も夫も亡くなった今、私は監督される人もいないから、思うままに暮らすことにした。生まれてこの方味わったことにない自由の境地である。猫を抱いたまま、「二人」で眠ってしまうこともある。
●与えねばならない仕事があるということは幸せなことだ。それがないと「自分がしてもらう」だけの立場になり、運動能力、配慮、身の処し方、すべてが衰えてくるだろう。
●年を取ってしなくてよくなったものには、お金の計算もある。百歳まで生きるとしても、その間にかかる費用は一瞬のうちに「目の子」でわかるようになったからだ。
●人間は与えられているものの価値は、すぐに忘れるか、評価しない。しかし「ないものを数えるより、あるものを数えたほうがいい」という幸福の極意は忘れないようにするべきだ。そして更にあるものを増やしていけば、日本人は幸福な国民になれるはずなのである。
●死期だけは、人間の分際で介入してはいけない。治癒するために一応努力してみて、その結果はもはや「人間業」ではないのである。だから人間は、その個人として最も適切な年齢に死ぬようになっている。その自然な運命を乱すのが、事故と戦争だから、この二つの社会現象だけは起こさないように、社会は努力すべきなのである。
●私が常に人生で「最悪」を想定して生きるようになったのは、自分を守るためだったのだと思う。現実が想定していたより幾分でもマシであれば、絶望せずにすむからだ。それに、しょせん人生なんてその程度のものだと、私は思ったのだ。完全なんてありえない。何かがいつも欠けている。どれかを諦め続ける。それが私の人生だろうと、考えるようになった。
●人生とは、日々の当たり前のことの積み重ねで、充分なのである。
作者 | 曽野綾子 |
---|---|
価格 | 880円 + 税 |
発売元 | 中央公論新社 |
発売日 | 2022年12月08日 |
『人生の後片づけ 身軽な生活の楽しみ方』

五十代、私は突然、整理が好きになりうまくなったー老いを充実させる身辺整理の極意!
作者 | 曾野 綾子 |
---|---|
価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2025年06月24日 |
『人生の収穫』

作者 | 曽野,綾子,1931-2025 |
---|---|
価格 | 不明 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2025年05月 |
それぞれの曽野綾子さんの作品に通底するのは、日々の暮らしを大切に生きるという思想です。一見すると牧歌的な日常を描いているように見えますが、そこには実は深い洞察と理解、そして人生を豊かに生き抜く知恵が詰まっています。彼女の散文や随筆は、それぞれの日常が持つ奥深い価値を私たちに教えてくれます。その一冊一冊を読み込むごとに、普段私たちが何気なく過ごしている生活が、実はどれだけ豊かで、そして有意義なものなのかを改めて感じることができます。
曽野綾子さんの作品は、言わば「生き方のレシピ本」でもあります。物事の捉え方一つで、見えてくる世界は大きく異なります。かつて見過ごしていた日常の小さな出来事や、人間関係についての新たな視点を提供してくれます。そして、それぞれが自分自身の生き方を見つめ直すきっかけとなるでしょう。
どの作品も、繊細で優しく、しかし力強いメッセージが込められています。日々の忙しなさに追われ、見失いがちな「大切さ」を、私たちに思い出させてくれます。また、彼女の豊富な生活経験や人間観察に裏打ちされた洞察力は、どんな世代の読者にも響くはずです。
どれも思索を深め、自分自身と向き合う機会を与えてくれる作品です。ぜひ、曽野綾子さんの世界に触れ、日々の暮らしを豊かに感じる時間を過ごしていただければと思います。深い洞察と包み込むような言葉によって、新たな視点と気づきを得られることでしょう。なんの変哲もない日常の中にある奥深い価値が、いつしか心を豊かにしていく。そんな曽野綾子さんの作品による発見と、それぞれの日々の暮らしを深く愛するきっかけを、この3冊から見つけていただければ幸いです。
本サイトの記事はあくまで新しい書籍と出会う機会を創出する場であり情報の正確性を保証するものではございませんので、商品情報や各作品の詳細などは各自で十分に調査した上でご購入をお願いいたします。各通販サイトが提供するサービスは本サイトと関係ございませんので、各通販サイトは自己責任でご利用ください。