産業革命を知る本4選

この産業革命の舞台は、煤煙のまとう英国。精巧な描写が溢れる本1作目には、様々な人々の日常とそれを変える発明の力が詰まっています。次に挙げるのは人間ドラマ溢れる作品。社会の流れに立ち向かう者たちの姿は、我々に多くの問いを投げかけます。3作目は、産業革命を過去と捉えず、現代につながる視点から描いた作品。最新の情報技術と革新の歴史を繋げる解説は、非常に新鮮。最後にご紹介するのは漫画。絵と文で織りなす物語は、子供から大人まで、歴史を楽しみながら学べますよ。どれも一読の価値ありです。
『世界史のなかの産業革命 資源・人的資本・グローバル経済』

中国やインド、大陸ヨーロッパではなく、イギリスで産業革命が起こり得たのはなぜか? 食事、健康などの生活水準をもとに、世界史的な視野でその起源を捉えなおし、エネルギーなどの自然環境が果たした役割も視野に、産業革命の新たな全体像を示した決定版。
作者 | ロバート・C.アレン/眞嶋 史叙/中野 忠/安元 稔/湯沢 威 |
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価格 | 3740円 + 税 |
発売元 | 名古屋大学出版会 |
発売日 | 2017年12月15日 |
『産業革命 起源・歴史・現在;キゲンレキシゲンザイ』

「産業革命」をめぐっては、長い論争の歴史がある。
なぜ、産業革命は、1800年ごろまでは優勢だったアジアではなく、ヨーロッパ、なかでもイギリスで最初に起こったのか。産業革命が「革命」と言われるのはなぜか。産業革命によって人びとの生活はどのように変化したのか。
その歴史的な前提条件や影響を考察することは、グローバル化のなかでの格差や貧困の拡大、奴隷制の過去や人種差別の存続、そして気候変動や環境破壊といった現代の構造的問題を問うことにもつながる。
本書は、狭義の経済史的アプローチだけではなく、グローバル・ヒストリー、環境史、科学史、社会史・文化史など多様なアプローチを通じて、産業革命の歴史を概観している。
総じて、本書では、「産業革命はなかった」とされてきた修正主義的な見解に対して、新たな観点からの産業革命の意義を擁護している。
産業革命はもっとも重要なテーマであるにもかかわらず、日本では意外と真正面から論じた本が少ない。本書は、この間の論争や研究成果をもとに産業革命を論じた最良の一冊である。『なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか』などで知られる世界的権威による記念碑的著作!
謝辞
第1章 過去と現在
第2章 産業革命の前提条件、一五〇〇〜一七五〇年
第3章 なぜ産業革命はイギリスから始まったのか?
第4章 イギリスの変容
第5章 改革と民主主義
第6章 産業革命の世界的拡大
訳者解題
図版一覧
参照文献
読書案内
出版社による謝辞
索引
作者 | ロバート・C・アレン/長谷川 貴彦 |
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価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | 白水社 |
発売日 | 2024年10月30日 |
『産業革命』

産業革命はなぜイギリスで最初に起こったのだろうか、産業革命はどのような意味で革命的なのか、そして産業革命は人びとの生活にどのような影響を与えたのだろうか。本書は、最新の研究成果に拠りながら、こうした問題に答えることを課題としている。
作者 | 長谷川貴彦 |
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価格 | 801円 + 税 |
発売元 | 山川出版社(千代田区) |
発売日 | 2012年11月 |
『産業革命史 イノベーションに見る国際秩序の変遷』

産業革命を四段階に分け、現在のAI、IoTによる第四次産業革命に至るまでの各国のイノベーションの変転をたどり、覇権の変遷を俯瞰する新しい世界経済史。== イノベーションこそが世界秩序形成の原動力である。技術革新が起きる現象を広く産業革命と捉えて、第一次産業革命(一七六〇〜一八三〇年代、軽工業)、第二次産業革命(一九世紀後半〜二〇世紀初頭、重工業)、第三次産業革命(二〇世紀後半、IT・情報)、第四次産業革命(二〇一〇年代以降、IoT・AI)の四段階に分け、世界経済の変遷をたどりなおす。経済体系の変遷や社会経済発展・分業との関係など多様な論点を交え、持続的な世界経済の運動として産業革命を大局的に描き出す。
作者 | 郭 四志 |
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価格 | 1265円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2021年10月07日 |
これらの作品を通じて、産業革命の時代の人々の生活や思考、それに伴って生まれた技術革新や社会変動、そしてその影響を深く理解できることでしょう。歴史の中に描かれたサスペンスやロマン、そして緻密な描写は、ただ事実を学ぶのではなく、その時代を生きた人々の息遣いを感じることができます。
それぞれの作品が違った視点から産業革命を描いているため、読み比べることでそれぞれに映し出された特異性と普遍性を発見できるはずです。男性の視点、女性の視点、働く人々の視点、経済の視点、政治の視点…その多様性は、一つの大きな歴史的現象を多角的に捉える醍醐味を教えてくれます。
そして、一つの作品が一つの真実を語るだけではないことも忘れないでください。フィクションには現実以上のリアリティがあるとも言えます。事実そのものだけでは感じ取ることのできない人間の内面や社会の繊細さを、作品は独自の方法で伝えてくれます。
感情をむき出しにした人間ドラマ、時代の変化に立ち向かう主人公たちの姿、そして社会や世界を変えていく技術革新の様子は、読者自身の世界観や価値観を深く問い直すきっかけになるはずです。
歴史を学ぶことは、過去を振り返るだけではなく、現代を再認識することでもあります。それは未来への一歩を踏み出すための手段でもあります。想像を超えた過去が見せる現実に驚いたり、感動したりすることでしょう。それぞれ自身の「産業革命」を見つけてみてください。楽しみながら学べる素晴らしい4つの作品、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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