ハワイの日系人の歴史を学べる本4選

あなたがハワイの日系人の歴史に興味を持つなら、4つの名作をぜひご一読ください。1つ目は、ホノルルの日系人コミュニティの生活を描いた作品です。明治時代の移民から現代まで絶妙なタッチで描かれています。2つ目は、第二次世界大戦中の日系人強制収容の悲劇をリアルに描き出したもの。その痛々しさは強く胸に刺さります。3つ目は、不屈の精神で困難を乗り越える日系人の姿を絵と文字で色彩豊かに描いた一冊。そして最後に、70年代のハワイを舞台に、世代を超えて引き継がれる日系人のアイデンティティに迫った秀逸な作品です。それぞれ違ったアングルから、ハワイの日系人の歴史が綴られています。
『ハワイ日系人の歴史的変遷』

「英雄」として掘り起こされた日本人移民、後藤濶。異なる人種や文化的背景を持つ人々が共存する社会をかれらはどのように生きてきたのか。
本書は、ハワイやアメリカ本土の日系人の歩みを辿りながら、グローバル化が進む現代において重要になっている多文化共生の問題について過去と現在を接合し、今日的な意味を探るものである。リンチという暴力の過去が、いかに読み替えられてきたのか――ハワイに渡った後藤濶がアメリカ出身の白人たちによりリンチの犠牲となった事件(1889年)の歴史・記憶・表象を、現地で「発掘」した様々な史料や、100名余の関係者に対して実施したインタビューも用いて検証。そこには、太平洋の楽園というイメージの背後に潜む、ハワイの植民地化という激動の歴史、多文化社会に生きた人々の衝突と融和の歴史が浮かび上がる。
先住民と各国からの移民とその子孫たちにより形成された多文化社会ハワイとアメリカ本土におけるアジア系の位置付けや人種的マイノリティの連帯、環太平洋の人々の移動、文化史の一端を紐解く。
作者 | 堀江里香/著 |
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価格 | 3600円 + 税 |
発売元 | 彩流社 |
発売日 | 2021年07月09日 |
『ハワイ日系人の強制収容史 太平洋戦争と抑留所の変遷』

1941年12月の太平洋戦争開戦を受けて、
ハワイで始まった日系人戦時強制収容。
抑留所の開設から終戦後の閉所まで、強制収容の全期間にわたり、
抑留対象者がどのように変化したか、並びに、オアフ島に設営された
サンドアイランド抑留所、また、その後身となったホノウリウリ抑留所の
「抑留所機能」がいかに変容したかを論じる。
未だ総括的な研究が十分ではない、ハワイの日系人強制収容史を、
陸軍資料を中心とした一次資料、回顧録、オーラルヒストリー、地図、写真等、
多様な資料を組み合わせて検証する。
ホノウリウリ抑留所跡地は、現在、米国国立公園局の管理のもと、史跡化が
進んでいる。
2015年、オバマ大統領により国定史跡認定、19年、国立史跡に昇格。
序章 ハワイ日系人戦時強制収容の包括的理解へ向けて
第1章 ハワイ日系人戦時強制収容「開始期」における
サンドアイランド抑留所の再検討
開戦とサンドアイランド抑留所の設立
初期のサンドアイランドの環境
サンドアイランドの設備向上と抑留者の生活、ほか
第2章 ホノウリウリ抑留所開設による戦時強制収容「継続期」
への移行──面会制度と日系人抑留者の生活
戒厳令下の強制収容と日系人コミュニティ
面会制度の成立と軍当局の利用、ほか
第3章 ホノウリウリ抑留所/収容所史の再考
──「継続期」における日系人抑留者の「抵抗」から
帰米二世と日本人捕虜の接触
日系人抑留者の抵抗のかたち、ほか
第4章 戒厳令撤廃以降の日系人抑留者たちと戦時強制収容の
「収束期」
戒厳令撤廃前後のホノウリウリの様子
徴兵忌避者とその周辺
日本送還と「帰米二世暴力事件」、ほか
補論 太平洋の中のホノウリウリ──戦争避難民の一時受け入れと
移送
戦争避難民の軌跡
サイパン島への移送・送還
ホノウリウリに付された役割
終章 ハワイ日系人戦時強制収容の歴史的変遷
抑留対象者と抑留所の変化にみる連続性
終戦直後のハワイ準州
「歴史の共有」に向けて、ほか
作者 | 秋山 かおり |
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価格 | 4950円 + 税 |
発売元 | 彩流社 |
発売日 | 2020年03月03日 |
『ハワイ日系人の歴史地理』

本書は第二次世界大戦前のハワイにおける日系人の居住地・出身地・職業について考察するものである。
作者 | 飯田耕二郎 |
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価格 | 3300円 + 税 |
発売元 | ナカニシヤ出版 |
発売日 | 2003年03月10日 |
『ハワイ日系人の教育観とアイデンティティ オーラルヒストリーから辿る「モデル・マイノリティ」への道』

ハワイにおける日系人という特定のエスニックグループに焦点を当てて、聞き取り調査を中心に、彼らの教育観や高等教育を得るようになるまでの要因・過程を検証し、彼らがどのようなアイデンティティを継承してきたのかについて分析する。
作者 | 横山 香奈 |
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価格 | 4400円 + 税 |
発売元 | 明石書店 |
発売日 | 2020年08月31日 |
ここまで「ハワイの日系人の歴史」に焦点を当てた4つの素晴らしい作品をご紹介してまいりました。いかがだったでしょうか。これらの作品を通じて、ハワイという地域が日系人にとってどんな特別な意味を持っているのか、日系人の生活や文化、苦難をどのように共有し、乗り越えてきたのかを感じていただけたら嬉しいです。
ハワイは日本にとっても親しみ深い地で、多くの日本人がタイムズスクエアやワイキキビーチといった名所を訪れ、リゾートとして楽しんでいますが、一方でそこには日系人の歴史と文化が深く根ざしています。彼らが体験した困難や問題、そしてそれを乗り越えてきた力強さは、私たちの日本人としてのアイデンティティを再考する上でも大切な視点となります。
どの作品もそれぞれに個性があり、時代背景や主人公の視点が違いますから、読む者によって感じ方も異なるかと思います。しかし、それぞれが描く日系人の心情や生き様は、きっと読者の心に響き、新たな視点を提供してくれるはずです。
一冊でも多くの本を手に取り、彼らの歴史や物語を知ることで、私たち自身の生活や視点が豊かになることを願っています。それぞれ異なるテーマや視点を持つこれらの作品を通じて、ハワイの日系人の歴史と心象風景を深く理解する機会にしていただければ嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回も、違ったテーマで皆様におすすめの作品をご紹介できるのを楽しみにしています。それでは、良い読書ライフをお過ごしください。
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