『列車で越える世界の緊迫国境』を読み、旅情と緊張感が入り混じる独特の世界に引き込まれました。
ただの移動手段ではない、国境を越える列車が持つ歴史的背景や政治的意味合いが、小牟田哲彦さんの筆致で鮮やかに描かれています。
特に印象的だったのは、それぞれの国境に存在する人々のドラマです。
時には厳しく、時には温かい、国境という線が織りなす人間模様に深く考えさせられました。
普段意識しない「国境」の向こう側にある、多様な文化や現実を感じられる一冊です。
日本には陸の国境がないため国境問題を意識しにくいが、一方で尖閣諸島や竹島、さらには対馬や沖ノ鳥島など、領土を巡る隣国との国際問題への関心が高まっている。ロシアのウクライナ侵攻は、陸上で国境を接することの意味を改めて日本人に痛感させた。海上の国境は目に見えないが、陸の国境を越える体験は一般の日本人でも国境の存在を容易に体感できる貴重な機会である。そして、国際列車はその体験が可能な絶好の空間であり、隣り合う別の国同士の人々が狭い空間で乗り合わせる独特の場面であり、その乗客たちの多くは国境を挟んだ2国間に横たわる雰囲気の体現者たちといえる。
世界にはさまざまな背景を持つ国境が各地に存在し、国家と国家の境目がどのような雰囲気や環境の中にあるのか、千差万別である。そうした多様な国境を列車で横断する紀行文を通じて、日本人には縁遠い「国境」という存在を巡る問題を考える契機を提供する。
『列車で越える世界の緊迫国境』を読み、旅情と緊張感が入り混じる独特の世界に引き込まれました。
ただの移動手段ではない、国境を越える列車が持つ歴史的背景や政治的意味合いが、小牟田哲彦さんの筆致で鮮やかに描かれています。
特に印象的だったのは、それぞれの国境に存在する人々のドラマです。
時には厳しく、時には温かい、国境という線が織りなす人間模様に深く考えさせられました。
普段意識しない「国境」の向こう側にある、多様な文化や現実を感じられる一冊です。