池袋で連続殺人事件が発生。厳しく箝口令が敷かれていたが、殺害された被害者の額には刃物で「×」印が刻まれていた。反社ばかりを狙った犯行から、マスコミは犯人を、街をきれいにする清掃車にかけて“聖掃者”と名付けた。池袋署には特別捜査本部が設置され、刑事課強行犯係の警部補・薬師丸遼一をはじめとした捜査員は、日夜、犯人探しに奔走していた。そんな中、遼一のもとへ、娘の佳奈から電話が入る。この秋からバレエ留学を控えている、自慢の娘だ。電話越しに、彼女は信じられない言葉を発した。「…私、人を殺しちゃったかもしれない」-娘のもとへ急行する遼一。そこで目にしたのは、目から光を失った、金髪の男の姿だった。娘の人生をここで終わらせていいのかー「おまえを助ける」遼一は娘に告げると、金髪の男の額に、「×」を刻印した。いま、後戻りのできないミッションがスタートした。
ゲスト
中村啓『無限の正義』は、倫理・哲学の観点から「正義」という概念を深く探求した思想書です。単なる法律やルールの正当性ではなく、人間の行動や社会構造に潜む善悪の判断基準、道徳的責任、理想的な社会秩序について論じています。「正義は有限ではなく、常に問い直され続けるもの」という視点から、読者に自ら考え行動することの重要性を問いかける、思索的で示唆に富む一冊です。
