事故に遭ってしまった主人公が転生したのは、前世でプレイしていた乙女ゲームの世界だった!という設定の小説です。
転生先の人物は、カタリナ・クラエスという8歳の令嬢でした。
ゲームでは悪役令嬢として登場し、どういうルートを辿っても破滅エンドを迎えてしまうというキャラクター。
それに気付いたカタリナは、破滅フラグを回避するために奮闘することを決意するのですが……
この小説の魅力の一つが、カタリナの人物像です。
努力の方向性がおかしなことになっていたり、令嬢という身分からは考えられない振る舞いも多いのですが、
明るく元気なタイプで、誰にでも分け隔てなく接する優しい性格をしています。
1巻では、そんなカタリナに周囲の人たちが惹きつけられていく8歳の頃のお話が、各キャラごとに短編の形で描かれていきます。
物語序盤の出会いの話なんて大したことはなさそう、と思われる方もいるかもしれません。
ですが個性的なキャラクターたちと触れ合い、相手を悩みや苦しみから解放するという王道の展開は、
コミカルでテンポもよく、読んでいてとても楽しい気持ちになれます。
まずは義弟に始まり、婚約者の王子、果ては別の令嬢まで……
次々に人をタラしこんでいく様子が面白く、1巻だけでも十分にまとまっている内容です。
2020年にアニメ化された人気作なので、気になった方はぜひ一度読んでみることをおすすめします!