杉村宰『隣人を愛するということ――日系アメリカ人と日本を助けたフレンド派の人々の記録』は、フレンド派(クエーカー)の人々が実践した博愛や隣人愛の事例を記録した書です。日系アメリカ人や日本への支援活動を通して、宗教的・倫理的理念が具体的な行動としてどのように現れるかを紹介しています。読者は、他者への思いやりや社会的責任の重要性を学び、現代社会での共生や倫理的行動の意味を考える手がかりを得られる一冊です。
太平洋戦争の前後、日系アメリカ人および日本を助けた勇気あるキリスト教プロテスタント、クエーカーと呼ばれるフレンド派の人物列伝を通じ、今日の分断と争いの時代に「隣人を愛すること」を考える本。
真珠湾攻撃以降、敵とされた米国在住の十二万人の日系人は国内の強制収容所へと集められた。家も仕事も財産も、自由も権利も夢も希望も奪われ、失意と絶望にあった日系人を助けた者たちがいた。
戦前・戦中・戦後の彼らの貢献と働き、エピソードと評伝をまとめたカリフォルニア在住の日系人牧師が、「隣人を愛するということ」の意味を説く。
はじめに 3
推薦のことば 11
一章 フレンズの賞賛すべき働き 17
フレンズのはじまり 18
ドイツとの比較で知るフレンズの働き 20
二章 フレンズと日本 25
日本での教育活動のはじまり─新渡戸稲造と河井道 26
戦前の日本での救援活動 30
戦後の日本への復興援助活動 34
「山羊のおじさん」ハーバート・ニコルソン 34
ララ救援物資 38
シュモーの「ハウス・フォー・ヒロシマ」 44
原爆乙女 48
三章 フレンズと日系人 51
日系人への迫害と伝道活動のはじまり 52
日系人とかかわった要因 55
戦争勃発による日系人の動向 56
戦争勃発によるキリスト教諸教会の動向 61
四章 フレンズの日系人救援活動 67
〈フレンズ奉仕団リーダー〉クラレンス・ピケット 68
〈クラレンス・ピケットの義兄〉ギルバート・ボールズ 72
ターミナル・アイランドでの救援活動 77
〈公民権唱道者〉ジョージ・ロス 80
〈日系人の代弁者〉ゴードン・ヒラバヤシ 81
パンとコーヒーの差し入れ 86
強制収容された日系人への救援活動 89
強制収容所の教師たち 98
ヘレン・イーライ・ブリル 98
ジョーゼフ・グッドマン 100
大学入学手続きとスカラシップの付与 102
ホステル開設、仕事と住居のあっせん 108
補償請求の援助活動 115
天皇家の英語教師となったクエーカーたち 123
エリザベス・ヴァイニング 123
エスター・ローズ 128
五章 フレンズのように日系人を助けた人々 135
エメリー・アンドリューズ 136
浅野七之助 136
ウィリアム・アキスリング 138
シャーマン・バーゴイン 140
パトリック・バーン 141
ラルフ・ローレンス・カー 142
シャーロット・デフォレスト 144
ジュリアス・ゴールドウォーター 145
J・フラートン・グレセット 146
エリザベス、キャサリーン・ハンバーガー姉妹 146
アレン・ハンター 147
メリー・ジェッシー 148
スタンレー・ジョーンズ 149
賀川豊彦 150
セシル・ランカスター 152
ヒュー・レイヴリー 152
ラルフ・ラゾー 153
マイク・マサオカ 154
ラルフ・メイベリー 156
ラルフ・スメルツァー 157
六章 隣人を愛するということ 159
静かなヒーローたちへの感謝 160
フレンズこそ真の友 162
敵を愛した人たち 165
本当の敵とは誰のことか 169
己を知り相手を知る 171
汝の隣人を愛せ 174
脚注 178
あとがき 188
すべて見る
新着の本すべて見る
30日間で人気のまとめ記事





すべて見る
小説のまとめ記事





すべて見る
おすすめのまとめ記事





すべて見る
漫画のまとめ記事





すべて見る
趣味のまとめ記事




