『スポーツ心理学からみた体罰の防止と指導者・競技者育成 人間にとってスポーツとは何か。デュアルキャリアの視点から』は、スポーツ心理学の観点から、体罰防止と健全な指導・選手育成の重要性を論じた一冊である。著者は、スポーツを単なる競技や勝利の手段としてではなく、人間の成長や人格形成、社会性の育成の場として捉えている。デュアルキャリア(競技と学業・職業の両立)の視点も取り入れ、選手の心理的・社会的発達を支える指導法や環境作りの重要性を具体的に提示している。読者は、スポーツの教育的価値と人間形成への影響を改めて考えることができる内容である。
競技者・指導者への実態調査をもとに子どものスポーツ指導から暴力をなくすための方策を検討し、生涯にわたるキャリアを見据えた選手育成の環境整備を提案する。
第1章 日本のスポーツ指導者はどこに進むべきかーー指導者の暴力の観点から
はじめに
1 暴力を用いても競技成績を残せる不思議
2 三歩下がって師の影踏まず
3 喉元過ぎれば熱さを忘れる
4 石の上にも三年のスポーツ継続
5 スポーツ指導者に期待されることは何か
第2章 スポーツ指導者の暴力的行動
1 日本のスポーツ指導者
2 運動部指導者の暴力的行動の影響
1)指導者の暴力的行動と攻撃性
2)調査の方法
3)結果
4)考察
5)まとめ
3 保健体育科教員の体罰に対する認識
1)はじめに
2)調査結果
3)教員の意識の変容は可能か
4 本章のまとめ
[保健体育科教員への調査(第3節)で用いた質問項目]
第3章 暴力を用いない指導者育成教育
1 はじめに
2 調査の方法
1)体罰体験の実態調査
2)体罰禁止授業の効果測定
3 結果
1)体罰体験の実態
2)体罰禁止授業の効果測定
3)グループディスカッションとその影響
4 考察
第4章 エリート女性競技者のスポーツキャリア・ライフキャリア
はじめに
1 エリート女性競技者の心理的問題に関する調査分析
1)はじめに
2)方法
3)結果および考察
4)まとめ
2 一流女性競技者のスポーツキャリア
1)はじめに
2)ライフヒストリーに焦点を絞った面接
3)方法
4)インタビュー結果
5)対象者のパターンの分析
6)インタビュー調査から見えるスポーツ選手の生き方モデル
3 本章のまとめと体罰との関係
第5章 人間にとってのスポーツーースポーツにおけるデュアルキャリア
はじめに
1 スポーツトレーニングの早期開始に関する理論的検討ーードイツ、アメリカ合衆国、ロシア、日本のシステムから
1)はじめに
2)調査の方法
3)ドイツ、アメリカ合衆国、ロシアの考え方
4)日本の考え方と子どもへのスポーツ活動プログラム
5)考察と今後の展望
2 単一スポーツ種目継続のリスクについてーーデュアルキャリアモデルの視点から
1)はじめに
2)方法
3)デュアルキャリアの考え方
4)面接調査の結果
5)考察
3 子どものスポーツ活動と競技スポーツ選手の育成の理念
1)競技スポーツの視点だけでの子どもの囲い込み
2)競技スポーツへのやる気
3)早期教育の意味と限界
4)計画的専門トレーニングから計画的遊びへ
4 本章のまとめ
結 章 指導者の暴力の防止
はじめに
1 指導者の多角的な評価の実施
2 明確な人権教育を
3 子どもの発達の十分な理解
4 スポーツ指導者の資格と教育プログラム
1)アスリートファーストの考え方
2)罰則規定はどうあるべきか
5 暴力の芽を摘みとる
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