民俗学入門にピッタリの本10選

民俗学ってミステリアスな響きがあって面白そうですよね。でも、どこから手をつけていいのか分からない人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は民俗学に興味がある人たちにオススメの10冊をピックアップしました。全体を通して民俗学の基本的な考え方やその魅力を解説する入門編から、特定の地域や文化、伝承等に焦点を当てた本まで、その幅は広範囲に及びます。きっとあなたの興味を引く1冊が見つかるはずです!まずは好奇心を持って、手にとってみてくださいね。
『民俗学入門 (岩波新書)』

作者 | 菊地 暁 |
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価格 | 968円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2022年05月26日 |
『民俗学』

民俗学って何だ? 戦後の民俗学を発展させた泰斗による、決定的テキスト。
人々の日常への探究は、いかに始まり、どう展開し得るか。これを読めば全体像がわかる!
ハレとケ、山民/海民、カミとホトケ、ケガレ、女性と子ども……。
人々の営みを学として探究するための最重要事項を、初歩から核心まで明快平易に講義。
近世の萌芽から柳田国男、南方熊楠、折口信夫らに至る研究史をふまえ、
さらには都市の民俗などアクチュアルな学問としての可能性を展望する。
【本書より】
民俗学は二〇世紀後半、世界の文明民族の間で必然的に起こった学問である。イギリス、ドイツ、フランスなどヨーロッパ文明社会の知識人たちが、同じ民族の内部で、キリスト教以前の文化や、先住民族の遺習などに気づき、それらが辺境の地域社会に残存していることを研究対象にしてスタートさせた。日本においては、ほぼ同時期に、本居宣長や平田篤胤、菅江真澄などの国学者や知識人たちが、田舎の習慣に古代を求めたり、他界観、神観念についての考えを深めたりしており、さらに明治時代末に至り日本の近代化、工業化に対する批判の姿勢をもった柳田民俗学が出発したのであった。
各国の民俗学のあり方には、それぞれ特徴があり、一括することは難しい。しかし共通している点は、古習の残存をとらえるという観点ではなく、むしろ現代社会に現実に生きている民俗の意味を問うということであり、日本の民俗学にはそのための枠組みとして、「常民」や「ハレ・ケ」の概念が用意されたが、近年それだけでは不十分であることからつぎつぎと修正意見もだされてきている。民俗学は出発の時点においてまず都市化を経験しており、民俗が外在的にも内在的にも変容しつつあることを大きな前提としていた。民俗はつねに変化しているからこそ、変化の相のなかにプロトタイプや変化のプロセスを探ることが可能になっている。民俗の消滅は変化の仕方であり、そこに原則をとらえる必要があるだろうし、一方に民俗の再生、再生産、創造という認識もなされてくる。近代化・都市化に応じての民俗のあり方が現代民俗学にとって不可欠の視点となっているのが現状の認識といえるだろう。
【本書の内容】
1 民俗学の成立と発達
2 日本民俗学の先達たち
3 常民と常民性
4 ハレとケそしてケガレ
5 ムラとイエ
6 稲作と畑作
7 山民と海民
8 女性と子ども
9 老人の文化
10 交際と贈答
11 盆と正月
12 カミとヒト
13 妖怪と幽霊
14 仏教と民俗
15 都市の民俗
※本書の原本は、1990年に放送大学教材として刊行されました。
作者 | 宮田 登 |
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価格 | 1056円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2019年12月12日 |
『現代民俗学入門 : 身近な風習の秘密を解き明かす』

作者 | 島村,恭則,1967- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 創元社 |
発売日 | 2024年03月 |
『禁忌習俗事典 タブーの民俗学手帳』

「忌」は、外からはばかって近づかぬものと、内にあって警戒し忌でないすべてのものを排除しようとする両方に分かれ、かつ密接にからまりあっている。ここに、穢れと差別の根源がある。微々たる片いなかの事実を集積してその解明の手がかりとする“日本民俗学の前途の光”となった画期の書。不思議な習俗・風習・奇習事典。
作者 | 柳田 国男 |
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価格 | 990円 + 税 |
発売元 | 河出書房新社 |
発売日 | 2021年03月08日 |
『民俗学 フォークロア編』

フォーク(人々)あるところに
かならずロア(物語)あり
それを見聞きし、記し、読み解き
みずからの発見/表現とするには?
フォークロアとは、フォーク(人々、ある集団)と、ロア(伝統的な知識や物語)を合わせた造語である。今やレトロなことばとなったフォークロア。しかし、伝統をただ重んじるのではなく、過去からあるものに意味を見出し、今を豊かにしようというまなざしがその根底にある。なぜか懐かしくて理想的。ロマンチックだけど、ちょっぴり怖くて蠱惑的。そんなフォークロアを引き受けながら、みずからの表現を模索する旅に出よう。
[もくじ]
はじめに
[フォークロアの三つの顔]
ノスタルジア(郷愁)―フォークロアはなぜ懐かしいか
ファンタジー(幻想)―フォークロアはなぜちょっと怖いか
フォーク・カルチャー(民俗文化)―フォークロアからどう生活を理解するか
[わたしたちのなかのフォークロア]
人体模型に見る身体観
意匠の日本らしさ・地域らしさ
自文化を探求し実践する
生活を取り巻く道具ともの
怪異とフォークロアの文学
大災害を伝承する文学
概念をかたちにすることばと造形
[これからの時代のフォークロア]
フォークロアはものに宿る
誰にも開かれた問いと表現
あとがき
各章を深める一冊
各節の関連論文
作者 | 加藤幸治/著 |
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価格 | 1600円 + 税 |
発売元 | 武蔵野美術大学出版局 |
発売日 | 2022年09月22日 |
『ネット怪談の民俗学 (ハヤカワ新書)』

作者 | 廣田 龍平 |
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価格 | 1148円 + 税 |
発売元 | 早川書房 |
発売日 | 2024年10月23日 |
『[復刻版] 神道と民俗学(GHQ焚書書籍)』
![[復刻版] 神道と民俗学(GHQ焚書書籍)の表紙](https://m.media-amazon.com/images/I/51zdemox+hL._SL500_.jpg)
作者 | 柳田國男 |
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価格 | 2728円 + 税 |
発売元 | ダイレクト出版 |
発売日 |
『現代民俗学入門』

本書は、若い世代の感覚で、民俗学がおかれた現状を把握し、新しい構想のもとに、今後のあるべき姿を展望する。また、現在にいたる民俗学の成果を意識しながら、問題意識の多様化に対応するため従来取り上げられなかったテーマを開拓し、社会的要請に応える「発言する民俗学」を提示する。
作者 | 佐野賢治 |
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価格 | 2750円 + 税 |
発売元 | 吉川弘文館 |
発売日 | 1996年03月 |
『クィアの民俗学 LGBTの日常をみつめる』

「奇妙な」「風変わりな」といった意味をもつクィア(Queer)。性的マイノリティたちが、自分たちを指し示す言葉として用いてきた。
民俗学の視点で、LGBTと呼ばれる人びとの日常的な営みを捉える七つの論考集。
◇第一部 民俗学史からクィアを考える
第一章 日本民俗学クィア研究史(辻本侑生)
第二章 南方熊楠と岩田準一の「男色談義」(辻 晶子)
コラム1 『異態習俗考』--クィア民俗学の古典(島村恭則)
◇第二部 「いま・ここ」からクィアを見通す
第三章 大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践(三上真央)
第四章 ゲイバレーボールチームの現代民俗学(辻本侑生)
第五章 長崎のマダムナンシー(大田由紀)
◇第三部 クィア民俗学の展開
第六章 性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか?(辻本侑生)
第七章 異類/婚姻/境界/類縁(廣田龍平)
コラム2 ディープ・フォークロアとクィア・アート(島村恭則)
◇第一部 民俗学史からクィアを考える
第一章 日本民俗学クィア研究史(辻本侑生)
一 知られざるクィア研究の系譜
二 北野博美ー日本民俗学におけるクィア研究の先駆者
三 鹿児島「男色」研究史
四 「男巫女」研究史
五 クィアの現代民俗学に向けて
第二章 南方熊楠と岩田準一の「男色談義」(辻 晶子)
一 南方熊楠と岩田準一の性民俗研究
二 「男色談議」の研究史
三 男色研究の発表媒体
四 民俗学と男色研究
五 「男色談議」のその後
コラム1 『異態習俗考』--クィア民俗学の古典(島村恭則)
◇第二部 「いま・ここ」からクィアを見通す
第三章 大阪「LGBTの駆け込み寺」の実践(三上真央)
一 性善寺と調査者(私)の関係
二 性善寺に集う人々
三 セクシュアリティを見つめる場
第四章 ゲイバレーボールチームの現代民俗学(辻本侑生)
一 性的マイノリティとスポーツサークル
二 スポーツサークルと民俗学
三 雑誌『薔薇族』にみるスポーツサークル
四 スポーツサークルから捉えるゲイコミュニティ
第五章 長崎のマダムナンシー(大田由紀)
一 マダム南支
二 華僑二世として長崎で生きる
三 落地生根
◇第三部 クィア民俗学の展開
第六章 性的マイノリティは差別を「笑い話」に変えるのか?(辻本侑生)
一 差別と笑い話
二 ハッシュタグと社会変革
三 事例分析
四 インターネット空間の多声性
第七章 異類/婚姻/境界/類縁(廣田龍平)
一 MCUのロキ、北欧神話のロキ
二 異類婚姻譚の概念をクィアにする
三 民間説話のクィア・リーディングによってできること
コラム2 ディープ・フォークロアとクィア・アート(島村恭則)
作者 | 辻本 侑生/島村 恭則/廣田 龍平/三上 真央/大田 由紀/辻 晶子 |
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価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 実生社 |
発売日 | 2023年10月25日 |
『魔除けの民俗学 : 家・道具・災害の俗信』

作者 | 常光,徹,1948- |
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価格 | 不明 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2019年07月 |
今回ご紹介した10冊は、皆さんにとって新たな視点を提供してくれることでしょう。これらの本は、私たちが日々生活している中で見過ごしてしまう、民俗文化やそこに込められた意味を読み解き、理解する手助けをしてくれます。民俗学は、私たちの身の回りの事象を深く掘り下げて、その背景にある文化や歴史、人々の思考を解き明かす学問ですので、既知のフィールドからは見えない視点を探求する点で非常に魅力的であり、豊かな視野を持つことができます。
また、ただ単に学問を学ぶという以上に、これらの本を読むことで何かを感じ、自分なりの解釈をする楽しさがあるのではないでしょうか。自分だけの視点で世界を見る力を育てることこそが、読書の一番の魅力ではないでしょうか。そして、それは同時にあなた自身の深層心理を探るきっかけにもなります。
話を戻しましょう、民俗学は一見難しそうに見えますが、そんなことはありません。私たちの生活、歴史、文化の全てがテーマで、誰もが興味を持つことができるのです。そしてその興味が、知識として頭の中に留まるだけでなく、行動や生活に新たな変化を与える可能性も秘めています。あなた自身のルーツやアイデンティティーを見つめ直すきっかけになるかもしれません。
そして最後に、重要なことを伝えておきます。あなたが読みたいと思った、興味を持った本を選んでください。それが一番の学びとなります。心から興味を持ったテーマについて学ぶとき、そこから得た知識や教訓はあなた自身の一部となり、思考を豊かにしてくれることでしょう。以上が、私が皆さんにお伝えしたかったことです。これから民俗学の奥深い世界が、あなたの生活を豊かに彩ることを心より祈っています。どうぞ、楽しい読書ライフを!
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