日常が詩になる。現代短歌7選で見つける、新しい視点
あの何気ない日常を、想像以上に美しく切り取る現代短歌。そんな魅力あふれる7選を紹介します。探してみれば、思わぬ感動に出合えるかもしれません。通勤電車の窓から見える風景が、短歌になれば新たな魅力に変わります。また、季節を感じさせる一言も、心に深く響くでしょう。料理をつくる手間隙や、蚊が飛んでいく音まで、全てが詩として昇華されます。忙しいあなたを、ゆったりとした世界に誘います。こうした短歌たちは、誰もが見落としがちな日常の一コマを美しく描き出します。
『歌集 滑走路』
歌集としては異例のベストセラー。そして、映画化も!
文庫版特別解説:又吉直樹
いじめ、非正規雇用、恋……逆境に負けず生きる希望を歌い続けた
歌人・萩原慎一郎が遺した唯一の歌集がついに文庫化。
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NHKニュースウオッチ9で「“非正規”歌人が残したもの」として紹介され、大反響。
10月16日放送、NHK「クローズアップ現代+」で特集、又吉直樹氏により大絶賛。
11月3日「朝日新聞」「売れてる本」、「日経新聞」書評欄「ベストセラーの裏側」掲載
11月20日「毎日新聞」特集ワイド掲載。
紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス!2019」、第8位。
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作者 | 萩原 慎一郎 |
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価格 | 682円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2020年09月24日 |
『キリンの子 鳥居歌集』
美しい花は、泥の中に咲く。目の前での母の自殺、児童養護施設での虐待、小学校中退、ホームレス生活ー拾った新聞で字を覚え、短歌に出会って人生に居場所を見いだせた天涯孤独のセーラー服歌人・鳥居の初歌集。
作者 | 鳥居 |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | KADOKAWA |
発売日 | 2016年02月 |
『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』
昨日もトホホ、今日もトホホ。憂鬱だらけの毎日も、短歌に詠めば何かが変わる!「あの数ある自転車の中でただ1台倒れているのがそう僕のです」「さっきまで順調だったレジの列 急にもたつきだす僕の前」「ものすごい数のハトが集まっているおじさんに人は集まらない」他、105首の短歌とエッセイで綴る、ほろ苦さとおかしみに満ちた愛すべき日々。
作者 | 岡本 雄矢 |
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価格 | 825円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2024年04月11日 |
『水に沈む羊 : 山田航第二歌集』
作者 | 山田,航,1983- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 港の人 |
発売日 | 2016年02月 |
『メタリック 歌集』
社会への怒りと苦悩、希望と諦念、歓び、割り切れない思いー。ありのままの裸の姿をつむぐ、心に突き刺さる370の歌。短歌研究新人賞を受賞し、衝撃デビューをはたした最注目歌人の第一歌集。
作者 | 小佐野彈 |
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価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 短歌研究社 |
発売日 | 2018年05月 |
『乱反射』
何ひとつ知りすぎたことないままにわれは二十歳になってしまいぬ
現代短歌新人賞と駿河梅花文学賞をW受賞し、映画化もされた小島なおの第一歌集が新装復刊。
【収録歌より】
こころとは脳の内部にあるという倫理の先生の目の奥の空
もう二度とこんなに多くのダンボールを切ることはない最後の文化祭
講堂で賛美歌うたう友達のピアスの穴を後ろから見る
噴水に乱反射する光あり性愛をまだ知らないわたし
なにもないこともないけどなにもない或る水彩画のような一日
作者 | 小島なお/著 |
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価格 | 1400円 + 税 |
発売元 | 書肆侃侃房 |
発売日 | 2023年04月29日 |
『悪友』
第二回笹井宏之賞大賞受賞!
「一首一首が頑なに手放そうとしない純粋な心のきらめきのようなものを、とても得難いものだと感じた。(……)奇跡が、この歌集のなかでは何度も起こっている気がする」(大森静佳)
「普遍への眼差しを一貫して保った、厳しさと勇気にあふれた歌集だと思う」(染野太朗)
「一冊を読むと、世の中から半分ずれてちょっと格好良くやっている「僕」たちのよるべない魂が感じられる。応援しよう。遠くからだけど」(永井祐)
「どうか勝手に縛られて落ち着かないで、ゆらゆらと濡れて乾いていく作者の息遣いを聞いてみてほしい」(野口あや子)
「作中の彼らは、自分らだけで伝達しあえる符丁で、まじないのように精神を共有しあう。それを作者は連作の題に据え、連作内ではその説明をしなかった。そのすべての言葉の取り扱いに対し、僕は信を置く」(長嶋有)
【歌集より5首】
ことばから補助輪が外されてなお漕ぎ出した日のことを言うから
雪の染みた靴から君が伸びている そんな顔で笑うやつがあるか
散るときがいちばん嬉しそうだった、そしてゆったり羽織るパーカー
立ちながら靴を履くときやや泳ぐその手のいっときの岸になる
スノードームに雪を降らせてその奥のあなたが話すあなたの故郷
【栞】
対岸へのひたむきさ 大森静佳
映画のように 染野太朗
座り直して季節は過ぎる 永井祐
孔雀と螺子 野口あや子
サードランナーはいない 長嶋有
作者 | 榊原紘/著 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 書肆侃侃房 |
発売日 | 2020年08月06日 |
皆さん、一度でいいから「日常が詩になる」体験をしてみてください。心の中を一掃してしまうような気持ちの良い清々しさがこみ上げてきます。あたかも、晴れ間が見えた雨上がりの空を見上げて、虹を見つけたような気持ち。それが、これらの短歌を通じて感じられる感覚です。
現代の短歌は、私たちの真隣にある日常をえぐり出す鮮やかさがあります。どこかで耳にした一言、風に舞う花弁、隣の席で何気なく開かれるお弁当の蓋…それらは、私たちの表面上の何気ない日常の一部かもしれませんが、それぞれが独自の物語を持つパズルのピースなのです。
もしかしたら、それらを眺めていると、自分が見過ごしていた日常の喜びを再発見できるかもしれません。そう、そのくらい現代短歌は、私たちの目の前にある日常を新鮮な視点で捉え直す力があります。
そして、それらの短歌が彩り豊かな感情の色彩を引き立ててくれることでしょう。感動もかみしめつつ、小さな驚きや発見を楽しみ、新しい視点で世界を見てみるのはいかがでしょう。
一短歌という小さい空間に大きな感動を詰め込む。この魔法を体験してみてはいかがでしょうか。私たちの何気ない日常が、一瞬にして詩として昇華するその瞬間、きっと新鮮な生活の喜びを再確認できるはずです。
以上、現代短歌から見つけ出す、日常の新しい視点について紹介させていただきました。興味を持たれた方はぜひ、現代短歌の中に息づく日常の詩に触れてみてくださいね。自分の世界がほんの少しだけ、でも確実に広がっていく感触を、きっと味わえることでしょう。
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