上原善広の本
最初は何もない世界から、徐々に彼の世界観が形作られる。それが上原善広作品の魅力の一つです。普通の日常が少しずつ歪んでいき、何が真実で何が嘘なのか分からなくなる。彼の描くキャラクターたちは、とてもリアルで、自分の身近にいそうな人々。ですが彼らの選択や行動は読者を度々驚かせます。抽象的ながらも深遠なテーマは、読者を深く考えさせ、心に残ること間違いなし。彼の作品は一度読んだだけでは十分に味わい尽くせません。繰り返し読むことで新たな発見があり、深みを増すのです。それが上原善広の作品の素晴らしさ。ぜひ、読んでみてください。
『一投に賭ける 溝口和洋、最後の無頼派アスリート』
ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞作！
大宅賞受賞作家の上原善広が18年間をかけて聞き取りを続けた、まさにライフワークと言える作品。
18年以上の関係から紡がれる、ノンフィクションとしては異例の一人称文体。
「全身やり投げ男」。
1989年、当時の世界記録からたった6センチ足らずの87メートル60を投げ、その後はWGP(世界グランプリ)シリーズを日本人で初めて転戦し、総合2位となった不世出のアスリート・溝口和洋。
■中学時代は将棋部。
■高校のインターハイではアフロパーマで出場。
■いつもタバコをふかし、酒も毎晩ボトル一本は軽い。
■朝方まで女を抱いた後、日本選手権に出て優勝。
■幻の世界新を投げたことがある。
■陸上投擲界で初めて、全国テレビCMに出演。
■根っからのマスコミ嫌いで、気に入らない新聞記者をグラウンドで見つけると追いまわして袋叩きにしたことがある。
無頼な伝説にも事欠かず、まさに陸上界のスターであった。
しかし、人気も体力も絶頂期にあり、来季のさらなる活躍を期待されていたにもかかわらず、90年からはパタッと国内外の試合に出なくなり、伝説だけが残った……。
その男の真実が、25年以上の歳月を経て、明らかとなる。
プロとは? アスリートとは? 天才と秀才の差とは? 日本人選手が海外選手に勝つための方法とは?
陸上界を貫き、競技を変えた漢を18年以上の歳月をかけて追った執念の取材！！
泥臭い一人の漢の生き様から、スポーツ界が、社会が、昭和と平成の歴史が彩られていく。
【目次】
プロローグ
第一章 発端
第二章 確立
第三章 挫折
第四章 復活
第五章 参戦
第六章 引退
エピローグ
著者あとがき
文庫版著者あとがき
解説
プロローグ
第一章 発端
第二章 確立
第三章 挫折
第四章 復活
第五章 参戦
第六章 引退
エピローグ
著者あとがき
文庫版著者あとがき
解説
| 作者 | 上原 善広 |
|---|---|
| 価格 | 924円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2020年04月24日 |
『被差別の食卓』
| 作者 | 上原,善広,1973- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2005年06月 |
『異形の日本人』
虐げられても、貧しくとも、偏見に屈せず、たくましく生きた人たちがいた。哀しい宿命のターザン姉妹、解放同盟に徹底的に弾圧された漫画家、パチプロで生活しながら唯我独尊を貫く元日本代表のアスリート、難病を患いながらもワイセツ裁判を闘った女性、媚態と過激な技で勝負する孤独なストリッパー…社会はなぜ彼らを排除したがるのか？マスメディアが伝えようとしない日本人の生涯を、大宅賞作家が鮮烈に描く。
| 作者 | 上原 善広 |
|---|---|
| 価格 | 792円 + 税 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2010年09月17日 |
『私家版差別語辞典』
| 作者 | 上原,善広,1973- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2011年05月 |
『被差別のグルメ』
| 作者 | 上原,善広,1973- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2015年10月 |
上原善広先生の作品は、他にはない繊細なストーリーテリングと、鋭い人間観察が魅力です。どんなに普遍的なテーマであっても、常に新鮮な視点で物語を展開し、読者を飽きさせません。登場人物たちはまるで生きているかのようにリアルで、彼らの喜怒哀楽を通して、自分自身の感情にも気付かされることがあります。
特に人間関係の描写には圧倒的なリアリティがあり、侮れない洞察力を感じます。彼の作品を通した時代の風俗や背景も緻密に描かれており、まるでその時代を生きているかのような感覚に陥ったことも何度かあります。それは時代劇のような迫力と深みがあるのです。
また、上原善広先生の作品は、まさに物語の醍醐味である‘‘共感’’を引き出す才能に長けています。一見平凡で取るに足らない日常からも、深い感動や爽快感を見つけ出してくれ、我々が忘れてしまった大切な何かを思い出させてくれます。
もちろん、これらは一部の特徴でしかありません。上原善広先生の作品の真骨頂は、やはり一冊一冊を読みふける個々の読者が自ら感じ取るもの。それぞれの物語から何を感じ、何を学び、何を思うのかは、あなた次第です。だから、ぜひ一度、彼の世界に足を踏み入れてみてください。きっと何か新しい発見があるはずです。それが面白さを感じてもらうための最高の方法だと僕は思います。
この機会に、是非とも上原善広先生の魅力あふれる作品群に触れてみてください。言葉では伝えきれない世界が、あなたを待っています。
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