惜しまれて早逝。小川晴央のおすすめ小説4選
日本の文学界を代表する天才作家、小川晴央。その才能が急逝という悲劇で絶たれるまでの短い時間に、彼は多様なテーマを描き出しました。青春の純愛を甘酸っぱく見つめた一作目、大人の社会を皮肉混じりに描いた二作目。秀逸なのは、一転して深淵を覗き込むような重いテーマを描いた三作目。四作目では、生と死、愛と憎しみを緻密に紐解いています。世界に対するシビアさと優しさが共存する彼の作品は、私たちの心を揺さぶり、何度でも読み返したくなる魅力に溢れています。
『終わった恋、はじめました』
忘れられない初恋を捨てる旅に出た。
難病を抱えた彼女を捜す旅。
あの日の恋と謎の結末はーー。
暖かい涙こぼれる青春恋愛ミステリー。
「シュレディンガーの猫」は生と死が重なり合っているならば、俺の初恋はシュレディンガーの恋というべきだろう。意地を通し
会社を退職した俺に、妹から一年ぶりの電話。それは高校時代の恋人の小夜を捜そうという誘いだった。彼女の足跡を辿り妹と旅
に出た俺が出会う、切なく優しい恋と謎。旅の終着地で俺が目にする終わった恋の結末とは。心に希望が灯る青春恋愛ミステリー。
| 作者 | 小川 晴央 |
|---|---|
| 価格 | 759円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2019年11月22日 |
『僕が七不思議になったわけ』
石橋を叩いても渡らない心配症の高校生・中崎夕也は、夜の校庭で七不思議を司るという精霊テンコと出会う。七不思議の一つとなった少年の日々を綴った、思わずもう一度読み返したくなるミステリアスファンタジー。
| 作者 | 小川 晴央 |
|---|---|
| 価格 | 605円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2014年02月25日 |
『やり残した、さよならの宿題』
時を遡って紡がれる、あたたかくて切ない夏休みの物語。
小学生の青斗が住む海沿いの田舎町には、ひとつの伝説があった。それは土岐波神社にお願いすると、神様のトキコさまがやり直したい過去に"時渡り"させてくれるというもの。
両親の離婚によって、大好きなこの町を離れることになった少女・鈴。
そんな彼女のために最高の夏休みをプレゼントしようとする少年・青斗。
二人きりで過ごす最後の夏休み。神社で遊んでいた彼らの前に現れたのは、遠い所からやってきたという不思議な女性・一花だった。
ーーこれはそれぞれが胸に秘めたさよならの物語。
| 作者 | 小川 晴央 |
|---|---|
| 価格 | 671円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2016年09月24日 |
『君の色に耳をすまして』
声の色が見える僕は、透明な君に恋をした。
『僕が七不思議になったわけ』の著者最新作!
芸大に通う杉野誠一は“声の色”で見たくもない人の感情や嘘が見えてしまうことに悩まされていた。そんな彼がキャンパスで出会ったのは声を失った透明な女の子。
『川澄真冬』と書かれたメモ帳で自己紹介をした彼女は、誠一の映像制作を手伝いたいと申し出た。不審がる誠一の前に、古ぼけたカセットが置かれる。そして、彼女は手伝う条件として、テープに録音された姉の歌を映像に入れて欲しいという。
声の色を気にせず話せる彼女に惹かれ、生まれて初めて心の色を知りたいと願う誠一。だけど、彼女の透明な色には秘密があってーー。
| 作者 | 小川 晴央 |
|---|---|
| 価格 | 627円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2015年08月25日 |
総じて、小川晴央さんの作品は一見複雑そうに思えて実は非常にシンプルな人間ドラマが描かれています。その登場人物たちは、読者が自分自身を投影しやすいような"ありふれた人々"でありながら、その中に独特な魅力を持っています。そしてその人物たちが絡み合うことで生まれるストーリーは、さまざまな人間性や生の問題を浮き彫りにしていきます。そして読み終わった時には、きっとあなたも登場人物たちの魂に触れたと感じることでしょう。
特に彼の作品は、そのリアリティあふれる描写やきめ細かな心の動き、豊かな感情表現が特徴的です。だからこそ、読者は作品の世界に引き込まれ、主人公たちの喜びや悲しみ、怒りや驚きを共有できるのです。
彼が遺した作品は数多くありますが、今回紹介した4つの作品はその中でも特に読み応えがあり、彼の才能を存分に味わうことができます。いずれも一度読んだだけでは理解しきれない深みがあるので、何度も読み返して感じ取る点が違うかもしれません。
一方で、彼の作品はどこか暖かくも慈しみに満ちています。だからこそ、読んでいる最中はどこか懐かしさを感じるかもしれません。その懐かしさはあなた自身の心の中にあるものを、あなたが忘れていた何かを思い出させてくれるかもしれません。
小川晴央さんの作品に触れることは、読書の喜びを再確認することでもあります。ぜひ、その才能と人間観に触れてみてください。彼の作品があなたにとっても新たな発見となり、そして心に深く残るものになることを願っています。
惜しまれつつも早逝した彼の、人間愛に満ちた作品群を堪能し、その生きざまを感じる時間を過ごすことが、読者の私たちにできる最大の敬意ではないでしょうか。たくさんの人々に彼の作品を通じて、その深い人間観や美しい言葉遣いを知ってほしいと思います。
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