仕事と恋の温度がちょうどいい 窪美澄の名作6選
窪美澄さんの作品は、仕事と恋、そして日常生活の温度感がちょうどいいんです。彼女が描くキャラクターたちは、どこにでもいそうな平凡な人々。しかしそれぞれが持つ感情や決断は、読者の心に深く響くものばかり。これまでにリリースされた数々の名作の中から、特におすすめの6作をピックアップしました。それぞれが異なるテーマを扱いながら、窪さんならではの繊細な筆致で描かれました。彼女の作品は、普段何気なく過ごしている日常を再評価するための良いきっかけになるでしょう。様々な人生観や価値観が交錯する彼女の世界に、きっとあなたも没頭できるはずです。
『給水塔から見た虹は』
あなたと私は違う。だから、一緒にいようーー。
『ふがいない僕は空を見た』『夜に星を放つ』の著者が、今を生きる人々に贈る感動作。
【各界からの反響続々!】
なんて誠実な小説なのだろう。今、この時代に、この本と出会えてよかった。--武田綾乃 (作家)
白か黒かでしか断じない、この時代に絶対に有効な“あわい”の物語。--早見和真 (作家)
何度も胸が潰されそうに痛かった。彼らの日々に、どうか幾重にも虹がかかりますように。--町田そのこ (作家)
その人の涙のわけを知らない。分からない。けど私たちは何かを思うことが出来るから見つめながら目を逸らさずに、あなたの話を聞きたい。--山本奈衣瑠 (俳優)
【あらすじ】
中学2年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。
郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。
家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。
そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。
「この団地から出て、遠くに行きたい」と。
はじめてできた友達、母とのすれ違いーー。
桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。
【著者略歴】
窪 美澄 (くぼ・みすみ)
1965年東京都生まれ。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞。受賞作を収録した『ふがいない僕は空を見た』が、本の雑誌が選ぶ2010年度ベスト10第1位、2011年本屋大賞第2位に選ばれる。また同年、同書で山本周五郎賞を受賞。12年『晴天の迷いクジラ』で山田風太郎賞、19年『トリニティ』で織田作之助賞、22年『夜に星を放つ』で直木三十五賞を受賞。他の著書に『夏日狂想』『タイム・オブ・デス、デート・オブ・バース』『夜空に浮かぶ欠けた月たち』『ルミネッセンス』『ぼくは青くて透明で』などがある。
| 作者 | 窪 美澄 |
|---|---|
| 価格 | 2090円 + 税 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 | 2025年07月04日 |
『宙色のハレルヤ』
「好きだ」と言ってくれる男性と結婚するも、少しずつすれ違っていく心に気づかないふりをして生活を続けようとする「私」に、海辺の別荘で出会った隣人の画家を忘れられない「私」……。
恋に落ち、人を愛することに決まったかたちなどない。
目の前の気持ちに、ただ必死に追いつこうとする人々の姿を描いた6編の短編を収録。
一筋縄ではいかない、珠玉の恋愛小説集。
◆◇あらすじ◆◇
夫を亡くし、10年間の結婚生活に終止符が打たれた恵美は、夫の残した別荘に暮らしている。心は悲しくもせつなくもないけれど、思い出すと目から自動的に涙が零れる。
自分が、女を好きなわけがない。そう納得させたくてした結婚だった。
ある日、隣に画家の女性が越してきた。絹香と名乗る彼女と行き来するうち、恵美は自分の胸の奥の痛みに気づく。絹香もまた、怒ったように言う。
「恵美さん、旦那さんという人がいた人だったんだ」(「海鳴り遠くに」)
高校を休みがちになった僕の家へ、夏休みの間だけはとこの桃子さんがやって来ることになった。両親の離婚により始まった母との2人暮らしにも慣れ、告白されて彼女もでき、〈幸福が加速している!〉はずだったのに……。(「風は西から」)
自分は「普通」ではない。だから木に化ける蛾のように擬態を続け、「普通」の人間なのだ、と思い込もうとした。
そうして70手前になった学校清掃員の老人はある夏、昔想いを寄せた友人によく似た少年に出会う。「男女(おとこおんな)」と呼ばれいじめられていた彼と関わるうち、自宅に招き食事をともにするようになる。だが、2人のひと夏の終わりはすぐそこまで来ていたーー。(「赤くて冷たいゼリーのように」)
--直木賞受賞作『夜に星を放つ』を超える感動をもたらす全6編
読み終えた後、「いろいろあるけど、こんな人生も悪くないな」と顔を上げられる、至極の短編集です。
海鳴り遠くに
風は西から
パスピエ
赤くて冷たいゼリーのように
天鵞絨のパライゾ
雪が踊っている
| 作者 | 窪 美澄 |
|---|---|
| 価格 | 1870円 + 税 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2025年10月08日 |
『あなたを奪うの。』
あなたを絶対手に入れる、どんなことをしてもー。許婚を待たなくてはならない女、恋人に過去を知られたくない女、小島と男を奪い合う女、愛人と夫との間で揺れ動く女、若くてきれいな男しか愛せない女…。略奪愛をテーマに、燃え上がりはじける愛のひと時を、5人の女性作家たちが紡いだ、におい立つようなめくるめく恋愛譚。
| 作者 | 彩瀬 まる/窪 美澄/千早 茜/花房 観音/宮木 あや子 |
|---|---|
| 価格 | 638円 + 税 |
| 発売元 | 河出書房新社 |
| 発売日 | 2017年03月07日 |
『私は女になりたい』
一人の男を好きになった。
自分にとって最後の恋になるだろう、という強い予感があった。
人として、女として、生きるために。
直木賞作家が描く「最後」の恋。本当の、恋愛小説。
「素直な感動に満たされた。窪さんがこんな小説を書くなんて」---唯川恵「解説」より
赤澤奈美は四十七歳、美容皮膚科医。
夫と別れ、一人息子を育て、老母の面倒をみながら、仕事一筋に生きてきた。
ふとしたことから、元患者で十四歳年下の業平公平と嵐に遭ったかのように恋に落ちる。
頑なに一人で生きてみせようとしてきた奈美の世界が、色鮮やかに変わってゆく。
直木賞作家、渾身の恋愛小説。
目次
序章 バイカウツギ
一章 アスチルベ
二章 アザレア
三章 オシロイバナ
四章 アネモネ
五章 ユーカリ
解説 唯川 恵
| 作者 | 窪 美澄 |
|---|---|
| 価格 | 737円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2023年04月14日 |
『たおやかに輪をえがいて』
| 作者 | 窪,美澄 |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 中央公論新社 |
| 発売日 | 2022年12月 |
『夜に星を放つ』
| 作者 | 窪,美澄 |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2022年05月 |
まとめられた6作品は、まさに窪美澄の世界を垣間見ることができる一方で、ゆったりとした読書の時間を提供してくれる素晴らしい作品だと思います。彼女の小説は繊細な筆致で描かれる日常の中に、それぞれの人間の感情や人間関係など社会組織の中で生きる人々のリアルな姿を見事に表現しております。
また、仕事と恋の問題を通して、私たちが時として忘れてしまいがちな大切な何かを思い出させてくれるのが窪美澄作品の特性でもあります。人間くさいキャラクターや描写、そして独特な世界観、どれをとっても十分に魅了されてしまうだけでなく、自身の日常生活に置き換えて考えることができる場面も散りばめられています。
窪美澄の作品が持つ普遍的なテーマは一人一人に対して異なる反応を引き出すでしょうし、それが結果として作品への深い共感を生むのです。それは恋愛であったり、仕事であったり、家族関係であったり、友情であったりと、幅広い層に訴えるメッセージが詰まっています。
言うまでもなく、彼女の作品はどれも一読の価値があります。もしまだ読んだことがない方は、ぜひ一度手に取ってみてください。きっとあなたの中に何かを灯してくれる作品に出会えるはずです。そしてすでに彼女の作品を愛してやまない方にとっては、再読の楽しさを味わっていただけることでしょう。
ライターの一人として、窪美澄作品を愛し、読者の皆様におすすめする喜びをかみしめております。 それでは、本日紹介した窪美澄作品の世界を皆様と共に再び楽しむ時間を心より楽しみにしております。お読みいただき誠にありがとうございました。
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