日常の解像度が高すぎる 朝倉かすみの名作6選

朝倉かすみはまさにそこに生活があって、その中に微細な感情が揺れ動く瞬間を見つけるのが得意な作家さんです。日常生活で何気なく過ごしている瞬間を、彼女の作品を通じて見直すと、そこには新たな発見や感動があふれています。
彼女の描くキャラクター達は、生活の中で感じるさまざまな感情を細やかに表現していて、読んでいると自分自身を見ているような感覚になります。そして、そのリアリティが物語を引き立て、一冊読み終えた後には、しみじみとした余韻が残ります。
この記事では、そんな彼女の中でも特に印象的な6作品をピックアップして紹介します。どれも日常に溢れる機微を描きつつ、細やかな情緒の動きを抉り出す名作ばかりです。一度手に取って、その世界観を肌で感じてみてください。
『よむよむかたる』
| 作者 | 朝倉,かすみ |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2024年09月 |
『平場の月』
「おまえ、あのとき、なに考えていたの?」
「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね。ちょっと」
朝霞、新座、志木ーー。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。須藤とは、病院の売店で再会した。中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。
50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れるーー。心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。
| 作者 | 朝倉かすみ |
|---|---|
| 価格 | 1760円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2018年12月14日 |
『にぎやかな落日』
独り暮らしのおもちさんは、持病が悪化し、入院することになった。東京に住んでいる娘と、近くに住んでいる嫁があれこれと世話をやいてくれる。夫が特養にに入ってからは、娘は一日二度、電話をしてくれているし、嫁のトモちゃんは、車で買い物に連れて行ってくれている。
人生最晩年のおもちさんの毎日の、愛嬌と不安、懐かしさともどかしさ。『平場の月』の作者が描く、誰かの助けと共にある生活の、寂しさが胸に迫る。
| 作者 | 朝倉かすみ |
|---|---|
| 価格 | 748円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2023年11月14日 |
『満潮』
大学生・茶谷は、結婚式場でのバイト中、美しい花嫁・眉子に一目惚れをした。彼女を分かってあげられるのは僕だけだからと、夫の会社に潜り込んで近づいていく。しかし、人を喜ばせることに依存して生きる眉子には、その過剰な自意識すら満たすべき対象となっていたーー。過去の記憶も呼び起こし、思いのすれ違いが生んだひずみは、--暴走を始める。
| 作者 | 朝倉かすみ |
|---|---|
| 価格 | 880円 + 税 |
| 発売元 | 光文社 |
| 発売日 | 2019年07月11日 |
『肝、焼ける』
31歳になった。遠距離恋愛中、年下の彼は何も言ってくれない。不安を募らせて、彼の住む町・稚内をこっそり訪れた真穂子は、地元の人たちの不思議なパワーを浴びて、なにやら気持ちが固まっていくーー。30代独身女性のキモ焼ける(じれったい)心情を、軽妙に描いた小説現代新人賞受賞作を含む、著者の原点、全5編。
吉川英治文学新人賞(『田村はまだか』)受賞作家の原点。31歳になった。遠距離恋愛中、年下の彼は何も言ってくれない。不安を募らせて、彼の住む町・稚内をこっそり訪れた真穂子は、地元の人たちの不思議なパワーを浴びて、なにやら気持ちが固まっていくーー。30代独身女性のキモ焼ける(じれったい)心情を、軽妙に描いた小説現代新人賞受賞作を含む、著者の原点、全5編。
| 作者 | 朝倉 かすみ |
|---|---|
| 価格 | 726円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2009年05月15日 |
『棺桶も花もいらない』
日雇い派遣、早期退職、天涯孤独、シングルマザー…
幸せかどうか分からないけど、生まれてきたから生きている
明日への諦念と今日への執念を抱える人々の生きざま
令和枯れすすき
ドトールにて
もう充分まじで
非常用持ち出し袋
みんな夢の中
| 作者 | 朝倉 かすみ |
|---|---|
| 価格 | 1870円 + 税 |
| 発売元 | U-NEXT |
| 発売日 | 2025年04月25日 |
それでは、以上が朝倉かすみの名作6選となります。一つ一つの作品がどれも素晴らしく、どの作品も人気が高いのがわかると思います。朝倉先生の作品の魅力を皆さんも再確認していただけたでしょうか。彼女の描くリアルな日常描写と、キャラクターたちの丁寧な心情描写が爽快に混ざり合い、文字を眺めているだけでまるで実際にその場面に身を置いているかのような臨場感を感じさせてくれます。
また、彼女が描く人間模様は、時に優しく、時に厳しく、読者を驚かせつつも心に深く響いてきます。それらが普通の日常の一部として織り込まれていますことで、大きなドラマが繰り広げられるだけでなく、どこにでもある小さな日常もまた、一つのドラマとして感じていただけるかと思います。
最後になりますが、読む人それぞれの感じ方、解釈の仕方があるのも文学の醍醐味であり、それが可能なのも、朝倉先生の生み出す作品世界が持っている深い底力からだと思います。ぜひとも時間を見つけて、朝倉先生の作品に触れてみてください。
朝倉先生の作品によって日常が新たな色に見えるかもしれませんし、また新たな日常の発見があるかもしれません。そして、そのすぐ隣にある「非日常」を覗き見るかのような驚きを感じることができるでしょう。それが朝倉先生の作品の持つ魅力なのです。
時間を忘れて、日常から一歩引いた世界を楽しめる。そんな体験が皆様を待っています。読書の時間が少しでも楽しくなることを願って、この記事を締めくくりたいと思います。ますますの読書ライフをお楽しみください。
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