『ヘーゲル読解入門(上) ― 『精神現象学』を読む』は、コジェーヴのヘーゲル解釈をもとに、上妻精氏・今野雅方氏が翻訳・解説した入門書である。本書は、ヘーゲルの難解な『精神現象学』を理解するためのガイドとして、弁証法の構造や自己意識・理性の発展過程を平易に整理している。哲学初心者でも、コジェーヴの解釈を通じてヘーゲル思想の核心に触れやすく、精神の発展や自由の概念を体系的に学べるため、ヘーゲル哲学入門として非常に有用な一冊である。
人間の歴史は、〈欲望〉の歴史である。
1933年ーードイツでヒトラーが首相として就任した年ーーパリの高等研究院でアレクサンドル・コジェーヴによるヘーゲル講義がはじまった。本講義にはジョルジュ・バタイユ、ジャック・ラカン、ロジェ・カイヨワ、アンドレ・ブルトン、メルロ=ポンティなど、フランス哲学・文学の中心となる人物たちが多く参加している。
「歴史が何であるかを知るためには、この歴史を実現する人間が何であるかを知らねばならぬ」--コジェーヴは『精神現象学』を精読しながら、プラトンからヘーゲルへといたる哲学と、キリストからナポレオンへといたる歴史とを重ね、動物から人間がいかに生まれ、自然から歴史がどのように発生したかを辿っていく。
フランス現代思想を知る上で避けて通ることのできない記念碑的講義録を、訳者によるあらたなあとがきを加えて、Uブックスで待望の復刊。
【目次】
出版者の覚書
第一章 序に代えて
第二章 『精神現象学』の最初の六章の要約
──一九三七ー一九三八年度、最初の三回の講義の全記録
第三章 『精神現象学』第七章の一般的導入部の解釈
──一九三七ー一九三八年度、第四回及び第五回講義の全記録
第四章 一九三七ー一九三八年度講義要約
──高等研究院・宗教学科の一九三八ー一九三九年度年報からの抜粋
第五章 哲学と知恵
──一九三八ー一九三九年度、最初の二回の講義の全記録
第六章 永遠・時間・概念についての覚書
──一九三八ー一九三九年度、第六回講義より第八回講義までの全記録
第七章 『精神現象学』第八章第三部(結論)の解釈
──一九三八ー一九三九年度、第一二回講義の全記録
訳注
『ヘーゲル読解入門』へのあとがき
すべて見る
新着の本すべて見る
30日間で人気のまとめ記事





すべて見る
小説のまとめ記事





すべて見る
おすすめのまとめ記事





すべて見る
漫画のまとめ記事





すべて見る
趣味のまとめ記事




