野村進の本
野村進の作品は日々の喧騒から少し離れ、心地よい安堵感に包まれたいときに手に取るのにピッタリです。彼の描く人間の深淵と心情が、読者の内側に深く響くのを感じることでしょう。キャラクターの一人一人が鮮やかな個性を放ちつつも、どこか共感を覚えるリアルさを兼ね備えているから不思議です。笑ったり、涙したり、ときには考えさせられます。物語性はもちろん、心に刺さる台詞一つ一つに彼の鋭い洞察力とストーリーテリングの秀逸さが感じられます。心に残る作品を読みたい方には、野村進の世界観をぜひ体験してみてください。
『日本領サイパン島の一万日』
手近なリゾート地というイメージが定着しているサイパン島は、第一次世界大戦中からアメリカによる占領までの約三十年間、日本の統治下に置かれた。移民によって開墾され、「南洋の東京」として栄えたが、やがて戦禍に──。「楽園」を求めて南の島に渡った二つの家族を通して、日本領サイパン島の歴史をダイナミックに描く。〈解説〉池澤夏樹
〈目次〉
プロローグ
第1章 漂着
第2章 獣の島
第3章 南洋成金
第4章 南洋の東京
第5章 北ガラパン二丁目大通り
第6章 南村第一農場
第7章 海の生命線
第8章 軍島
第9章 戦禍
第10章 収容所
エピローグ
解説 池澤夏樹
| 作者 | 野村進 |
|---|---|
| 価格 | 1650円 + 税 |
| 発売元 | 中央公論新社 |
| 発売日 | 2025年07月23日 |
『調べる技術・書く技術』
テーマの選び方、資料収集法、取材の実際から原稿完成まで、丁寧に教える。これがプロの「知的生産術」だ! 第一線のジャーナリストは、いかに原稿を仕上げるか。テーマの選び方、資料収集法、取材のコツから推敲のポイントまで、具体的に教える。レポート執筆にも役立つヒントが満載の入門書。
テーマ選び、資料収集法、質問の作り方から、
インタビューの実際、原稿執筆のコツまで──
第一線のジャーナリストがすべて明かす
これがプロの「知的生産術」だ!
【目次】
第一章 テーマを決める
第二章 資料を集める
第三章 人に会う
第四章 話を聞く
第五章 原稿を書く
第六章 人物を書く
第七章 事件を書く
第八章 体験を書く
第1章 テーマを決める
テーマは書き尽くされているか/見慣れたテーマが“化学反応”を起こす
技術はあとからついてくる/テーマ決定のチェックポイント/とにかく動いてみる etc.
第2章 資料を集める
情報不足を避ける/情報収集の方法/袋ファイルのすすめ/自家製デスク
バックナンバーの探し方/単行本の読み方/図書館の利用法/活字以外の記録 etc.
第3章 人に会う
取材対象の選び方/取材依頼の作法/取材を断られたとき
質問項目/遠慮は禁物/取材道具/取材当日/電話取材、メール取材
第4章 話を聞く
取材のイメージ/(1)話の聞き方/(2)ノートのとり方/(3)人物・情景の見方
第3の眼をもつ/(4)インタビューのあとで/取材相手から信用されるには etc.
第5章 原稿を書く
原稿を書く前に/構成を決めてから書くか/ペン・シャープナー/チャート
書き出しに全神経を注ぐ/書き出しの名文/書き出してから/仲介者になる/推敲する etc.
第6章 人物を書く
基本は人物ノンフィクション/取材中の問題意識/構想の変化
心理描写のルール/シークエンシャル・インタビューの限界
第7章 事件を書く
未知の場所で取材開始/水先案内人を探す/「ハルナ」に辿り着くまで
水先案内人・知恵袋・キーパーソン/真空地帯
第8章 体験を書く
体験エッセイを例にして/下調べをやめた理由
自分でテーマを見つけるために/豊かになる
| 作者 | 野村 進 |
|---|---|
| 価格 | 990円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2008年04月18日 |
『丹波哲郎 見事な生涯』
「人間、死ぬとなぁ、魂がぐぅーっと浮き上がっていくんだよ。それで、どんどんどんどん上昇していく。ところが、天井でぶつかって、一度反転するんだ。すると、ベッドの上には自分の骸(むくろ)がある」
「やがて、かなたに小さな光が見えてくる。その光に向かって、どんどんどんどん走っていく。どんどんどんどん走っていく。でも、息切れしないんだ。なぜか? ……死んでるから」
大俳優・丹波哲郎は「霊界の宣伝マン」を自称し、映画撮影の合間には、西田敏行ら共演者をつかまえて「あの世」について語りつづけた。中年期以降、霊界研究に入れ込み、ついに『大霊界』という映画を制作するほど「死後の世界」に没頭した。
「死ぬってのはなぁ、隣町に引っ越していくようなことなんだ。死ぬことをいつも考えていないと、人間、ちゃんとした仕事はできないぞ。おまえも、いつでも死ぬ覚悟、死ぬ準備をしといたほうが、自分も楽だろう」--
丹波は1922年(大正11年)、都内の資産家の家に生まれ、中央大学に進んだ。同世代の多くが戦地に送られ、生死の極限に立たされているとき、奇跡的に前線への出征を逃れ、内地で終戦を迎える。
その理由は、激しい吃音だった。
終戦後、俳優を志した丹波は、舞台俳優を経て映画デビューし、さらに鬼才・深作欣二らと組んでテレビドラマに進出して大成功を収めた。
高度成長期の東京をジェームス・ボンドが縦横に駆け抜ける1967年の映画『007は二度死ぬ』で日本の秘密組織トップ「タイガー・タナカ」を演じ、「日本を代表する国際俳優」と目されるようになる。
テレビドラマ「キイハンター」、「Gメン’75」で土曜午後9時の「顔」となり、抜群の存在感で「太陽にほえろ!」の石原裕次郎のライバルと目された。
『日本沈没』『砂の器』『八甲田山』『人間革命』など大作映画にも主役級として次々出演し、出演者リストの最後に名前が登場する「留めのスター」と言われた。
その丹波が、なぜそれほど霊界と死後の世界に夢中になったのか。
数々の名作ノンフィクションを発表してきた筆者が、5年以上に及ぶ取材をかけてその秘密に挑む。
丹波哲郎が抱えた、誰にも言えない「闇」とはなんだったのか。
若かりし頃に書かれた熱烈な手紙の数々。
そして、終生背負った「原罪」--。
「死は待ち遠しい」と言いつづけ、「霊界」「あの世」の素晴らしさを説きつづけた大俳優の到達した境地を解き明かすことで、生きること、そして人生を閉じることについて洞察する、最上の評伝文学。
| 作者 | 野村 進 |
|---|---|
| 価格 | 2420円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2024年04月25日 |
『出雲世界紀行 : 生きているアジア、神々の祝祭』
| 作者 | 野村,進,1956- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2021年09月 |
『救急精神病棟』
緊急治療を要する精神病患者に24時間取り組む病院の真実! 日本初、救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する千葉県精神科医療センターを3年間にわたり密着取材。「精神科救急」と呼ばれる医療の現場をあますところなく精密に活写した。24時間態勢で最前線に立つ医師、看護師たちの闘いと苦悩と喜び、新薬の登場、そして精神科医療の大変革を描く渾身のノンフィクション。
日本初、救急の精神病患者を専門に受け入れ治療する千葉県精神科医療センターを3年間にわたり密着取材。
「精神科救急」と呼ばれる医療の現場をあますところなく精密に活写した。
24時間態勢で最前線に立つ医師、看護師たちの闘いと苦悩と喜び、新薬の登場、そして精神科医療の大変革を描く渾身のノンフィクション。
文庫版のためのまえがき
プロローグ
第一章 入院
第二章 回診
第三章 病棟
第四章 深夜勤
第五章 記憶喪失
第六章 神様
第七章 精神病と脳
第八章 生還者
第九章 通電療法
第十章 強迫
第十一章 精神科救急
第十二章 医療と司法
第十三章 看護士
第十四章 自殺
第十五章 家族
第十六章 昏迷
第十七章 薄明
エピローグ
あとがき
【対談】夏樹静子(作家)×野村 進
| 作者 | 野村 進 |
|---|---|
| 価格 | 921円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2010年01月15日 |
ここまで、筆者野村進の魅力とその作品群の一部を少々ご紹介いたしました。一貫して見られる野村氏の描き出す世界観は、読み手の心を深く揺さぶるものがありますね。彼の作品は登場人物たちの人間性を丁寧に描き出すものとなっており、一見すると取るに足らない日常の瑣末な出来事さえ、野村氏の手にかかれば深い意味を持つエピソードへと昇華されます。
それぞれの作品に散りばめられた哲学的な問いかけもまた、彼の作品が持つ大きな魅力のひとつでしょう。それは、人間とは何か、生きるとは何か、といった普遍的なテーマに深く切り込むものから、現代社会の問題への鋭い洞察に裏打ちされた社会問題への考察に至るまで多岐にわたります。仮想と現実が入り混じったような物語の中で、読む者自身の人生観や価値観についても振り返る良い機会を提供してくれるでしょう。
また、その筆力においても彼は一級品です。緻密な人間描写と高い文体センスが相まって、一行一行が読む者の心を捉え、物語の世界へ引き込んでいきます。また、手に取れば一気に読み終えてしまう程、彼のストーリーテリングの巧みさも見逃せません。
以上のような理由から、私は野村進の作品をおすすめ致します。小説も漫画も選り好みなく楽しめる方なら、まず間違いなく気に入るでしょう。また、思いがけない視点で物事を捉える彼の作風は、クリエイティブな発想を求める方々にも刺激を与えてくれることでしょう。
それじゃあ、次回は別の作者の作品をご紹介しましょう。それまで、ぜひ野村氏の作品に触れてみてくださいね。あなたがますます読書の世界に足を踏み入れるきっかけとなれば幸いです。
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