命の終わりについて考える小説5選
死というのはけして遠い事ではありません。刻々と時間は過ぎ、私たちはその真面目に差し迫った現実に直面します。そんな人生の終焉について、深く考えさせられる小説が5つあります。その一つは、老人が死に向かってゆっくりと進む様子を描いた感動作でしょう。また、ユーモラスだけど悲しみも包み込んだ一冊もあります。死後の世界を描いたもの、自ら命を絶つ決意をする主人公の葛藤を描いたもの、そして最後に、人生の終りを迎えたときに自分自身が何を感じ、思うのかについて考えさせる一作。それぞれに深いメッセージが込められています。
『いのちの停車場』
作者 | 南,杏子,1961- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2021年04月 |
『サイレント・ブレス 看取りのカルテ』
大学病院から、在宅で最期を迎える患者専門の訪問クリニックへの“左遷”を命じられた三十七歳の倫子は、慣れない在宅医療にとまどう。けれども、乳癌、筋ジストロフィー、膵臓癌などを患う、様々な患者の死に秘められた切なすぎる謎を通して、人生の最期の日々を穏やかに送れるよう手助けする医療の大切さに気づく。感涙の医療ミステリ。
作者 | 南杏 子 |
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価格 | 781円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2018年07月12日 |
『ナースの卯月に視えるもの』
完治の望めない人々が集う長期療養型病棟に勤める看護師・卯月咲笑。ある日、意識不明の男性のベッド脇に見知らぬ女の子の姿が。それは卯月だけに視える患者の「思い残し」だったー。彼らの心残りを解きほぐし、より良い看護を目指したいと奔走する日々が始まった。ナースが起こす小さな奇跡に心温まるお仕事ミステリー。創作大賞2023(note主催)「別冊文藝春秋賞」受賞作。
作者 | 秋谷 りんこ |
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価格 | 847円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2024年05月08日 |
『それでも私が、ホスピスナースを続ける理由。』
「ホスピスナース」とは、人生の最期を看とり、見送る人。淡々とした物語に心が震える実話ベースの短編集。
作者 | ラプレツィオーサ伸子 |
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価格 | 1210円 + 税 |
発売元 | Gakken |
発売日 | 2024年05月09日 |
『看取りの医者』
終末期医療の訪問医が見届けた感動実話全九話。数多くの「看取り」を続けてきた医師が問う「人にとって最もふさわしい最期の場所」とは!?真の家族愛を描き切り、単行本発売当初から話題となったあの感動作がついに文庫化。そしてテレビドラマ化も決定。著者は地方の開業医。開業医といっても、この医院は訪ねてくる患者さんはほとんどいない。なぜならこの医師は訪問専門の医者だからだ。患者には末期ガンや脳梗塞を患う人が多く、これまで何百人も患者の自宅で看取ってきた。その過程で、悩みながら、涙ぐみながらも知った、せつなくも感動的な家族のカタチ。
作者 | 平野 国美 |
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価格 | 607円 + 税 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2011年11月 |
あらためて、人の命がどのように終わりを迎えるのか、というテーマについて考えてみると、なんとも深遠で重たい問いが頭をよぎります。生きていく上で、自分自身の死を直視することは避けられない事実かもしれませんが、時にそれは恐怖でもあります。だからこそ、小説や漫画という形で、作家たちの視点からその問いが解き明かされるとき、読者は多くの救いや勇気を得ることができます。
今私が紹介させていただいた5作品は、それぞれ個々の視点から生と死の問いに向き合っています。主人公たちは違えど、本質的には同じ人間の命として、それぞれが自分の死に向き合う姿が描かれており、共感しながら読むことができます。
これらの作品が、誰もが避けて通れない命の最終局面について、どのように向き合うべきか、どのように生きるべきか、を考えるきっかけになってくれれば幸いです。ささいなことに思えるかもしれませんが、物語を通じて自分自身の命や他者の命を考えることは、心に深い輝きをもたらし、枯れることのない大きな花を咲かせてくれます。
そしてまた、物語を読むことは、生と死を直視することはもちろん、いつかくる終わりを受け入れることで人生を豊かに生きる力を与えてくれます。忘れてはならないのは、物語を通じて得た思考や感情が、現実の生活に役立つことです。あなた自身の人生が一冊の本であり、その終わり方もまたあなた自身で決めてゆくもの。これらの作品が、あなたが描く人生のストーリーに少しでも彩りを加え、より豊かな結末を迎える力になれば何よりです。
以上の5作品は、ただのエンターテイメント以上の価値を持つものです。見えない何かを見えるようにしてくれる力があります。それが作家の力であり、そこから得られる深い洞察は、私たちが生き抜くための貴重なヒントとなります。
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