ミステリの構造が美しい 米澤穂信の名作6選
米澤穂信の魅力は、それぞれ独自の世界観を持つ作品群の中に散りばめられた、「真相への答え」が提示されるまでの過程の美しさです。彼の描く登場人物たちの繊細な心理描写や巧妙な思考のやり取りは、一つ一つが謎解きの手がかりとなって物語を引き立てます。また、彼の作品に共通する青春の切なさや淡い恋心も、読者の心を引きつけます。それぞれの作品に個性がありながらも、一貫して美しいミステリの構造が描かれている米澤穂信の名作6選、ぜひご堪能ください。
『栞と嘘の季節』
ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ) 待望の続編!
直木賞受賞第一作
猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花はーー猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!
著者略歴
米澤穂信 (よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。『氷菓』をはじめとする〈古典部〉シリーズはアニメ化、漫画化、実写映画化され、ベストセラーに。
2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。2014年『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。2021年『黒牢城』で第12回山田風太郎賞を受賞、さらに2022年同作で第166回直木賞、第22回本格ミステリ大賞を受賞。2025年〈小市民〉シリーズで第10回吉川英治文庫賞を受賞。
『満願』と2015年刊行の『王とサーカス』はそれぞれ3つの年間ミステリランキングで1位に輝き、史上初の2年連続3冠を達成した。さらに『黒牢城』は史上初めて4つの年間ミステリランキングを制覇。
| 作者 | 米澤 穂信 |
|---|---|
| 価格 | 990円 + 税 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 | 2025年06月20日 |
『冬期限定ボンボンショコラ事件』
【特別書き下ろし作品】
高校生活の終わり。
小市民の時代の終わり。
小鳩君を轢き、密室状況から
消え失せた車はどこへ?
シリーズ最大の事件を描き
四部作掉尾を飾る冬の巻!
小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。冬の巻ついに刊行。
| 作者 | 米澤穂信 |
|---|---|
| 価格 | 880円 + 税 |
| 発売元 | 東京創元社 |
| 発売日 | 2024年04月30日 |
『黒牢城』
本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。このままでは城が落ちる。兵や民草の心に巣食う疑念を晴らすため、村重は土牢に捕らえた知将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めるがーー。
事件の裏には何が潜むのか。乱世を生きる果てに救いはあるか。城という巨大な密室で起きた四つの事件に対峙する、村重と官兵衛、二人の探偵の壮絶な推理戦が歴史を動かす。
序章 因
第一章 雪夜灯籠
第二章 花影手柄
第三章 遠雷念仏
第四章 落日孤影
終章 果
解説 マライ・メントライン
| 作者 | 米澤 穂信 |
|---|---|
| 価格 | 1056円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2024年06月13日 |
『春期限定いちごタルト事件』
小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、2人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く必要に駆られてしまう小鳩君は、果たしてあの小市民の星をつかみとることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語、文庫書き下ろし。解説=極楽トンボ
■目次
「羊の着ぐるみ」
「Your eyes only」
「おいしいココアの作り方」
「はらふくるるわざ」
「狐狼の心」
| 作者 | 米澤穂信 |
|---|---|
| 価格 | 660円 + 税 |
| 発売元 | 東京創元社 |
| 発売日 | 2004年12月 |
『満願』
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
| 作者 | 米澤 穂信 |
|---|---|
| 価格 | 825円 + 税 |
| 発売元 | 新潮社 |
| 発売日 | 2017年07月28日 |
『巴里マカロンの謎』
| 作者 | 米澤,穂信,1978- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 東京創元社 |
| 発売日 | 2020年01月 |
では、今回ご紹介した米澤穂信さんの作品、いかがでしたでしょうか。それぞれの物語は読み終えた時の感動が違い、一つ一つが宝石のように美しく輝いていると感じます。個性的で魅力的なキャラクターたちが織りなす物語、そしてそれを支えるミステリーの要素。それぞれに深く刻まれた謎が解けていく様子はまるでパズルを解いていくような感覚ですし、その過程で垣間見える人間の心理や絆、社会の在り方について考えさせられます。
ミステリ作品の面白さはその解き応えにありますが、米澤穂信さんの作品にはそれ以上のものがあります。それは、物語とキャラクターが私たち自身に問いかけているような、ひとつ頭を抱えて考えてしまうような深さです。それはミステリー小説の枠を超えた、純文学に近い感じさえあります。
読むたびに新たな発見があるからこそ、再読の価値があると言えるでしょう。そして、米澤穂信さんの作品は、一つ解けばまた新しい謎が待っているように、読者を惹きつけ続ける魅力を持っています。いつでも、どんな時でも、お気に入りの一冊を手にとってみると、新たな意味や発見があるかもしれませんよ。
この他にも多くの素晴らしい作品を生み出している米澤穂信さん。これからも彼の作品を追いかけていきたいと思いますし、皆さんにもぜひその魅力を味わっていただきたいと思います。それぞれの物語が、あなたの心に残る一冊となることを願っています。
今後もこのコーナーでは、さまざまな作家さんの作品をご紹介していきますので、楽しみにお待ちくださいね。それでは、次回お会いする日まで、素敵な読書時間を!この上ない時間の過ごし方の一つは、本と共に過ごすこと。あなたが次に手に取る作品が、どんな物語を描いているのか、私たちは期待に胸を膨らませています。
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