女が堕ちていく犯罪小説10選

女が堕ちていく犯罪小説の魅力って何でしょうね。まず、その不穏な空気感でしょうか。清楚で、普通の日常を営んでいる女性が一瞬にして犯罪の世界に足を踏み入れる様子は、驚くべきドラマを生むものです。規範から外れた行動、そしてその結果生じる罪悪感、リスクとの戦い。これらを緻密に描くことで、作品は我々読者に強烈な衝撃を与えます。それと同時に、自分が同じ状況に置かれたらどうするのか、と考えさせ、自己の人間性や倫理観についても問いかけてきますね。これら10選では、そんなイメージを具現化した各作品をピックアップ。興味を惹かれた方はぜひチェックしてみてください。
『グロテスク(上)』

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。ユリコの姉である“わたし”は二人を激しく憎み、陥れようとする。圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。
作者 | 桐野 夏生 |
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価格 | 792円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2006年09月05日 |
『嫌われ松子の一生 上』

作者 | 山田,宗樹,1965- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2004年08月 |
『絶叫』

マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。平凡な人生を送るはずが、無縁社会、ブラック企業、そしてより深い闇の世界へ……。辿り着いた先に待ち受ける予測不能の真実とは!? ミステリー、社会派サスペンス、エンタテインメント。小説の魅力を存分に注ぎ込み、さらなる高みに到達した衝撃作!
作者 | 葉真中顕 |
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価格 | 1012円 + 税 |
発売元 | 光文社 |
発売日 | 2017年03月09日 |
『黄色い家』

十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。
作者 | 川上未映子 |
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価格 | 2090円 + 税 |
発売元 | 中央公論新社 |
発売日 | 2023年02月20日 |
『紙の月』

ただ好きで、ただ会いたいだけだった。わかば銀行から契約社員・梅澤梨花(41歳)が1億円を横領した。正義感の強い彼女がなぜ?そしてー梨花が最後に見つけたものは?!第25回柴田錬三郎賞受賞作。
作者 | 角田光代 |
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価格 | 649円 + 税 |
発売元 | 角川春樹事務所 |
発売日 | 2014年09月 |
『モンスター』

誰もが魅了される絶世の美女・未帆。しかし彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。莫大な金額をかけて徹底的に整形し、変身を遂げたのは何のためか。『永遠の0』の著者、最大の問題作!
作者 | 百田 尚樹 |
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価格 | 869円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2012年04月 |
『殺人鬼フジコの衝動』

一家惨殺事件のただひとりの生き残りとして新たな人生を歩み始めた十一歳の少女。だが彼女の人生はいつしか狂い始めた。「人生は、薔薇色のお菓子のよう」。呟きながら、またひとり彼女は殺す。何がいたいけな少女を伝説の殺人鬼にしてしまったのか?精緻に織り上げられた謎のタペストリ。最後の一行を読んだ時、あなたは著者が仕掛けたたくらみに戦慄し、その哀しみに慟哭する…。
作者 | 真梨幸子 |
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価格 | 814円 + 税 |
発売元 | 徳間書店 |
発売日 | 2011年05月 |
『イノセント・デイズ』

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪により、彼女は死刑を宣告された。凶行の背景に何があったのか。産科医、義姉、中学時代の親友、元恋人の友人など彼女の人生に関わった人々の追想から浮かび上がるマスコミ報道の虚妄、そしてあまりにも哀しい真実。幼なじみの弁護士は再審を求めて奔走するが、彼女は……筆舌に尽くせぬ孤独を描き抜いた慟哭の長篇ミステリー。
作者 | 早見 和真 |
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価格 | 880円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2017年03月01日 |
『八日目の蝉』

作者 | 角田光代 |
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価格 | 649円 + 税 |
発売元 | 中央公論新社 |
発売日 | 2011年01月 |
『火車』

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消してーなぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
作者 | 宮部 みゆき |
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価格 | 1210円 + 税 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2012年11月 |
それでは皆さん、今回は女性が犯罪の道に踏み込んでいく様子を描いた小説10選をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。これらの作品は秀逸な物語展開と鮮やかな描写により、読者をサスペンスフルな世界に引き込みます。また、それぞれの作品の中心になる女性が、どんな状況に追い詰められ、どのような選択をし、そしてどう堕ちていくのか。その一方で、なぜ彼女たちはそこまで追い詰められるのか、その背景にある社会の厳しさや、人間関係の複雑さについても考えさせられます。
犯罪小説特有のスリルやサスペンスはもちろんのこと、女性たちの内面の描写や感情の変化も丁寧に描かれています。過酷な状況下で彼女たちが見せる勇気に感動するも良し、彼女たちが歩む道に恐怖を感じるも良し、読者それぞれが彼女たちと共に物語を進めていくことで、さまざまな感情を味わうことができます。
もちろん、彼女たちの行いが全てを正しいとは言えません。しかし、人間の心の闇や矛盾を通して、「正義」や「善悪」の相対性について考えるきっかけになるでしょう。それぞれの作品が持つ重厚なメッセージ性は、読後も頭から離れないことでしょう。
最後に、今回ご紹介した作品選びにあたっては、あくまで主観によるものであり、全ての作品が皆さんにとって「おすすめ」とは限らないことを、念の為ご理解いただきたく存じます。しかし、一冊でも興味を持っていただけたのであれば、それは大変光栄です。笑ったり、泣いたり、恐れたり、考えたり……小説は私たちにさまざまな感情を与えてくれます。今回の記事が皆さんの読書の一助となれば幸いです。
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