二・二六事件スペシャル【おすすめ10冊】

いよいよ二・二六事件の日が近づいてきましたね。歴史の闇を描いた作品を手に取るのに最適な期間です。そこで今回は、事件にまつわる緊張感を最大限に生かした小説から、当時の社会背景を丁寧に描いた漫画まで、様々なジャンルの作品を10冊選びました。それぞれに事件の深層を見つめ、そのエピソードを膨らませています。悲劇のヒーローたちの人間ドラマ、短い期間での怒涛の展開、背後にある権力の思惑等、紡がれるストーリーは必見です。二・二六事件に興味がある方だけでなく、人間ドラマや社会派作品が好きな方にもおすすめですよ!
『盗聴 二・二六事件』

昭和史最大の謎を載せた録音盤が回り始める。青年将校の叫び、名もなき兵士たちの苦悩、うごめく陸軍中枢…、七十年の時を越えて、いま甦る極限の人間ドラマ。
作者 | 中田 整一 |
---|---|
価格 | 1833円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2007年02月13日 |
『昭和期日本の構造 二・二六事件とその時代』

昭和期の戦前・戦中期の日本の政治・社会をその深部から解明するために、この時代を中心的に動かした軍部、とりわけ陸軍を構造的に分析。著者はまず日本ファシズム論についての素朴な疑問から出発、陸軍の中枢部でのエリート派閥抗争を概観し、また昭和陸軍の原型に迫る。さらに、近代日本史上最大のクーデターである二・二六事件を徹底的に考究。激動の昭和を歴史社会学的に考察した画期的論考。
作者 | 筒井清忠 |
---|---|
価格 | 1068円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 1996年06月10日 |
『二・二六事件の幻影 戦後大衆文化とファシズムへの欲望』

最大の「維新」運動にして、軍部による政治介入の契機となった二・二六事件。戦後それは、幾度となく映画や小説の題材となってきた。一体われわれは、二・二六事件の青年将校に何を求めたのか?「平成維新」が喧伝される今、「情熱」への陶酔を問い直す、渾身作。
作者 | 福間良明 |
---|---|
価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2013年03月21日 |
『二・二六事件蹶起将校 最後の手記 (文春文庫)』

作者 | 山本 又/保阪正康・解説 |
---|---|
価格 | 744円 + 税 |
発売元 | 文藝春秋 |
発売日 | 2015年09月25日 |
『置かれた場所で咲きなさい (幻冬舎文庫)』

作者 | 渡辺和子 |
---|---|
価格 | 403円 + 税 |
発売元 | 幻冬舎 |
発売日 | 2017年04月11日 |
『渡辺錠太郎伝 二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想』

渡辺和子の父はなぜ二・二六で殺されたのか
昭和11年2月26日未明ーー。
雪に覆われた東京・荻窪の渡辺邸で何があったのか?
「非戦平和」を訴え続けた「良識派」軍人の思想と生涯が、初めて明かされる。
ベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』などの著作で知られるシスター渡辺和子の父・錠太郎は、日本が戦争へと突き進む中で起きた史上最大のクーデター未遂事件「二・二六事件」で、陸軍軍人としてただ一人“襲撃目標”にされた人物だった。
戦争だけはしてはいけないーー。第一次大戦後のドイツなどを視察し、戦争の実相を知悉していた錠太郎は帰国後、戦争を避けることがいかに重要かを説いて回った。
「私は戦い破れたドイツ、オーストリーばかりでなく、勝った国のイギリス、フランス、ベルギー、オランダなどもつぶさに見て来たが、どこもかしこもみじめな有様であった。日本も世界の列強にならねばならぬが、しかし、どうでも戦争だけはしない覚悟が必要である。」(評伝『郷土の偉人 渡邉錠太郎』より)
無類の読書家でもあった錠太郎は、俸給の多くを「丸善」での軍事書などの支払いにあてていたという。
「非戦平和」を唱え続け、志半ばで凶弾に斃れた悲劇の軍事エリートは、なぜ同じ陸軍の兵士たちの手で殺されなくてはならなかったのか。残された娘は、父の死に何を学び、どう行動したのかーー。
第26回山本七平賞奨励賞を受賞した気鋭の歴史研究者による傑作評伝。
【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、デビュー作『多田駿伝 「日中和平」を模索し続けた陸軍大将の無念』(小学館)で、第26回山本七平賞奨励賞を受賞した歴史研究者・岩井秀一郎氏による新たな書き下ろし長編評伝です。
本書で紹介する渡辺大将もまた、多田大将と同様に、戦後日本人の多くが“忘れてしまった”軍人の一人と言えます。愛知・小牧の貧農の出身ながら、ほぼ独学で陸軍士官学校へと入り、恩賜の軍刀を受けたほどの秀才であり、俸給の大半を「丸善」での洋書の購入にあてていたという無類の読書家でもありました。
娘の渡辺和子さんの著作を通じて、その存在を知ったという読者も多いと思いますが、渡辺錠太郎という軍人が戦前の陸軍でどのような役割を果たし、なぜ歴史から消えていったのかを理解している方は少ないかと思われます。そんな軍人の素顔を、未公開を含む厖大な資料を駆使して説き明かしていきます。
ぜひ、ご一読いただければ幸いです。
作者 | 岩井 秀一郎 |
---|---|
価格 | 1980円 + 税 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2020年01月30日 |
『二・二六事件の謎 昭和クーデターの内側』

統帥権を干犯した賊を排し、陸軍を維新せしめるという志をいだきながら、なぜ青年将校たちは自ら統帥権を踏みにじる行動を起こしたのか。皇道派の中心人物、真崎甚三郎大将や首謀将校らと実際に面会、捜査にあたった一憲兵が、その背後に連なる思想、人物にまで言及し、かずかずの疑問をはらんだ事件を読み解く。
作者 | 大谷敬二郎 |
---|---|
価格 | 1047円 + 税 |
発売元 | 潮書房光人新社 |
発売日 | 2012年03月 |
『二・二六事件 引き裂かれた刻を越えて 青年将校・対馬勝雄と妹たま』

あの朝、一発の銃弾に引き裂かれた兄と妹は、80余年の時を越えて再会できたであろうか。
1936年に起きた二・二六事件の蹶起将校として死刑判決が下され、銃殺された津軽出身の青年将校・対馬勝雄。
「非公開、弁護士なし、一審のみ」で進められた裁判は事件から約4カ月後に結審、17人に死刑判決が下され、処刑はわずか7日後に行われた。
7月12日の処刑の朝、勝雄の妹たまは処刑が執行されたという報を受け、代々木に向かった。そこには三角のテント群の遺体安置所が設けられていた。
あの朝から80余年、たまは兄のことを決して忘れまいと、遺された日記や手紙、写真を整理し『邦刀遺文』と名づけた大部の遺稿集としてまとめ、同時に兄の生と死のすべてをノートに記し続けた。
「兄の真実を伝えたい」と願う執念が遺したその『記憶のノート』と『邦刀遺文』、青年将校の遺族たちの証言などをもとに、東北の貧しい農村に育った兄と妹にとって二・二六事件とは何であったのかを描くノンフィクション。
作者 | 寺島英弥 |
---|---|
価格 | 3080円 + 税 |
発売元 | ヘウレーカ |
発売日 | 2021年10月12日 |
『妻たちの二・二六事件 新装版 (中公文庫)』

作者 | 澤地久枝 |
---|---|
価格 | 862円 + 税 |
発売元 | 中央公論新社 |
発売日 | 2018年01月29日 |
『二・二六事件とその時代 昭和期日本の構造』

近代日本史上最大のクーデター二・二六事件はどのように計画され、どのように挫折していったのか。思想的指導者北一輝と青年将校はいかなる関係にあったのか。この昭和史最大の謎を、初めて本格的に解明する。さらに、この事件の背後にあった陸軍中枢部のエリートたちの派閥抗争史の内実を、綿密な考証によって明らかにしていく。また、丸山真男の「日本ファシズム」論の批判的検討を基点として、「平準化」を軸とした昭和前期の政治・社会を構造的に分析。昭和史や戦争責任の問題をその深部から考察するための必読書。
作者 | 筒井清忠 |
---|---|
価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2006年10月10日 |
今回ご紹介した10冠の作品、皆さんはいかがだったでしょうか。それぞれの作品が二・二六事件を違った角度から描いており、一方で敬意を持ってその現実を受け入れ、また一方で当時の社会背景や個々の人間の感情、思いを深く掘り下げています。かつて存在したこの歴史的な事件と、それに関連する人々の生きざま、彼らが目指した理想、そしてその結末。これら全てが複雑に絡み合い、時に冷静に、時に情熱的に描かれています。
学校の歴史の教科書では学べない、あるいは学べなかったこの事件を、小説や漫画という形式を通じて理解することは、我々が歷史と向き合うひとつの手段であり、きっと新たな視点や発見があるはずです。たとえそれが過去の出来事であっても、そこから学び取ることができる事実や教訓は、現在や未来に活かすことができます。
ただし、これらの作品一つ一つの描写やメッセージが真実であるわけではない点を忘れてはいけません。作家の視点や解釈、さらには創作の自由が加わっています。そこに作者のメッセージ性や、物語のドラマチックさが生まれるのです。
結局のところ、歴史とは「語られたもの」であり、「解釈されたもの」です。そこに絶対的な「正しさ」は存在しないということを念頭に置きながら、これらの作品を読み進めていただければ幸いです。自分自身で考え、自分自身で解釈する。そうすることで、歴史はあなたにとってより身近なものになり、また深い理解を促します。
以上、10冠の作品を通じて二・二六事件をなぞることにチャレンジしましたが、これが皆さんの歴史に対する興味や好奇心を一層深めるきっかけとなれば幸いです。ぜひ手に取って、ご自身でその世界を旅してみてください。
本サイトの記事はあくまで新しい書籍と出会う機会を創出する場であり情報の正確性を保証するものではございませんので、商品情報や各作品の詳細などは各自で十分に調査した上でご購入をお願いいたします。各通販サイトが提供するサービスは本サイトと関係ございませんので、各通販サイトは自己責任でご利用ください。