助走が長くて泣いちゃう……ただこの巻はとても大切な巻だった。登場人物にとっても、私たち読者にとっても。冬が似合う本だけど早く来いと春を待ち侘びてしまう。これが私の精一杯のネタバレなしの感想!!あとタカ子が好きです。
前作では、美世は甘水からの襲撃を受けたものの、清霞たちのおかげで一先ず再び平穏な日常へと戻ることができたところで終わりました。
今回は、年も明けて二人で初詣をするシーンからスタートします。
穏やかな二人を感じほっこりするのですが、やはり今回も甘水の手が二人に忍び寄っていきます…・・・
これが予想していた以上のことが起きるので、最後までハラハラしてしまいました!
今回、堯人の未来予知によって、美世は堯人の住まいで暮らすことに。
その中で、清霞に対する思いにも美世は向き合い始めていきます。
愛しているからこそ、その人に執着する継母や甘水を見ていた美世はどこか恋愛にも臆病。
ただ、初めて二人同じ布団に入り夜を過ごす場面があります!
少しだけ積極的に動く美世が見られます。
しかし、美世が清霞に思いを告げられるようになるのは、まだまだなのだとも感じる場面でした。
一方で、甘水の勢力は着実に美世に近づいており、読んでいく内に美世たちが再び日常に戻るのは難しいぞ……と感じてしまいました。
というのも、甘水たちは宮中の人間たちをも動かせるところまで力を伸ばしていたのです。
美世の夢にも甘水が現れ、穏やかな日々から遠ざかっていきます。
異能の力を持たない人にも見える異形の存在もあり、清霞たちも苦戦させられていきます。
苦戦する中で、再登場するのは飄々とした雰囲気の辰石一志。
いつかまた登場すると思っていましたが、今回キーマンとして登場しています。
また、ずっと美世を傍で支えていた従兄弟の薄刃新もキーマンです。
美世をいつまでも守ることができないと意味深に告げるシーンはかなり印象に残りました。
これまで美世を守ってきた新がどんな思いで日々過ごしていたのか…
読み終わった後、すごく考えさせられたので、一番の見どころかもしれません。