ふつうの地獄がいちばん怖い 小川洋子の名作6選

独特の世界観で読者を虜にする小川洋子の小説、その魅力を6作品から伝えますよ。彼女の作品は、すっと入り込んでそれが異次元だと気づく、そんな感覚に近いです。新鮮で、退屈しない。日常の中にひそむ異色さを探求し、ゆっくりと回り始めるストーリーは、何気ない日常が一体何なのかを問いかけます。恐怖を感じるのは怪物ではなく、日常そのもの。一見、誰もが経験する可能性のある極めて「普通」の状況が彼女の手にかかると「地獄」に変貌します。その鋭い眼差しの先にあるのは、誰もが抱える普遍的な孤独と戦慄。それが想像を超えた「ふつうの地獄」を生み出します。
『サイレントシンガー』
| 作者 | 小川/洋子(1962-) |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 文藝春秋 |
| 発売日 |
『遠慮深いうたた寝』
[内容紹介]
作家の日常が垣間見られる、10年ぶりの文庫エッセイ集!
どのエッセイも結局は
文学のない世界では生きられない
ことを告白しているーー小川洋子
日々の出来事、思い出、創作、手芸、ミュージカル……
温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く。
2012年から現在まで続く「神戸新聞」好評連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」を中心に、約10年間に発表されたエッセイの中から厳選し、「手芸と始球式」「物語の向こう側」「読書と本と」の4章で構成する珠玉のエッセイ集。
*美しい装幀も話題!
九谷焼による陶板画・上出惠悟/デザイン・名久井直子
単行本 第55回造本装幀コンクール・日本書籍出版協会理事長賞受賞。
著者より
「本書を編むことは、文学が自分の生活、人生をどれほど大事な部分で支えているか再認識する作業でもありました。題材はさまざま異なっていても、どのエッセイも結局は文学のない世界では生きられない、ということを告白しています。実際には味わえない体験、自分とは異なる誰か、この世にはいない死者、そういうものたちへの想像力が、現実の私の救いとなってくれているのです」(「あとがき」より)
| 作者 | 小川 洋子 |
|---|---|
| 価格 | 891円 + 税 |
| 発売元 | 河出書房新社 |
| 発売日 | 2025年02月06日 |
『そこに工場があるかぎり』
| 作者 | 小川洋子 |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 |
『耳に棲むもの』
耳の中に棲む私の最初の友だちは
涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。
補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。
あたたかく、ときに禍々しく、
静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。
オタワ映画祭VR部門最優秀賞・アヌシー映画祭公式出品
世界を席巻したVRアニメから生まれた「もう一つの物語」
「骨壺のカルテット」
補聴器のセールスマンだった父は、いつも古びたクッキー缶を持ち歩いていた。亡くなった父と親しかった耳鼻科の院長先生は、骨壺から4つの骨のかけらを取り出してこう言った。「お父さまの耳の中にあったものたちです。正確には、耳の中に棲んでいたものたち、と言えばよろしいでしょうか……」。
「耳たぶに触れる」
収穫祭の“早泣き競争”に出場した男は、思わず写真に撮りたくなる特別な耳をもっていた。補聴器が納まったトランクに、男は掘り出したダンゴムシの死骸を収める。
「今日は小鳥の日」
小鳥ブローチのサイズは、実物の三分の一でなければなりません。嘴と爪は本物を用います。
残念ながら、もう一つも残っておりませんが。
「踊りましょうよ」
補聴器のメンテナンスと顧客とのお喋りを終えると、セールスマンさんはこっそり人工池に向かう。そこには“世界で最も釣り合いのとれた耳”をもつ彼女がいた。
「選鉱場とラッパ」
少年は、輪投げの景品のラッパが欲しかった。「どうか僕のラッパを誰かが持って帰ったりしませんように……」。お祭りの最終日、問題が発生する。
| 作者 | 小川 洋子 |
|---|---|
| 価格 | 1980円 + 税 |
| 発売元 | 講談社 |
| 発売日 | 2024年10月10日 |
『掌に眠る舞台』
「だって人は誰でも、失敗をする生きものですものね。だから役者さんには身代わりが必要なの。私みたいな」
金属加工工場の片隅、工具箱の上でペンチやスパナたちが演じるバレエ「ラ・シルフィード」。
交通事故の保険金で帝国劇場の「レ・ミゼラブル」全公演に通い始めた私が出会った、劇場に暮らす「失敗係」の彼女。
お金持ちの老人が自分のためだけに屋敷の奥に建てた小さな劇場で、装飾用の役者として生活することになった私。
演じること、観ること、観られること。ステージの彼方と此方で生まれる特別な関係性を描き出す、極上の短編集。
■著者略歴
小川洋子(おがわ・ようこ)
1962年岡山市生れ。早稲田大学第一文学部卒。88年「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。2004年『博士の愛した数式』で読売文学賞と本屋大賞、同年『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞を受賞。06年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞。07年フランス芸術文化勲章シュバリエ受章。13年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。20年『小箱』で野間文芸賞を受賞。21年紫綬褒章受章。『小箱』『約束された移動』『遠慮深いうたた寝』ほか著書多数。
| 作者 | 小川 洋子 |
|---|---|
| 価格 | 1815円 + 税 |
| 発売元 | 集英社 |
| 発売日 | 2022年09月05日 |
『ことり』
【文学/日本文学小説】人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりをよく理解し、こよなく愛する兄と、兄の言葉を唯一わかる弟。小鳥たちの声だけに耳を澄ます二人は、世の片隅でつつしみ深く一生を生きた。やさしく切ない、著者の会心作。解説・小野正嗣。
| 作者 | 小川洋子(小説家) |
|---|---|
| 価格 | 792円 + 税 |
| 発売元 | 朝日新聞出版 |
| 発売日 | 2016年01月07日 |
それでは、これまでにご紹介した小川洋子さんの6つの名作を通じて、どのようなものが「ふつうの地獄」であるのか、少しでも感じていただければ幸いです。それぞれ異なる舞台設定、登場人物、テーマを持つ彼女の作品ですが、共通して描かれているのは、日常の中に潜む絶望や恐怖、疎外感という「ふつうの地獄」であり、その中に潜んだ意義や美しさを見つけ出す力が詰まっています。
私たちはただ生きているだけで、知らず知らずのうちに、自分が何処かの時点で地獄に足を踏み入れてしまっていることもあるかもしれません。しかし、その地獄さえも、自分自身の生きざまを映し出す、一つの世界観と捉え、前進することができるのです。そんな深い洞察力と温かい人間愛に溢れた小川洋子さんの作品は、読む度に何か新しい発見や気づきをくれます。
ふつうの生活、ふつうの日常。それが時とともにつくり出すものがまさに「ふつうの地獄」です。しかし、その真っ只中にあっても、葛藤を抱えながらも前を向いて歩み続ける人たちの姿に、きっと何かを感じ取ることができることでしょう。ぜひともご自身の目で、心で、感じ、考えていただきたい。「ふつうの地獄」という言葉の意味を新たに捉えるきっかけとなり、少しだけ人生の見方が変わるかもしれませんね。それでは、小川洋子さんの世界へ、あなたをお誘いします。
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