石垣りん おすすめ詩集 6選 戦後の日本を代表する女性詩人

石垣りんさんの詩集における鋭い言葉の使い方と繊細な感情表現は、女性詩人の中でも特に優れていますね。自らの体験を基にした詩は、戦後の厳しい時期を生き抜いた日本人女性の生の声を伝えてくれます。また、普遍的な愛や命の尊さを詠った詩には、人間の業や苦しみを優しく包み込むような温かさが感じられます。石垣りんさんの詩集はその深いインパクトから、一度読むとその世界から離れられなくなるような魅力があります。彼女の作品に触れ、自分自身を見つめ直すきっかけになることでしょう。
『石垣りん詩集』

『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』
(書肆ユリイカ、一九五九/花神社、一九八八/童話屋、二〇〇〇)
原子童話
雪崩のとき
祖国
挨拶
天馬の族
繭
夜話
よろこびの日に
白いものが
今日もひとりの
私の前にある鍋とお釜と燃える火と
日記より
女湯
手
顔
悲劇
盗難
三十の抄
屋根
犬のいる露地のはずれ
貧乏
家
夫婦
月給袋
風景
用意
私はこの頃
ひめごと
この光あふれる中から
不出来な絵
ぬげた靴
風景
その夜
『表札など』
(思潮社、一九六八、二〇〇八/花神社、一九八九/童話屋、二〇〇〇)
シジミ
子供
表札
くらし
夜毎
旅情
海辺
島
えしゃく
崖
健康な漁夫
貧しい町
落語
海のながめ
土地・家屋
鬼の食事
愚息の国
銭湯で
公共
弔詞
唱歌
生えてくる
『略歴』
(花神社、一九七九、一九八七/童話屋、二〇〇一)
村
儀式
略歴
行く
定年
遥拝
町
へんなオルゴール
追悼
神楽坂
まこちゃんが死んだ日
ケムリの道
風俗
十三夜
河口
『やさしい言葉』
(花神社、一九八四、一九八七/童話屋、二〇〇二)
ことば
木のイメージ
還暦
跳躍
青い鏡
兵士の世代
坂道
洗剤のある風景
『レモンとねずみ』
(童話屋、二〇〇八)
レモンとねずみ
すべては欲しいものばかり
年を越える
ゆたんぽ
いじわるの詩
私の日記
夜の詩
墓
声
単行詩集未収録詩篇から
花のことば
いくさの季節
帰郷
下品な詩
黒い影
ふざけた謝罪
落伍
犬
駆けだす
この道
発言
掌上千里
記憶
それから
南極
道のはずれに
ラッシュアワー……だな
汗をかく
捨て科白
嫉妬
きこえない
鳥がなく
夜道
東京の夜
グラウンド
猫がなく
おでんやのいる風景
葉かげ
貝がら
たそがれの光景
夏の朝
言い草
(無題)
*
解説(伊藤比呂美)
石垣りん自筆年譜
作者 | 伊藤 比呂美 |
---|---|
価格 | 880円 + 税 |
発売元 | 岩波書店 |
発売日 | 2015年11月17日 |
『石垣りん詩集 表札』

「自分の住むところには 自分で表札を出すにかぎる。」
石垣りんは、早くより東京・丸の内で銀行勤めのかたわら詩を書き、一家六人の家族の暮らしを支え、太平洋戦争の頃には多感な二十代を過ごしました。そういった生活苦さえも詩作の糧にしてしまうしたたかさを発揮して、「表札」など文学史にのこる名詩を生んだのです。
世の中を鋭く観察した詩や反戦詩は、今生きる私たちに勇気を与え、また反省を促します。2020年に生誕100年を迎え、装いもあらたに、これぞ石垣りんという作品を厳選しました。童話屋の詩文庫・決定版。
「表札」「雪崩のとき」「挨拶」「崖」「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「レモンとねずみ」「空をかついで」ほか全29篇
作者 | 石垣りん |
---|---|
価格 | 1650円 + 税 |
発売元 | 童話屋 |
発売日 | 2021年08月05日 |
『にほんの詩集 石垣りん詩集』

十四歳で事務見習として銀行に就職し、定年まで、ひとりで家族の生活を支えた詩人・石垣りん。
定年家族に、会社に、そして社会に、ひるむことなく向き合い、自らを律して生きた詩人が、
小さき者、弱き者らへの慈しみや孤独な心情を鮮やかに解き放つ名詩を厳選。
「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「シジミ」「表札」など。
作者 | 石垣りん |
---|---|
価格 | 1980円 + 税 |
発売元 | 角川春樹事務所 |
発売日 | 2022年06月15日 |
『宇宙の片隅で 石垣りん詩集』

作者 | 石垣りん/水内喜久雄 |
---|---|
価格 | 1540円 + 税 |
発売元 | 理論社 |
発売日 | 2004年12月 |
『略歴: 石垣りん詩集』

作者 | 石垣 りん |
---|---|
価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 童話屋 |
発売日 |
『やさしい言葉 石垣りん詩集』

作者 | 石垣りん |
---|---|
価格 | 2200円 + 税 |
発売元 | 童話屋 |
発売日 | 2002年06月 |
この記事を読んで石垣りんさんの素晴らしい詩の世界に少しでも興味を持っていただけたのなら、私としてもこれ以上の幸せはありません。私がここで特に紹介した6つの詩集は、彼女の豊かな感性そして豊穣的な表現力が全開になっている作品たちですが、それ以外にも石垣りんさんは多くの素晴らしい詩を世に送り出しています。
その中には、人間の心の奥深くに潜んでいる情緒や、社会問題を独自の視点から切り取ったもの、時には自己と向き合い、自身の置かれた立場をずっと深く問い続ける作品など、多種多様にわたります。それぞれがその時代の色彩を織り交ぜて、生きることの複雑さを美しい言葉で紡ぎ出しています。
石垣りんさんの詩は、私たちが普段何気なく過ごしている日々の中に、新たな視点を提供してくれます。そこには、度々頷きながら、また驚きながら、静かな共感を覚えることが多いのではないでしょうか。そして何より、彼女の詩にはどこかで必ず心が揺さぶられる箇所が隠れています。それはまるで、言葉の奥深くに眠る真実を見つめようとする読者への、彼女からのさりげないおもてなしのように感じられます。
文章だけでなく、日々の暮らしの中でも、美しい言葉に触れることのできる詩。石垣りんさんの詩を通じて、あなた自身の感情が上手に表現できるようになるかもしれません。それはまさに、くらしを彩る芸術品ともいえます。これまで詩と無縁だった方も、是非この機会に、石垣りんさんの詩の世界を訪れてみてください。それがあなたの日常に新たな色彩を混ぜてくれることでしょう。
本サイトの記事はあくまで新しい書籍と出会う機会を創出する場であり情報の正確性を保証するものではございませんので、商品情報や各作品の詳細などは各自で十分に調査した上でご購入をお願いいたします。各通販サイトが提供するサービスは本サイトと関係ございませんので、各通販サイトは自己責任でご利用ください。