ムーミンとトーベ・ヤンソンを知る本4選

ムーミンと聞けば、その愛らしいキャラクターたちとファンタジー溢れる世界観を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、その背後には創造者であるトーベ・ヤンソンの深い思索が息づいています。ここでは、彼女の作品をより深く理解するための4冊をセレクトしました。一冊目は、彼女の自伝的なエッセイ集で、創作活動の源泉が語られています。二冊目は、評論家が精緻に分析した研究書。三冊目は、作品を楽しむための絵本的な発見ガイド。最後の一冊は、彼女の生涯を描いた伝記です。これらから、ムーミンだけでなく、ヤンソンの人間性や世界観も存分に味わってみてください。
『ムーミンを生んだ芸術家トーヴェ・ヤンソン』

作者 | 富原,真弓,1954- 新潮社 |
---|---|
価格 | 不明 |
発売元 | 新潮社 |
発売日 | 2014年04月 |
『ムーミン谷への旅』

ムーミンのすべて!
世代や国のちがいをこえて、人々に愛されつづけるムーミントロール。作者トーベ・ヤンソンの今日まで80年の人生をたどり、北欧フィンランドにムーミン世界のルーツを探る。ムーミン誕生のエピソードや、ムーミンの仲間たちの徹底紹介、物語を読み解く年代記なども盛り込んだ、ムーミンのすべて!
親愛なる日本の読者のみなさん、フィンランドにあるムーミン谷は、たぶんあなたが思っているほどあなたのところから遠くへだたってはいないのです。とくに、わたしたちのようにおたがいの国のおとぎ話を読みあっていて、お話がほんとうのことだと信じる者どうしにとってはね。--トーベ・ヤンソン
小さなヘムルは、ムーミン一家にききました。「あてさきは、なんと送ったらいいのかしら」「ムーミン谷と書くだけで、いいですよ」と、ムーミンパパがいいました。
作者 | 講談社 |
---|---|
価格 | 3190円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 1994年04月18日 |
『トーヴェ・ヤンソン ムーミン谷の、その彼方へ』

ヤンソン研究の第一人者が
8年の歳月をかけて書き上げた
遺作にして、決定版評伝。
ムーミン谷はなぜ生まれたのか。いったいかれらは誰なのか。
その謎はトーヴェ・ヤンソンの生涯をたどると見えてくる。
===
「どこまでが事実で、どこからが虚構なのか。
これを問うてもあまり意味はない、と示唆していると考えることもできよう。創作は創作として評価すべきであって、モデル探しに意味があるとは思えないとも。だから、これまでわたしは、虚と実とを必要以上に同一視する読みを避けてきた。しかし、近年あらためてヤンソン作品を読みなおすうちに、作品のいたるところに、作者のアルター・エゴが見え隠れする気がしてきた。したがってヤンソンの生涯を語ることは、ひるがえって作品を語ることであり、逆もまた真であろう。と同時に、物語の内的ロジックを分析するさいに、作者の生とからめる解釈のさじ加減に細心の注意を払いたいと思う。虚と実の交わる境界領域にこそ、作者トーヴェ・ヤンソンのひととなりが現われでるかもしれない。
もとより、どんな作家でも大なり小なりそうなのだが、トーヴェ・ヤンソンという作家はとりわけ自己イメージの表象にこだわった創作者ではないのか。そして、それらは子ども時代の家族の表象、というより、きわめて明確な意図をもって再構築され、しかもいかにも無造作で自然な印象を与えるまでに入念に呈示された表象と切っても切り離せないと思う。
なんといっても、ヤンソンが生きた子ども時代の追想なくして、ムーミン谷やその住人たちに生命が吹きこまれることはなかった。よって、まずは虚構のムーミンの家族と実在するヤンソンの家族をかさねることから、
ヤンソンの生涯を語ってみたい。」
(「まえがきにかえて」より抜粋)
===
作者 | 冨原 眞弓 |
---|---|
価格 | 3300円 + 税 |
発売元 | 筑摩書房 |
発売日 | 2025年07月10日 |
『もっと知りたいムーミンとトーヴェ・ヤンソン』

ムーミンといえば、スナフキンやミイなどの個性豊かなキャラクターとともに、日本では年代と問わず幅広い人気を保っています。その作者、トーヴェ・ヤンソンは芸術一家に生まれ、まだ女性の芸術家が活躍できる場が少なかったフィンランドで、自らの芸術家生命をかけて苦闘しました。第二次世界大戦中のファシズムとの闘いをへて開花したムーミンの世界と同時に、これまであまり紹介されなかった壁画の業績、トーヴェの内面を映した肖像画など、ムーミンだけではない豊かなトーヴェの芸術を紹介します。
はじめに
第1章 画家への道 ムーミンの片鱗
トットの子ども時代
工芸美術学校生から画家の道へ
[ 特集 ] 芸術一家─トーヴェの父と母
トーヴェにとっての絵画(美術)
第2章 ムーミンの世界 絵画(美術)としての造形
ムーミンをめぐる造形の制作手法
[ コラム ] ファンタジーのランドスケープに見る海と岩
第3章 ファンタジーと物語性 ムーミンとの共生
トーヴェのパーソナリティと、その創作
装飾絵画の施設・空間・手法
対象をフィルタリングして呈示する
人生の転機と、ムーミンからの卒業
掲載作品一覧/ムーミンとトーヴェ・ヤンソンを知るためのブックガイド
作者 | 橋本優子 |
---|---|
価格 | 2420円 + 税 |
発売元 | 東京美術 |
発売日 | 2025年07月28日 |
それぞれの本で描かれるムーミンの世界は一見するとどこか懐かしい雰囲気を感じますが、じっくりとその世界観に耳を傾けると、私たちが忘れかけている大切な何かに気づかされることでしょう。そう、それは心の純粋さを保つこと、人生の本質を見つめること、そして家族や友人との絆の大切さを感じることです。また、作者トーベ・ヤンソンの人間観も深く読み解くことができます。彼女が創り出したキャラクターたちは、どこか人間臭い感情を抱えながらも、優しさと強さを兼ね備えています。彼女の作品には、私たちが日常を生きていく上で必要とする、本当の力が詰まっています。
4作品とも、どれも一見子ども向けの物語のようですが、大人が読めば読むほど新たな発見がある深い作品ばかり。あなた自身の人生観や価値観に問いかけてくれるかもしれません。そして、それぞれの作品は、他の作品とはまた違った角度からムーミンの世界を描いており、読む度に新たな発見があります。
大切なのは、心を開いて読むこと。作品の中に描かれているのは、人生そのもの。時にはユーモラスに、時には深く、時には切なく、それぞれの姿を通じて、人間の生きる喜びや困難さを教えてくれます。それぞれの物語、キャラクターに触れてみてください。きっと、ムーミンの世界があなたの心に新たな風を吹き込んでくれるはずです。毎日の生活の中で見落としてしまいそうな、でも本当はとても大切な何かを思い出させてくれるような気がします。
本サイトの記事はあくまで新しい書籍と出会う機会を創出する場であり情報の正確性を保証するものではございませんので、商品情報や各作品の詳細などは各自で十分に調査した上でご購入をお願いいたします。各通販サイトが提供するサービスは本サイトと関係ございませんので、各通販サイトは自己責任でご利用ください。